ブロンプトンユーザーのためのなんちゃってトライアスロン大会、沖縄でプレ開催!

目次

Brompton Loose Triathlon

 

10月の沖縄でゆる~いトライアスロン!?

「日本最強! 最悪」をうたうド変態超級山岳ロングライドイベント『The PEAKS』など、自転車乗り視線で独創的なイベントを仕掛ける、longridefan.comが次の舞台に選んだのは沖縄! 世界的に人気の折りたたみ小径車『ブロンプトン』ユーザー向けの大人のゆる〜い、なんちゃってトライアスロン企画だという。

名付けて、『Brompton Loose Triathlon(略称:ブロゆるトラ)』! コンセプトは、「ブロンプトンでリゾートライドも海も大地も満喫しよう!」だ。

今年は本開催に向けてのプレ大会という位置付けで、10月24日(日)に開催された。そのプレ大会に参加した模様をじてんしゃ旅ライターのクリヤマがレポート!

Brompton Loose Triathlon

10月の沖縄はまだまだ海も楽しめる気候。海に山とリゾート気分を楽しみながら、スポーツ三昧の一日を過ごすには格好の舞台だ

 

ブロンプトン乗りが考えた新発想のイベント

そもそもこのイベントは、longridefan.com代表のtatts氏が、長くブロンプトンを愛好し、その楽しみ方を追求してきたコアユーザーで、幾人もの自転車仲間をブロンプトンライドの世界に引き込んできた経緯から、「さらに新しいブロンプトンの遊び方をしてみたい」と発案。

トライアスロンなんて全くの他人事と思っているようなブロンプトン乗り(もしかしたら普段10kmも走ったこともないような)を、まだまだ夏らしさの残る沖縄で、記憶に残る体験に導きたいという想いもある。『The PEAKS』も参加者の記憶に残るイベントという意味では共通だ。

Brompton Loose Triathlon

村民の浜を泳ぐ(歩く?)、ブロンプトン乗りたち。自信のある人たちは少し沖を泳ぐ。大人になっても、海で泳ぐのって楽しい、と思い出させてくれた

 

なんちゃってスイムは浮き輪付き!?

イベント開催場所は、沖縄本島北部の今仁帰村(なきじんそん)とその周辺。東シナ海に向けてボコッと突き出た本部半島(もとぶはんとう)の北側一帯だ。

第1種目のスイムパートは、今仁帰総合運動公園に隣接する村民の浜の約300m。その浜の端から端へと移動すればOKなのだが、湾状になった海水浴場の中央は、足がつかない深さになるため、今回、参加者には浮き輪が事前に用意された。大の大人が浮き輪……、とちょっと海に入るのを躊躇う参加者面々。

Brompton Loose Triathlon

天候が薄曇りだったのと、子供たちのシーカヤックスクールが開催されていて、最初はテンション低めだったけれど、スタートしてみればご覧のとおり

 

スタートの掛け声とともに、浮き輪を付けて一斉に走り出す、ちょっとお間抜けな参加者たち。でも、これが侮るなかれ。海を泳ぐ楽しみを忘れてしまった大人たちが、童心に帰ってはしゃぐはしゃぐ。海中を覗けば、すぐ目の前を小魚が泳ぎ、時に飛び跳ねる光景が見られて、恥ずかしさよりも沖縄の海を泳ぐ楽しさのほうが先立つこと間違いない。

300mの距離も短いかと思いきや、普段泳いでいない筆者などは、なかなか思うように進まない。足をこんなにバタバタさせたのは、何年ぶりのことだろう。泳ぎが苦手な人でも浮き輪に助けられ、浜に近い方を進めばそこまで怖さは感じないはず。あくまでも”なんちゃって”なのだ!

Brompton Loose Triathlon

ブロンプトンを組み立てるのは、ものの1分もかからない。濡れたウエアを着替えている人がほとんどだったが、午後は晴れてウエアも乾く陽気になった

Brompton Loose Triathlon

羽地内海を横目に、とても走りやすい道を走れるバイクパート中盤。ブロンプトンのスピード感が、周囲の風景を楽しみながら走るにはちょうどいい

 

バイクで絶景の古宇利大橋を渡って、羽地内海を一周!

海から上がったら、第2種目のバイクパート。ブロンプトンを組み立て、ささっと着替えを済ませて、今仁帰総合運動公園をスタートしていく。ブロンプトンの走行性能があれば、沖縄特有の若干の起伏もうまくギヤを切り替えて乗り越えられる。スタートしてまもなく、屋我地島(やがじしま)に架かるワルミ大橋からは、左手に古宇利島(こうりじま)が見える。

Brompton Loose Triathlon

古宇利島に架かる古宇利大橋は、絶景スポットとして全国的にも有名。古宇利島まで渡って、一時補給した後に戻ってくるルート。橋上からも泳ぐ魚が見えた

 

そして、バイクパートの見所は、なんと言っても古宇利大橋! 眼下には、スッと水上に架かる一本の橋。その両側に広がるオキナワブルーの海が待っていた。

撮影スポットの古宇利大橋を折り返すと、羽地内海(はねじないかい)をグルっと海沿いに走る爽快路を進む。後半の内陸部では、少し勾配のある坂道が続くが、バイクパート約33.5kmは普段走り慣れている分、スイムよりも楽に周辺の景色を楽しみながら走れた。

Brompton Loose Triathlon

後半、羽地内海沿いを走った後、待ち構える上り坂。これはちょっと堪える。外装変速と内装変速をできるだけ軽いギヤに入れて、ここは乗り切る

Brompton Loose Triathlon

ハイビスカスや色とりどりの花々が咲く道沿いには、珍しいさまざまな蝶が舞い、沖縄特有の自然環境を身近に感じる。これはウォークならではの体験

 

ラン代わりのウォークは、乙羽岳山頂を目指す

今仁帰村役場の近くの駐車場にブロンプトンを置いたら、ここからは第3種目ウォークパートの始まり。片道約4.5kmの乙羽岳(おとはだけ)山頂までのハイキングだ。サトウキビ畑や牛舎脇を抜ける沖縄らしさの残る小径を楽しみながら登っていく。このウォークが思ったよりも脚にきた。

Brompton Loose Triathlon

サトウキビ畑やハイビスカスの咲くほのぼのした道を歩く。いかにも沖縄らしい古民家脇を抜けると、その先は乙羽岳への我慢の登り道に入る

 

沖縄の固有種だろうか、色とりどりの蝶が無防備にヒラヒラと舞う間をゆっくりと登っていく。南国らしい熱帯の森が周囲に広がる舗装路を進み、森林公園内にある標高約275mの山頂までは、後半になればなるほど勾配は急に。それでも山頂にある展望台からの眺めを見れば、疲れも吹っ飛んだ。先ほどバイクパートで走った古宇利大橋に、その先に広がる東シナ海と、『ブロゆるトラ』で巡った各所を目で追うことができた!

Brompton Loose Triathlon

展望台の直前に激坂が現れる。スイムとバイクで疲れた体には、このウォークパートがボディブローのように効いてくる

Brompton Loose Triathlon

乙羽岳頂上にある展望台からのご褒美の眺め。正面に見れるのは、古宇利大橋と古宇利島。スタートした村民の浜がある海岸線も遠くまで見渡せた

 

乙羽岳からの下りは、少し道を間違えながらも、元来た道をたどって駐車場まで戻ってきた。再度ブロンプトンにまたがり、最後は今仁帰総合運動公園までのわずかな区間を走って、無事にフィニッシュ。

今回はプレ開催ということで、明確に定まっていない所もあったが、参加者は一様に楽しげ。「海で泳いだのは、まだ子供が小さかった時以来」「沖縄は何度も来ているけれど、自転車で走ったのは初めて」「最後のウォークが一番キツかった。でも、楽しかった!」などなど、それぞれの沖縄を満喫している様子だった。

Brompton Loose Triathlon

今回は約15名規模の参加者で開催。フィニッシュ後は、みんな笑顔! ブロンプトンでつながる仲間の輪を実感 ※撮影のためにマスクは着用していません

 

海に山に、非日常体験の1日を沖縄で満喫!

ブロゆるトラは、競技タイムを計測したり、順位付けはせず、あくまでも大人がゆとりを持って完走を目指す、”なんちゃって”トライアスロンを楽しむイベントだ。とは言っても、スイム300m、バイク33.5km、ウォーク約9kmを一日でこなすのは、思った以上にハード。

普段、スイムやウォークなどはやっていない筆者は、1週間たった今も少し筋肉痛が残っている。オリンピックディスタンスのスイム1.5km、バイク40km、ラン10kmには及ばないものの、沖縄の青い海と空の下で、なまった体を動かすのは気持ちのいい体験だった。

美ら海水族館や世界遺産の今仁帰城(なきじんぐすく)などの観光地も近いので、沖縄観光と合わせて参加するのもいい。南国で非日常体験を味わってみたいブロンプトン乗りのみなさん、次回ぜひチャレンジしてみてはどうだろうか。

本大会の開催日程は2022年10月下旬予定。主催のlongridefan.comの4126氏によると、「今回のプレ大会参加者の意見を踏まえて、ブラッシュアップしていく」とのこと。参加資格はブロンプトンユーザーで、自分が使う浮き輪を持参できる人(笑)。イベント詳細は来年の発表になるとのことだが、以下のサイトに情報掲載されるので、ぜひチェックしてください。