北の丸に自転車の匠が集結! ハンドメイドバイシクル展2026(前編)
初春の恒例行事となっている、ハンドメイド自転車の祭典をリポートする。スポーツ自転車の選択肢は、決してマスプロダクツだけではないことを感じさせる人気イベントだ。理想の自転車を求めるサイクリストにとって、実車を見ながらビルダーと直接交流できる貴重な機会である。個性的なパーツやフレーム素材の展示も見応えがあり、大いに盛り上がる二日間となった。
開催地:東京都千代田区北の丸公園・科学技術館
主催:一般財団法人 日本自転車普及協会 自転車文化センター
1月24日と25日の二日間にかけて、「ハンドメイドバイシクル展2026」が開催された。国内の主要なハンドメイド自転車の工房と周辺アイテムのディストリビューターが一堂に会する人気イベントであり、今年は46もの出展社・者・団体が、東京の真ん中である北の丸公園の科学技術館に集結した。
ハンドメイドによるオーダー車は、かつて「高嶺の花」といったイメージが強かったが、昨今のハンドメイドバイシクル展は年々来場者が増えている。ベテラン層はもちろん、若い来場者も多い。そして、ビルダーや製品の開発者自身が立つ各ブースを、熱心に回っていく。幾度かのブームを経て目の肥えたサイクリストが増えたこと、そしてマスプロメーカーによる市販スポーツ車の価格が高騰した昨今、今も現実的な価格で手に入るオーダー車の魅力が再発見されているようだ。
会場全体を見渡すと、ディスクブレーキやスルーアクスルといった最新規格を採用したオーダー車は、もはや当たり前になった感がある。全体として今年もグラベルバイクの出展が多かったが、伝統的なランドナーや実用車の展示も多く、マスプロ車がカバーできない車種や、乗り手個々人のニッチな要望に応えた個性的な自転車などが来場者の注目を集めていた。
ここでは、会場で見かけた魅力的な自転車とビルダーの姿、そして注目の製品をリポートする。

会場に入って真っ先に迎えてくれたのは、いつも華麗なCHERUBIM(ケルビム)ブース。今年の主役はオール金メッキのレーサー「ノスタルジア」。1970〜1980年代のスチールフレーム黄金時代への敬意を形にしたという。オーナーと職人の情熱がまぶしい

今回が初出展となるVIGORE(ビゴーレ)は、京都で百年近く自転車作りを続けている老舗。関西ではとても知名度と人気が高いハンドメイドブランドだ。三代目のビルダーである片岡聖登さん(写真右)と、四代目ビルダーとして絶賛修行中で広報も担当している片岡有紀さんがブースに立った。写真のオールロード「Horizon-sen-」は、有紀さんご自身が乗るために製作。小サイズながら違和感のないホリゾンタルフレームだ

競輪フレームやピュアレーサーを得意とする「エム、マキノサイクルファクトリー」が展示したのは、意外にも伝統的な装いのスポルティーフ。ユーザーさんが長年愛用してきた一台をリペイント・リビルドした。こうした「遊び」の自転車も見事なのは流石

チタニウムを駆使したデザイン性の高さと確かな「速さ」が支持され、あっという間に国内のトップブランドになったEQUILIBRIUM(エクイリブリウムサイクルワークス)。安定のロードバイクに加え、小柄な選手の要望に応えたトライアスロンバイクや小径車を展示しており、新たな可能性を感じさせた

ランドナーなど伝統的な旅行車作りなら、世界中でTOEI(東叡社)の右に出るものはない。今年は優美な婦人車を展示。ナベックスラグを活かしたヘッド周りが注目の的だ。一部にはワンオフの部品も用いて、パイプ数が多いミキストフレームながら重量9kgに仕上げられている

グッズ作家とコラボしたアットホームな展示が印象的なYANAGI(柳サイクル)。今回は端正なオールロード「Quiet」を展示。フルオーダーに加えて、製造済みのフレームストックも用意し、手頃な価格で提供する

京都からランドナー復活の狼煙を上げた救世主が、Grandbois(サイクルグランボア)。今回はホンダの「スマチャリ」を搭載したアレックスサンジェ(本家フランスのハンドメイド自転車)を展示。「親方」の愛称で親しまれている代表ビルダーの土屋郁夫さんは「うちは高齢者を救うんですよ」と笑う
後編に続く



















