第5回自転車甲子園 栄冠に輝いたのは弓削(ゆげ)高校!
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全国の高校生を対象とした「第5回自転車甲子園」が愛媛県松山市で11月9日(日)に開催された。
開催日:2025年11月9日(日)
主催:愛媛県自転車新文化推進協会
後援:経済産業省、国土交通省自転車活用推進本部、警察庁交通局
協力:株式会社ジャイアント、株式会社まちづくり松山、本州四国連絡高速道路株式会社
協賛:株式会社オージーケーカブト、株式会社ウエイブワン、一般財団法人自転車新文化基金會 、IKEUCHI ORGANIC株式会社
会場:ANAクラウンプラザホテル松山/大街道1丁目
自転車甲子園とは?
高校生がサイクリングに関する正しい知識や技術を身に付けると共に、 地域の自然環境や文化への理解を深め、サイクリングを通じて、地域の魅力を 発見・発信できる人材として活躍することを応援するイベントだ。また、地域課題に向き合う活動により、学生・学校が社会的に影響の高い活動をしていることをお互いに認識しあい、 県内外へ発信していくことを目的としている。
愛媛県内の高校だけでスタートした同大会だが、一昨年から長野県(白馬高校)、そして今年は大阪府(金光藤蔭高校、交野高校)からの参加もあり、愛媛から全国へと広がり始めている。

内閣官房副長官補室 内閣参事官 八矢 拓さん
「皆さんの今日のプレゼンの中ですごく良いアイデアがあれば、日本の新しい自転車施策に生かされることも十分にあり得るので、普段の思いをぶつけていただければと思います」
参加13校による予選はクイズ、実技、スピーチの3種目で行われる
予選は以下のと3種目で行われる。
1.道路交通法を基準としたクイズ
2.実技
3.スピーチ
道路交通法やマナーに関するクイズ10問をチーム全員で回答する。シンキングタイムはわずか30秒だ。実際のクイズを紹介するので、読者の皆さんもぜひやってみてほしい。
Q1.自転車に対する「交通反則通告制度(いわゆる青切符制度)」は、 何年の何月何日から施行されるでしょう?
Q2.自転車に対する交通反則通告制度、いわゆる青切符の適用が開始されますが、 携帯電話等(スマートフォンなど)を使用しながらの「ながら運転」と「並走」の反則金はそれぞれいくらでしょう?
Q3.自転車の交通違反に対する“青切符”の対象は何歳以上でしょう?
Q4.自転車は原則、どこ通行をしなければならないでしょう?
Q5.自転車が一時停止しなければいけないときを3つ以上書いてください。
Q6.車道を通行中の交差点で左折、直進、右折の通行帯がある場合に 直進する自転車はどの通行帯を走行しますか?
Q7.自転車安全利用五則を全て書いてください。
Q8.下記の空欄を埋めてください。 歩道通行時は(1 )最優先、 速度は(2 )、歩道の中の(3 )寄りを走行。
Q9.普通自転車が歩道を走れる条件はなんでしょう?
Q10.自転車で横断歩道を乗車して横断する時のルールを答えてください。
全問正解の高校はなく、トップは7問正解の土居高校。ちなみに筆者は10問中6問しか正解できなかった……。
クイズにもあったように2026年4月1日から施行される「青切符制度」に関しては、警察庁が自転車の基本的な交通ルールと警察の交通違反の指導取り締まりの基本的な考え方について、自転車ルールブックを公表しているので、これを機に改めて学んでいただければと思う。
実技は4種目(ヘルメットの装着、8の字スラローム、スタンディング2m、20cm×3mの一本橋)で行われる。ヘルメットの装着は3人中何人が正しい装着ができているかを競う。お互いにチェックして手伝いのはOKだ。制限時間は1分30秒でオージーケーカブトのスタッフが厳正な審査を行う。
チェックポイントはヘルメットの縁が眉毛のラインの上にある。あご紐の長さは指2本入る。耳下のV字部分のアジャストロックがきっちりと耳元に収まる。の3か所だ。昨年までは、耳下のところで、得点できていなかった高校が多かったが、今年は10点満点が9校も。上記はベテランサイクリストでもできていないのを見かけるので、自信のない人はこちらでチェックしよう!
実技種目の「8の字スラローム」「スタンディング2m」「20cm × 30mの1本橋」は、会場近くの大街道の特設会場で行われた。クイズもそうだが、年を追うごとに高校生の知識と技術がしっかりと根付き始めているなあと感心してしまう。愛媛県の自転車文化恐るべし……。
スピーチでは、自転車に関する地域の活動や取り組みを発表する(5分)。 テーマは自転車、またはサイクリングに関係する「地域課題」「交通安全」「地域活性化」「新たな価値づくり」のどれかを選択。ちなみにスピーチの順番はクイズと実技の合計点の低い高校から行われ、今回は初参加の交野高校からの発表となった。
各校のスピーチでは、交通安全普及活動、ヘルメット着用率向上、高校生によるサイクリングガイドツアーの実施、サイクリング人口を増やすには? サイクリングコースの発掘、スポーツバイクでの通学提案、観光誘客のためのサイクリングマップの作成、自転車通学は学力に影響を及ぼすのか調査、自転車甲子園での学びを生かし、幼児~小中学生向け自転車教室の実施、地域のサイクリング推進事業活動への参加……大人では気づかない高校生ならではの発想や行動力に今年もいっぱい楽しませてもらった。なかでも土居高校がスピーチの締めで声を張り上げて言った「高校生が動けば地域が変わる。小さな一歩が大きな笑顔に変わる」に思わず涙が出てしまった。

通学自転車の95%がスポーツバイクの白馬高校は、自転車甲子園参加を機に、愛媛県の高校では校則でスポーツバイクが禁止されていると知り、愛媛県へスポーツバイクでの通学を提案。来年このテーマを来年の大会に向けて、愛媛県の高校が動いたら面白いと思うのだが……
決勝選出4校による討論バトルの末、最優秀賞に選ばれたのは弓削高校!
決勝に進んだのは昨年と全く同じ顔合わせで、土居高校、白馬高校、松山北高校中島分校、弓削高校の4校だ。
事前に4つの課題が提示されているが、決勝での討論議題は「自転車に乗る人が道路交通法を遵守するために必要な方法とは?」に決まった。3分間の作戦会議を経て、各校より
「広告(TikTok、YouTube)を利用し幅広い世代へ交通ルールを知ってもらう(中島)」
「自転車を授業に!知らなかったじゃ済まされない社会へ(弓削)」
「①ルール教育の実践と体験化②地域ぐるみの見守りと声掛け(土居)」
「保育園で練習、小学校で検定(白馬)」
などのアイデアを基にプレゼンを行なった。お互いに各校のアイデアに対する問題点を指摘し、それに対応する激しい討論バトルが行われた。

決勝進出の4校。個人的には「白馬高校の検定制度」がすでに実施しているスキー検定制度をヒントにしていたので、実現可能性が高いと感じたが、自転車事故の6割が19歳以下の中高生という現状課題に対し、義務教育での自転車教育の重要性を唱えた弓削高校が栄冠を勝ち取った

最優秀賞の弓削高校(左から)川上先生、溝辺さん、松野さん、秋山さん、川西さん。「暗記してきたスピーチ原稿をプレゼン調に話す練習を繰り返し行なったことと、討論用に想定していた質問が実際に質問されてうまく返すことができたのが勝因です」
審査員

国土交通省道路局 自転車活用推進本部 自転車活用推進本部事務局 自転車活用推進官 原田洋平さん
「今まさに国の第3次自転車活用推進計画を考えているなかで、高校生の皆さんがどんなことを考えているのか、本当に関心をもって聞かせていただきました。プレゼンでは「安全・安心」「地域活性化」の話が多かったと思いますが、同時に「自転車を楽しむ」という意見が多かったのが良かったと思います。引き続き自転車に乗り続けてください」

審査委員長 愛媛県参与 中川逸朗さん
「本当に面白いものを見せていただいた。決勝の討論バトルではそれぞれの学校の特徴が表れていたと思います。ルールは知ることも大事だし、それを定着させるために教育が大事。さらにはそれを習慣化させていかなければ定着していかないという点で弓削高校のプレゼンは非常に分かりやすく、論理的に構成されていたと思います。決勝の4校以外にもいろいろ印象に残る話を聞くことができて、本当に我々自身も勉強させていただきました。今後ますます自転車甲子園が発展することを祈念いたします」
第5回大会の参加校(13校、順不同)















































