東京都内で「サイクルバス」導入検討!? GRAND CYCLE TOKYOメディアツアーレポート

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11月23日、首都高のシンボル「レインボーブリッジ」が封鎖され、堂々と自転車が車道を走れる年に一度のサイクリングイベント「GRAND CYCLE TOKYO レインボーライド(以下、GCT)」が開催された。環境にやさしく、健康にもよい自転車を身近なものとするため企画された本イベントは、今年で2回目を迎えた。さらに同日、ライドとは別に東京都の公共交通機関へロードバイクをそのまま持って乗車できるメディア限定ツアーが開催されたのでその様子をレポートする。

 

「新交通ゆりかもめ」への輪行体験

朝5時、新橋駅にメディアツアーへ参加するメンバーが集合。「新交通ゆりかもめ」に乗り、レインボーライドのスタート地点に近いテレコムセンター駅まで向かう。なお、現時点でゆりかもめはサイクルトレインにする計画はないため、メディアツアー向けの特別便として乗車した。

スタッフに誘導されながら、駅の改札を通過する。メディアツアーには自転車系インフルエンサーの愛あむちゃんも参加

1両貸し切りの「団体専用」列車に乗車する

自転車は各車両にある車椅子専用スペースに2台づつ乗せる。壁には傷防止に緩衝材が貼り付けられている

ゆりかもめに乗車した後、自転車の固定などは全てスタッフが2人かかりで行った。壁に緩衝材を貼り付け、なぜこんなに厳重なのかと最初は疑問に思ったが、走り出すと納得。ゆりかもめは意外と横揺れが大きいため、このようにしっかりと養生と固定をしていないと自転車は簡単に倒れてしまい、壁も傷だらけになってしまう。

うっすらと明るくなった車窓からレインボーブリッジを眺める

輪行袋に自転車を畳んで入れるという作業が1つ減るだけで、電車と自転車の距離感は一気に縮まる。それは、階段の上り下りが多い都内ならなおさらだ。今回はメディアツアーの一環ではあったが、都内を走るゆりかもめに分解せずに輪行できる利便性は高く、この体験だけでも特別感があると感じた。

 

都内で「サイクルバス」の導入を検討!?

レインボーライドのゴール地点ではマルチスポーツ会場が開設され、ストライダーのレースやBMXのエアートリックなど、見て遊んで楽しめる場所となっていた。そんな会場に見慣れた都営バスが停車している。そして、よく見るとフロントバンパーにはサイクルキャリヤが取り付けてあるのだ。

サイクルキャリヤが取り付けられた都営バス

自転車はそのまま専用のキャリヤに乗せる

固定はフロントタイヤを上から押さえつけるだけで完了。きゃしゃに見えるが、固定の強度はまったく問題ない

都営バスではサイクルバスの研究が進められている。展示されていた車両にはフロントバンパーにサイクルキャリヤが付けられ、2台の自転車を乗せることができるようになってる。乗せる方法は、自転車を持ち上げてタイヤ幅よりも広い溝に乗せ、フロントホイールを固定装置で押さえるだけの簡単な動作。慣れれば1分もかからない。このようなサイクルキャリヤを付けたバスは日本全国で十数社の実績があるとのこと。

都営バスの担当者は「研究は始まったばかり。昨年は貸し切りバスに自転車を持ち込むという実験だったが、自転車の養生やサポートの人員など、営業運行する路線バスでの実現が難しい点があった。しかし、難しいで終わらせたくないので、どんな方法があるか追求したい」と語っていた。多くの人が利用する都内のバスなので、2台という積載数には物足りなさや、万が一他の車と接触事故が起きてしまった場合などに筆者としては課題を感じた。しかし、都内でサイクルバスが実現されれば、サイクリングの途中で疲れてしまっても、サイクルバスで楽に帰ってくることができるようになる。さらに、インバウンドの観光客など、利用者の幅も増えてくるだろう。今後がますます楽しみだ。