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ツール・ド・フランス第4ステージは集団ゴールスプリントでガビリアが今大会2勝目

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白熱のゴールスプリントはクイックステップフロアーズのガビリアが制した (©Bettiniphoto)
白熱のゴールスプリントはクイックステップフロアーズのガビリアが制した (©Bettiniphoto)
 
第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月10日にラ・ボールからブルターニュ地方のサルゾーまでの195kmで第4ステージを競い、初日に勝ったコロンビアのフェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ)が、集団ゴールスプリントでマイヨ・ベールのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)とアンドレ・グライペル(ロット・スーダル)を打ち負かし、今大会2勝目を上げた。

集団では残り5kmで大きな落車事故が発生したが、総合上位に大きな変動はなく、マイヨ・ジョーヌはベルギーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシングチーム)が守った。



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マイヨ・ジョーヌはベルギーのヴァンアーヴェルマートが守った (©Bettiniphoto)
マイヨ・ジョーヌはベルギーのヴァンアーヴェルマートが守った (©Bettiniphoto)

ベルギーとフランスの4選手が逃げた

MAP : ASO
MAP : ASO
第4ステージは174選手がスタート。気温は28度Cで快晴だった。オフィシャルスタート前のニュートラル・ゾーンでマルクス・ブールクハルト(ボーラ・ハンスグローエ)が落車したが、レースを続行できた。

オフィシャルスタートの旗が振り下ろされると同時に4選手がアタック。メンバーはギヨーム・ヴァンケイスブルク(ワンティ・グループゴベール)、ディミトリ・クライスとアントニー・ペレス(コフィディス)、ジェローム・クザン(ディレクトエネルジー)で、ベルギー人とフランス人がそれぞれ2人ずつだった。

集団はこの逃げを許し、4人は10km地点で5分差を付けた。タイム差は40km地点で7分半にまで開いたが、BMCレーシングチームがコントロールする集団はそれ以上のタイムを許しはしなかった。

97.5km地点の中間スプリント地点はヴァンケイスブルクが1位で通過。集団はフェルナンド・ガビリア(クイックステップフロアーズ)が先頭で、アンドレ・グライペル(ロット・スーダル)、マイヨ・ベールのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が続いた。中間スプリント地点でタイム差は3分25秒にまで縮まっていた。

ゴールまで残り59.5kmのカテゴリー4の丘はペレスが先頭で通過し、山岳ポイントを1ポイント獲得した。残り50kmを切ったところで、集団ではまた落車があり、ダニエル・マーティン(UAEチーム・エミレーツ)、ミケル・ランダ(モビスターチーム)、ヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム)、バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)が巻き込まれてしまった。集団はペースダウンし、遅れた選手を待った。

ゴールが近くなり、集団の先頭はクイックステップフロアーズが引き始め、残り15kmで4人の逃げのタイム差は1分35秒になった。この日はクイックステップフロアーズとライバルチームがうまく強調できず、なかなか逃げとの差を詰められなかったが、残り5.5kmでタイム差はなんとか40秒にまで縮まった。

ゴールまで残り5km、逃げを捕らえるために加速した集団の中央で大きな落車が発生し、イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)、リゴベルト・ウラン(チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデール)が巻き込まれてしまった。

ウランは3人のチームメートに引かれて残り3kmで集団に戻ることができ、総合10位の座を守ることができた。しかし、ザカリンは集団に戻れず、結局このステージで59秒遅れてしまった。

落車で一時混沌となった集団は何とか逃げを追い詰め、ゴールまで残り1kmで最後まで抵抗していたヴァンケイスブルクを吸収した。最後はマクシミリアーノ・リチェセを発射台にしたガビリアが残り200メートルでスプリントをスタート。一度はグライペルに抜かれたが、フィニッシュラインで抜き返すことができた。グライペルの右側からは、マイヨ・ベールのサガンが差しに来たが、ガビリアを打ち負かすことはできなかった。

残り5kmの落車では、フランスのアクセル・ドモン(AG2R・ラモンディアル)が右鎖骨を骨折し、レースを棄権した。ベルギーのティーシュ・ブノート(ロット・スーダル)も右肩を負傷したが、10分12秒遅れの最下位でゴールしている。


■区間2勝目を上げたガビリアのコメント
「勝ち取るのとてもむずかしい勝利だったが、ボクにとっては今までで一番キツイものでもなかった。それはツアー・オブ・カリフォルニアでカレブ・イーウェンと闘った時だった。

ボクたちは最後に逃げを捕まえるために、他のチームから助けてもらえなかったから、ボクのチームはこの優勝に値する。ボクたちは自分たちの成し遂げたことにとても満足して、ホテルに行くことができるよ。

ツールを走るのは、ボクにとって新しい経験だ。レースとしては他と変わらないが、イベントの大きさや素晴らしさが、それを厳しいものにしている。一番の相違点は、総合を争うチームが、スプリンターのチームと一緒に前を走っていることだ。

マイヨ・ベール争いでサガンを打ち負かすのは難しいだろうが、トライして可能な限りたくさんのポイントを取る。それがうまく行けば、ボクはパリでポイント賞を勝ち取ることができるよ」


■マイヨ・ジョーヌを守ったヴァンアーヴェルマートのコメント
「今日のステージはストレスが多かったが、良い形で終わった。チームメートたちは一日中ポートとボクを守る仕事に専念した。加えて道路に十分なスペースがないセクションがいくつかあったから、可能な限り前にいたかった。

今日の落車はコースのせいではなく、無線で同じことを言った監督たちのせいだった。それは最大の問題だ。選手たちにあまりにも負担をかけすぎている。

明日のステージに関しては、ポートは5月に他のチームメートたちと一緒に下見をしているので、ボクよりもよくコースを知っているだろう。マイヨ・ジョーヌを持つことは素晴らしく、可能な限りこれを守る努力をするよ」
 
 
最後まで逃げ続けたのはヴァンケイスブルクだったが、敢闘賞は地元のクザンが獲得した (©Bettiniphoto)
最後まで逃げ続けたのはヴァンケイスブルクだったが、敢闘賞は地元のクザンが獲得した (©Bettiniphoto)
 
■第4ステージ結果[7月10日/ラ・ボール~サルゾー/195km]

1. FERNANDO GAVIRIA (QUICK - STEP FLOORS / COL) 04H 25' 01''
2. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)    
3. ANDRÉ GREIPEL (LOTTO SOUDAL / GER)
4. DYLAN GROENEWEGEN (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED)
5. MARCEL KITTEL (TEAM KATUSHA ALPECIN / GER)
6. ANDREA PASQUALON (WANTY - GROUPE GOBERT / ITA)
7. ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR)    
8. JOHN DEGENKOLB (TREK - SEGAFREDO / GER)
9. DION SMITH (WANTY - GROUPE GOBERT / NZL)
10. TIMOTHY DUPONT (WANTY - GROUPE GOBERT / BEL)
16. GREG VAN AVERMAET (BMC RACING TEAM / BEL) 
121. ILNUR ZAKARIN (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) +59’’

■第4ステージまでの総合成績
1. GREG VAN AVERMAET (BMC RACING TEAM / BEL) 13H 33’ 56’’
2. TEJAY VAN GARDEREN (BMC RACING TEAM / USA)
3. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) +03''
4. PHILIPPE GILBERT (QUICK - STEP FLOORS / BEL) +05''
5. JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) +07''
6. BOB JUNGELS (QUICK - STEP FLOORS / LUX) +07’’
7. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED) +11''
8. SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN) +11''
9. MICHAEL MATTHEWS(TEAM SUNWEB / AUS) +11''
10. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) +35''

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):DION SMITH (WANTY - GROUPE GOBERT / NZL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN) 
■チーム成績:QUICK - STEP FLOORS 
■敢闘賞:JEROME COUSIN (DIRECT ENERGIE /FRA)


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第5ステージはアルデンヌ・クラシックのようなコース

MAP : ASO
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MAP : ASO
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自転車競技が盛んなフランス北西部のブルターニュ地方2日目となる7月11日は、ロリアンからカンペールまでの204.5kmで丘越え区間の第5ステージが行われる。

コースはアルデンヌ・クラシックのように道幅が狭く、いくつもの丘を越える。中盤からカテゴリーの4の丘が2ヶ所、カテゴリー3の丘が3ヶ所あり、山岳賞ジャージを狙う選手は逃げに加わるだろう。

ゴールまで残り45km地点にあるカテゴリー3のメネズ・ケレルフの丘は、ブクル・ド・オルヌでキーポイントとなる場所で、全長3km、平均勾配6.2%。この丘が第5ステージの区間優勝者を選別する場所になりそうだ。

カンペールは1km続くアップヒルゴールで、平均勾配は4.8%になっている。
 

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第4ステージのハイライト映像