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ツール・ド・フランス第3ステージのチームTTはBMCレーシングチームが優勝し、ヴァンアーヴェルマートがマイヨ・ジョーヌ獲得

レース
チームタイムトライアルは大方の予想通りBMCレーシングチームが優勝した (©Bettiniphoto)
チームタイムトライアルは大方の予想通りBMCレーシングチームが優勝した (©Bettiniphoto)

第105回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月9日にペイ・ド・ラ・ロワール地方メーヌ・エ・ロワール県のショレで35.5kmのチームタイムトライアルを競う第3ステージを行い、米国のBMCレーシングチームが区間優勝した。

この日、マイヨ・ジョーヌを着ていた世界チャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)は、50秒遅れの区間7位でゴールしたチームメートたちから遅れてゴール。ベルギーのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシングチーム)が総合首位に立ち、マイヨ・ジョーヌを獲得した。



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チームタイムトライアルで優勝した米国のBMCレーシングチーム  (©Bettiniphoto)
チームタイムトライアルで優勝した米国のBMCレーシングチーム (©Bettiniphoto)

クイックステップフロアーズが善戦するも及ばす

MAP : ASO
MAP : ASO
今年最初の注目ステージだったチームタイムトライアルは快晴に恵まれ、174選手が出走。前日までのチーム成績総合下位からスタートし、マイヨ・ジョーヌを着たサガンがいるボーラ・ハンスグローエが最終出走チームになった。

22チーム中、5番目に走ったBMCレーシングチームは、2番目に走った英国のチームスカイが出したタイムをすぐに更新し、総合成績が最も上位だったヴァンアーヴェルマートが先頭でフィニッシュラインを通過した。BMCレーシングチームは、そこから長い時間、ホットシートに座ってライバルチームのタイムを見守った。

BMCレーシングチームのタイムを脅かす走りをしたのは、最後から2番目に走ったベルギーのクイックステップフロアーズだった。しかし、その快走は中盤にあったラ・ロマーニュの丘にたどり着くまでだった。そこで隊列はバラバラになり、マイヨ・ブランを着たフェルナンド・ガビリアとティム・デクレルクが遅れてしまった。

クイックステップフロアーズは、丘を越えた後に何とか6人で体制を整えたが、26.5kmの第2計測ポイントでBMCレーシングチームのタイムよりも6秒遅れていた。クイックステップフロアーズは残り2.2kmでさらに2人が遅れて4人になり、区間優勝してフィリップ・ジルベールがマイヨ・ジョーヌを獲得する計画はあっけなく消えてしまった。

総合争いでは、リッチー・ポートのBMCレーシングチームに対し、クリストファー・フルームのチームスカイは4秒遅れ、アダム・イエーツのミッチェルトン・スコットは9秒遅れ、トム・ドゥムランのチームサンウェブは11秒遅れと善戦した。

一方、リゴベルト・ウランのチームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデールは35秒遅れ、ナイロ・キンタナのモビスター・チームは53秒遅れ、ヴィンチェンツォ・ニバリのバーレーン・メリダは1分6秒遅れてしまった。ロマン・バルデのAG2R・ラモンディアルは、シルヴァン・ディリエールとトニ・ガロパンが負傷していたが、遅れを1分15秒に留めることができた。

チームタイムトライアルで総合首位に立ったヴァンアーヴェルマートは、2016年にも区間優勝してマイヨ・ジョーヌを3日間着用したことがあった。


■マイヨ・ジョーヌを獲得したヴァンアーヴェルマートのコメント
「チームタイムトライアルというものは、チーム全体が同じゴールのために努力する時は常に何か特別だ。我々はチームタイムトライアルのマスターであり、ボクはその一部になれてうれしいよ。

最初の週にマイヨ・ジョーヌを獲得するのは、ボクの主要な目標だった。2年前にこれを獲得したときには信じられなかった。もう一度これを持てて本当に幸せだ。選手として、それは本当に特別だ。チームメートたちに感謝しているし、すごく楽しんでいるよ」


■パリの表彰台を目指すポートのコメント
「手強いレースだったが、今日はチームが素晴らしかった。大きく、屈強な連中が完璧なチームタイムトライアルをやってのけた。明らかに初日に51秒を失うのはうれしいものではなかった。でも、現時点ではボクはただ、チームメートたちと走る瞬間について考えたい。素晴らしい気分だよ。

朝、チームバスの中にマイヨ・ジョーヌがあるのはいつだって素晴らしいものさ。そしてそれは終わっていない。ヴァンアーヴェルマートは第5ステージ、第6ステージ、そして第9ステージでも勝てる。

51秒失ったのは決して素晴らしいことではないが、(落車で)溝に横たわっていた1年前ほど悪くないさ。ありがたいことに、総合を狙う他の選手たちの何人かもまったく同じだしね」
 

 
マイヨ・ジョーヌはベルギーのヴァンアーヴェルマートが獲得した (©Bettiniphoto)
マイヨ・ジョーヌはベルギーのヴァンアーヴェルマートが獲得した (©Bettiniphoto)
 
■第3ステージ結果[7月9日/ショレ~ショレ/35.5km(チームTT)]

1. BMC RACING TEAM  38' 46''
2. TEAM SKY  +04''
3. QUICK - STEP FLOORS  +07''
4. MITCHELTON - SCOTT  +09''
5. TEAM SUNWEB  +11''
6. TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE  +35''
7. BORA - HANSGROHE  +50''
8. ASTANA PRO TEAM  +51''
9. TEAM KATUSHA ALPECIN  +52''
10. MOVISTAR TEAM  +53''

11. BAHRAIN - MERIDA  +01' 06''
12. AG2R LA MONDIALE +01' 15''
13. TEAM LOTTO NL - JUMBO  +01' 15''
14. TREK - SEGAFREDO  +01' 16''
15. UAE TEAM EMIRATES +01' 38''
16. GROUPAMA - FDJ  +01' 42''
17. TEAM FORTUNEO - SAMSIC  +01' 46''
18. DIRECT ENERGIE  +01' 51''
19. LOTTO SOUDAL  +01' 52''
20. TEAM DIMENSION DATA  +01' 52''
21. WANTY - GROUPE GOBERT  +02' 24''
22. COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS  +03' 23''

■第3ステージまでの総合成績
1. GREG VAN AVERMAET (BMC RACING TEAM / BEL) 9H 08' 55''
2. TEJAY VAN GARDEREN (BMC RACING TEAM / USA)
3. GERAINT THOMAS (TEAM SKY / GBR) +03''
4. PHILIPPE GILBERT (QUICK - STEP FLOORS / BEL) +05''
5. BOB JUNGELS (QUICK - STEP FLOORS / LUX) +05''
6. JULIAN ALAPHILIPPE (QUICK - STEP FLOORS / FRA) +07''
7. TOM DUMOULIN (TEAM SUNWEB / NED) +11''
8. SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN) +11''
9. MICHAEL MATTHEWS(TEAM SUNWEB / AUS) +11''
10. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) +35''

11. RAFAL MAJKA (BORA - HANSGROHE / POL) +50''
13. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) +51''
14. RICHIE PORTE (BMC RACING TEAM / AUS) +51''
15. ILNUR ZAKARIN (TEAM KATUSHA ALPECIN / RUS) +52''
16. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) +53''
17. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) +53''
18. CHRIS FROOME (TEAM SKY / GBR) +55''
20. ADAM YATES (MITCHELTON - SCOTT / AUS) +1' 00''
22. VINCENZO NIBALI (BAHRAIN - MERIDA / ITA) +1' 06''
25. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) +1' 15''
26. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) +1' 15''
27. PRIMOŽ ROGLIC (TEAM LOTTO NL - JUMBO / SLO) +1' 15''
39. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) +1' 38''
59. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) +2' 08''
87. GUILLAUME MARTIN (WANTY - GROUPE GOBERT / FRA) +3' 15''

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):DION SMITH (WANTY - GROUPE GOBERT / NZL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):SØREN KRAGH ANDERSEN (TEAM SUNWEB / DEN) 
■チーム成績:QUICK - STEP FLOORS 
■敢闘賞:SYLVAIN CHAVANEL (DIRECT ENERGIE / FRA) 


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第4ステージはブルターニュが舞台のスプリンター区間

MAP : ASO
MAP : ASO
今年のグランデパールとなったフランス西部ペイ・ド・ラ・ロワール地方での3ステージを終えたツールは北上を開始。7月10日はラ・ボールをスタートし、ブルターニュ地方のサルゾーにゴールする195kmで第4ステージが行われる。最後は集団ゴールスプリントになることが予想されるが、アップダウンの続くコースで逃げが粘るかもしれない。
 

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第3ステージのハイライト映像