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フルームがブエルタのドーピング問題で無罪になった

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(©Bettiniphoto)
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国際自転車競技連合(UCI)は7月2日に、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)に対して行われていたアンチ・ドーピング懲戒手続きが終了したと発表した。

10カ月近く続いていたこのドーピング問題は、フルーム側の提出した証拠が認められ、彼の無罪が認められる形で決着した。

これでフルームは、何の問題もなく7月7日に開幕するツール・ド・フランスに参加できることになった。



フルームは昨年9月のブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)で行われたアンチ・ドーピング検査で、1000ng/ml を超えるサルブタモール(喘息の治療などに用いられる気管支拡張剤)の「違反が疑われる分析結果(AAF)」が出て、UCIがアンチ・ドーピング規則に基づいて懲戒手続きを行っていた。

サルブタモールは喘息の治療に用いられる気管支拡張剤で、WADA規定によって治療使用特例(TUE)不要で24時間に1600mcgの限度までの吸入が許可されているが、12時間で800mcgを超えてはいけない。

幼少期から喘息を患っているフルームは、運動によって引き起こされる症状を予防、緩和するために、吸入器を用いてサルブタモールを使用していたが、ブエルタ第18ステージ終了後に実施された尿検査で、彼の検体からはWADA規定が上限としている 1000ng/ml の倍にあたる 2000ng/ml が検出された。

フルームは彼の異常な結果が、許可された薬物の使用の結果であることを証明する権利を行使し、今年6月4日に異常な結果についての説明を、重要な専門家の証言とともに提出した。UCIは彼ら自身の専門家と世界アンチドーピング機関(WADA)と協議の上、それらを検討した。

そして6月28日に、WADAはUCIに、フルームの検査結果は「違反が疑われる分析結果」ではないことを受け入れると通知した。これに基づき、UCIはフルームに対する手続きを終了することを決定した。


ツール・ド・フランス開幕が今週末に迫ったフランスでは、7月1日に大手新聞のルモンドが、「ツール主催者のアモリー・スポール・オルガニザシオン(ASO)はフルームがツールに参加することを禁じた」と報じたばかりだった。



UCI公式サイトの発表