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ドロミテ山岳区間のジロ・デ・イタリア第15ステージはマリア・ローザのイエーツが独走で圧勝し、今大会3勝目

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今大会区間3勝目を上げたマリア・ローザのイエーツ 
今大会区間3勝目を上げたマリア・ローザのイエーツ 

第101回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月20日にトルメッツォからサッパダまでの176kmで、ドロミテ山塊の峠を4つ越える第15ステージを競い、マリア・ローザを着た英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が最後の峠でアタックし、そのまま単独で逃げ切って区間3勝目を上げた。

追走グループは41秒遅れてゴール。最後の休養日明けに行われる22日の個人タイムトライアルを前に、総合2位のトム・ドゥムラン(チームサンウェブ)は2分11秒遅れ、総合3位のドメニコ・ポッツォヴィーボ(バーレーン・メリダ)は2分28秒遅れになった。

  

ドロミテ山塊の4つの峠を越えた第15ステージで戦局が動いたのは、最後に越えた標高1300メートルでカテゴリー2のコスタリッソイオ峠だった。小雨が降るなか、ゴールまで残り19kmを切ったふもとで、序盤から逃げ続けていた先頭のニコ・デンツ(AG2R・ラモンディアル)とメイン集団のタイム差は40秒程度しかなかった。

メイン集団では新人賞のマリア・ビアンカを着たミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)がふもとでアタックを試みたが失敗した。集団の後方では、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)がモンテ・ゾンコランで力を使いすぎたツケを払わされていた。

ゴールまで残り17.8kmの、勾配のキツいエリアでマリア・ローザのイエーツが最初のアタックを仕掛け、ロペスがついて行ったが、数100メートル先でポッツォヴィーボが引くグループに吸収された。しかしイエーツはすぐに2度目の攻撃を仕掛け、今度は誰もついていけなかった。

イエーツは先頭を逃げていたデンツを追い越し、コスタリッソイオ峠の頂上を単独で通過し、独走で峠を駆け下りた。ゴールまで残り4kmで、彼は追走グループに50秒差を付けていた。その追走グループではドゥムランが遅れ、単独でゴールを目指していた。

ゴールのサッパダへと向かう上り坂を、マリア・ローザのイエーツは難なく駆け上がり、最後はその強さを見せつけるようにフィニッシュラインを通過した。その後方では、追走グループに追いついたドゥムランが区間3位に入り、わずかなボーナスタイムを獲得した。

第15ステージは165選手が出走したが、途中ニコラ・ロッシュ(BMCレーシングチーム)とイゴール・アントン(チームディメンションデータ)を含めた4人がリタイアし、完走は161選手だった。


■今大会3勝目を上げたマリア・ローザのイエーツのコメント
「ボクのアタックは、ちょっと本能的なものだった。ボクはちょっと差が開いたのを見た。2度目に逃げた時は、全力を出した。素晴らしいよ。今日の(レースの)後では、感動している。いいリードを作るためにイスラエルから闘ってきた。自分が持っているこのタイム差には満足しているが、まだ終わりには遠い。それは35kmで消えてしまうかもしれないんだ」
 
 
■第15ステージ結果[5月20日/トルメッツォ~サッパダ/176km]

1. YATES Simon (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 4h 37’ 56”
2. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 0’ 41”
3. DUMOULIN Tom (TEAM SUNWEB / NED) 0’ 41”
4. POZZOVIVO Domenico (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 0’ 41”
5. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 0’ 41”
6. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) 0’ 41”
7. GENIEZ Alexandre (AG2R LA MONDIALE / FRA) 01’ 20”
8. FORMOLO Davide (BORA - HANSGROHE / ITA) 01’ 20”
9. BILBAO Pello (ASTANA PRO TEAM / ESP) 01’ 20”
10. OOMEN Sam (TEAM SUNWEB /NED) 01’ 20”
17. FROOME Chris (TEAM SKY / GBR) 01’ 32”

■第15ステージまでの総合成績(マリア・ローザ)
1. YATES Simon (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 65h 57’ 37”
2. DUMOULIN Tom (TEAM SUNWEB / NED) 02’ 11”
3. POZZOVIVO Domenico (BAHRAIN - MERIDA / ITA) 02’ 28”
4. PINOT Thibaut (GROUPAMA - FDJ / FRA) 02’ 37”
5. LOPEZ Miguel Angel (ASTANA PRO TEAM / COL) 04’ 27”
6. CARAPAZ Richard (MOVISTAR TEAM / ECU) 04’ 47”
7. FROOME Chris (TEAM SKY / GBR) 04’ 52”
8. BENNETT George (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NZL) 05’ 34”
9. BILBAO Pello (ASTANA PRO TEAM / ESP) 05’ 59”
10. KONRAD Patrick (BORA - HANSGROHE / AUT) 06’ 13”

[各賞]
■ポイント賞(マリア・チクラミーノ):Elia Viviani (Quick-Step Floors)
■山岳賞(マリア・アッズーラ):Simon Yates (Mitchelton - Scott)
■新人賞(マリア・ビアンカ):Miguel Angel Lopez (Astana Pro Team)
 

休養日明けの火曜日は今年のジロを決する個人タイムトライアル!

MAP : RCS Sport
MAP : RCS Sport
MAP : RCS Sport
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5月21日は今年最後の休養日となり、翌22日から最終週がスタート。その皮切りは、34.2kmの個人タイムトライアルだ。トレントをスタートしてロベレートまで真っ直ぐ南下する第16ステージのコースはほぼ平坦で、2度目の計測ポイントの前に小さなアップダウンと、終盤にテクニカルなコーナーが一カ所あるだけだ。

紙の上ではTT世界チャンピオンのドゥムランに有利なコースではあるが、彼自身は第15ステージ終了後に受けたRAIのインタビューで「イエーツはあれだけ好調だから、タイムトライアルでも素晴らしい走りができると思う」と、語っている



レース公式サイト

 

第15ステージのハイライト映像