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第21回ツアー・オブ・ジャパン開催概要発表!

レース
3月28日(水)、第21回目となるツアー・オブ・ジャパンの公式記者発表会が開催された。ツアー・オブ・ジャパンは、5月20日(日)に大阪・堺ステージをスタートし、5月27日(日)の東京ステージまでを駆け抜ける8日間8ステージの国内最大のレースだ。今年の出場チームやコースなどが発表された。今年の全走行距離は742.5kmの予定だ。あの厳しい闘いがまた今年もやってくる。


text&photo:滝沢佳奈子

今年も冠スポンサーはNTN

NTNの大橋啓二常務取締役(左)、TOJ組織委員会の石黒克己会長、栗村修大会ディレクターがリーダージャージを囲む
NTNの大橋啓二常務取締役(左)、TOJ組織委員会の石黒克己会長、栗村修大会ディレクターがリーダージャージを囲む
ウルフブラスはオーストラリアのワイン。レース会場での試飲もできるという
ウルフブラスはオーストラリアのワイン。レース会場での試飲もできるという
3月28日(水)、東京都・恵比寿スバルビルにてNTN presents 2018 ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)の公式記者発表会が行われた。今年で21回目、国際ロードレースの時代を含めると35回目の開催だ。今回のTOJのキャッチフレーズは、「新時代の国際スポーツイベント」だ。地域に根ざし、最強の強者を決め、社会的価値を創造していくことを目指す。

例年、「TOJのコースは厳しすぎる」、「日本人が活躍しにくいんじゃないか」といった声が栗村修大会ディレクターの元に届くという。しかしTOJは、”最強の強者”を決める闘いということで、易しいコース設定にはせず、アジア一厳しいレースとして開催すると栗村ディレクターは話した。

今年も冠スポンサーは、今月創業100周年を迎えたベアリングメーカーであるNTNが務める。ベアリングは、BBやハブなど自転車にも欠かせない部品だ。NTNがTOJの協賛を始めた理由として、自転車はエコの象徴であり、NTNのトライボロジー技術がもたらす地球環境保全と相通ずるテーマであること、地域社会貢献の意義が大きいイベントであることなどが挙げられる。

今年も大会会場でベアリングの技術を遊びながら学べる「回る学校」が実施される。レース会場を訪れた際は、観戦の合間に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

また、特別協賛としてSPEEDチャンネル、スバル、TOTORに、ウルフブラスというワインブランドが加わった。大会会場ではワインのテイスティングなども行われる予定だ。

ツアー・オブ・ジャパンのコース発表

栗村大会ディレクターがコースの変更点について説明する
栗村大会ディレクターがコースの変更点について説明する
栗村大会ディレクターによって、2018年大会のコースが発表された。堺ステージはスタート/フィニッシュ地点が異なるがコースは変わらず。

今年で3年目になる京都ステージは変更なし。ここ2年間の展開を見ると、ハードなコースにもかかわらず、集団ゴールが多い。昨年は、NIPPO・ヴィーニファンティーニのマルコ・カノラが制した。

昨年リニューアルしたいなべステージも変更なし。「イナベルフ」と栗村大会ディレクターが呼ぶ、激坂区間が見どころだ。

スプリンターのためのステージともいえる美濃ステージも変更はなし。最後の山岳ポイントで抜け出して勝つという展開も過去にはあったが、昨年はジョン・アベラストゥリ・イザガ(2017年チーム右京)が集団スプリントを制した。

南信州ステージでは、総合勢の争い第一幕が始まる。昨年から周回数が増えたまま、変更はなし。

富士山ステージは、現在、静岡県小山町の大雨による馬返地点での土石流の影響で、コースの変更が検討されている。ふじあざみラインに突入する前からレースをスタートする予定だ。総合優勝争いは例年ほとんどこの富士山ステージに託されてきた。昨年はチーム右京のオスカル・プジョルが2連覇を果たし、そのタイム差を保持したまま総合優勝を得た。富士山ステージのコース変更の次第によっては、総合優勝を狙うチームの作戦は、大幅な変更を余儀なくさせられるだろう。

伊豆ステージも日本サイクルスポーツセンターを周回するコースだ。ただ、修善寺駅をスタートするパレードコースが追加された。

東京ステージは変更なしだ。選手にとっては、東京ステージにたどり着くこともステータスの一つともいえるだろう。

TOJホームステージなどは継続、ルコック×TOJコラボグッズを新たに発売!

総合のグリーンジャージ、ポイント賞のブルージャージについて説明する栗村大会ディレクター
総合のグリーンジャージ、ポイント賞のブルージャージについて説明する栗村大会ディレクター
昨年、初山翔選手が獲得した山岳賞のレッドジャージ、新人賞であるホワイトジャージもルコックスポルティフが提供
昨年、初山翔選手が獲得した山岳賞のレッドジャージ、新人賞であるホワイトジャージもルコックスポルティフが提供
大会会場では、宇都宮ブリッツェンの選手たちが着るこのALLEZ Tシャツを手にするチャンスだ
大会会場では、宇都宮ブリッツェンの選手たちが着るこのALLEZ Tシャツを手にするチャンスだ
今年は、各賞リーダージャージの協賛であるルコックスポルティフとコラボしたTOJの公式グッズが作成される。各会場のブースにて販売され、4月からは目黒の自転車会館、インターネットでの販売も行われる。

また、今年はBS日テレにて60分の総集編に加え、スポーツブルという無料ライブストリーミングチャンネルにて、全8ステージが生配信される予定だ。また、事前告知番組についても大会前1週間にわたって配信される。現地に行けなくても、白熱したレース模様を見ることができる。

TOJキッズ、TOJアンバサダーやTOJホームステージは今年も継続して導入される。
堺ステージはシマノレーシングチーム、京都ステージはマトリックスパワータグ、いなべステージはキナンサイクリングチーム、美濃ステージは愛三工業レーシングチーム、南信州ステージはチーム右京、富士山ステージ、伊豆ステージはチームブリヂストンサイクリング、東京ステージは日本ナショナルチームがホームステージとなる。静岡県三島に拠点を変更したチームブリヂストンサイクリングは、静岡県の2ステージがホームステージとなる。

公式推奨ハッシュタグは#toj2018だ。SNSでTOJのことをつぶやく際は、このハッシュタグをつけてつぶやこう!

スペシャルトークショー『世界への挑戦』

窪木選手は、TOJでの目標について「個人的には今年はステージ優勝とリーダージャージを獲得したい」と話す
窪木選手は、TOJでの目標について「個人的には今年はステージ優勝とリーダージャージを獲得したい」と話す
「チームのみんなをアシストする立場だけど、ゴールでオノデライダーポーズを決められたら満足」と小野寺選手
「チームのみんなをアシストする立場だけど、ゴールでオノデライダーポーズを決められたら満足」と小野寺選手
TOJキッズと栗村大会ディレクター、小野寺選手と窪木選手が協賛するスバル・レヴォーグの前で
TOJキッズと栗村大会ディレクター、小野寺選手と窪木選手が協賛するスバル・レヴォーグの前で
後半には、チームブリヂストンサイクリングの窪木一茂選手と宇都宮ブリッツェンの小野寺玲選手が登壇し、世界への挑戦というテーマでスペシャルトークショーが行われた。

窪木選手は、自身が世界を意識した経験について、こう語った。「別府選手や新城選手のようにいろいろなチームを見ているわけではくて、経験もまだまだ浅いんですけど、国によって自転車に対する意識が違うなと思いました。必ずしも自転車だけを頑張っている選手ばかりじゃない。自転車をやりながら仕事をしていたり、自転車が好きで続けている若い人だったり、ご老人だったり、楽しくて挑戦しているんだということがいろんな選手を見てきて感じたことなので、楽しさっていうのは忘れちゃいけないと思いました。」

小野寺選手は、「世界に初挑戦したのが一昨年だったんですが、日本の外に出た途端に自転車を取り巻く環境が日本とはまるで違って、こういった中で強い選手が生まれていくし、日本人は急にちっぽけな存在になってしまうと思いました。僕の中では、ツール・ド・ラヴニールというレースに出て、そこで世界との差を直接体感したことによって、これだけ世界にはまだまだ強い人がたくさんいるんだと分かって、上はまだまだ先にあるんだなと思いました。」

栗村大会ディレクターの考えるTOJにおける世界への挑戦について、「公式HPで書いているのが『ワールドツアーへの道』というタイトルですけども、いつかはTOJがワールドツアーになってほしいなっていうのがあって、これはTOJだけがワールドツアーになっても、ただ日本のチームが出場できなくなるだけですので、これは意味がないと思います。選手のレベルが上がって、チームのレベルが上がって、日本にワールドチームができて、そしてTOJがワールドツアーになるっていうのがTOJでの世界への挑戦だと思っています。みなさんとともに上を目指していきたいと思います。」と思いの丈を語った。

■出場予定チーム 全16チーム(海外8チーム、国内8チーム)

ワールドチーム

・バーレーン・メリダ(バーレーン)


プロコンチネンタルチーム

・イスラエル・サイクリング・アカデミー(イスラエル)
・NIPPO・ヴィーニファンティーニ・エウロパオヴィーニ(イタリア)


海外コンチネンタルチーム

・HKSIプロ・サイクリングチーム(香港)
・LXサイクリング・チーム(韓国)
・ベネロング・スイスウェルネス・サイクリング・チーム(オーストラリア)
・JLTコンドール(イギリス)
・チーム・イルミネート(アメリカ)


国内コンチネンタルチーム(アジアツアーランキング順)

・チーム右京
・キナンサイクリングチーム
・宇都宮ブリッツェン
・マトリックスパワータグ
・愛三工業レーシングチーム
・シマノレーシングチーム
・チームブリヂストンサイクリング


ナショナルチーム

・日本ナショナルチーム

 

■各ステージ詳細

第1ステージ 【大阪府・堺】

5/20(日)13:35
大仙公園周回コース
2.6㎞(個人タイムトライアル)
獲得標高 = 10m


第2ステージ 【京都府・京都】

5月21日(月)9:25(セレモニーラン)

セレモニーラン:5.5㎞(普賢寺ふれあいの駅→同志社大学京田辺キャンパス→普賢寺小学校)
普賢寺小学校前→けいはんなプラザ周回コース
<パレード3.4㎞> + <4.2㎞ + 16.8㎞ x 6周 = 105.0㎞>
獲得標高 = 1,836m


第3ステージ 【三重県・いなべ】

5/23(火)9:20
阿下喜駅前→下野尻交差点→いなべ市農業公園(梅林公園)周回コース
<パレード3.1㎞> + < 8.6㎞ + 14.8㎞ x 8周 = 127㎞>
獲得標高 = 1650m


第4ステージ 【岐阜県・美濃】

5/23(水)9:15
旧今井家住宅前→横越→美濃和紙の里会館前周回コース
<パレード4.0㎞> + <11.6㎞ + 21.3㎞ x 6周 = 139.4㎞>
獲得標高 = 1218m


第5ステージ 【長野県・南信州】

5/24(木)9:15
飯田駅→下久堅周回コース→松尾総合運動場前
<パレード7.3㎞> + <12.2㎞ x 10周 + 1.6㎞ = 123.6㎞>
獲得標高 = 2580m


第6ステージ 【静岡県・富士山】

5/25(金)11:00
ふじあざみライン入口→富士山須走口5合目
11.4㎞(ヒルクライム)※2018年大会は最終調整中


第7ステージ 【静岡県・伊豆】

5/27(土)9:00
修善寺→伊豆総合高校前→日本競輪学校正門→日本サイクルスポーツセンター周回コース
<パレード1km> + <11.0km + 12.2㎞ x 9周 = 120.8㎞>


第8ステージ 【東京都・東京】

5/27(日)11:00
日比谷シティ前→大井埠頭周回コース
<パレード1.2㎞> + <14.7㎞ + 7.0㎞ x 14周 = 112.7㎞>
獲得標高 = 100m

 

総走行距離 = 742.5km(予定)

http://www.toj.co.jp/