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ドリームシーカーMTBチーム新設! 山本幸平も

レース
3月4日(日)、東京都・目黒の自転車会館にて新田祐大率いるトラックチームとして名高い「ドリームシーカー」がMTBチームを設立することを発表した。メンバーは9度MTB全日本チャンピオンに輝く山本幸平を中心に、北林力、松尾純が所属する。
text&photo●滝沢 佳奈子

 
ドリームシーカー代表の新田祐大がMTBチーム発足のきっかけを話す。自身も賞金王を争うほどの実力を持つ現役の競輪選手だ
ドリームシーカー代表の新田祐大がMTBチーム発足のきっかけを話す。自身も賞金王を争うほどの実力を持つ現役の競輪選手だ
山本幸平が自ら声をあげて立ち上げたチームについて語る
山本幸平が自ら声をあげて立ち上げたチームについて語る

ドリームシーカー代表の新田祐大は、

「去年の夏頃、アジアのMTBトップ選手である山本幸平選手から『チームに所属するのではなく、自らチームを発足したい』と相談を受けたことが始まりです。理由としては、日本人の中で自分一人がチームに所属して活動するのではなく、東京オリンピックに向けて若い選手とともに試合に出て行くことが次世代の選手たちの育成につながるということ、日本の自転車競技界の発展に寄与したいという2点からでした。

この思いは我々ドリームシーカーの思いと一緒であったため、ドリームシーカーのサポートをしていただいている日本写真判定の渡辺(俊太郎)社長に山本選手を紹介しました。MTBチームも我々と一緒に自転車競技を広めるためのムーブメントの象徴になっていただきたいということから、山本選手と相談して、同じドリームシーカーという名前で活動してもらうことになりました。

同じ自転車競技界にこのように同志のチームができたことを嬉しく思っています。まずは目先の東京オリンピックに向けて連携を図りながらともに自転車競技を発展させていきたいと思います」

と熱い想いを語った。

 
左から北林力、山本幸平、松尾純。このメンバーで世界に挑む
左から北林力、山本幸平、松尾純。このメンバーで世界に挑む


自身のMTBチーム設立にスポンサー獲得から奔走した山本は、

「東京オリンピックで金メダルを獲るために自分のチームを作ることが必要だと感じました。今までMTB選手として世界を転戦してきたんですが、僕以外の日本人選手が育たないことを懸念していて、自分が現役で走っている間に若手を育てていきたいとも考えるようになった。

僕たちがワールドカップなど世界で勝つことによって、自然とMTBに興味を持ってくれる人が増えたり、育成につながっていったりすればいいかなと考えています。

その気持ちを新田祐大さんに相談したところ、(ドリームシーカーのスポンサーである)日本写真判定さんが理解してくれて、この場で発表することができました」

とやる気十分だ。若手のチームメイトに対しては、

「選手として僕自身が勝つ、そしてその姿を見てもらう。雷太さんの姿を見て、自分自身も最短で伸びていけたと思う。そのように育てていけたら」

と話した。


MTBチームのビジョンと目標について、山本は力強く高らかに発表した。

「MTBを通じて感動と勇気を与え、自転車競技全体の認知向上と自転車文化創造へ貢献すること」。

目標は4つだ。

「日本人だけのチームで国際大会で勝利する。世界に通用する選手を育成する。2020年東京オリンピックで優勝する。世界標準の競技土壌を作る。」

 
MTB界を率いてきた鈴木雷太監督もドリームシーカーに携わることに
MTB界を率いてきた鈴木雷太監督もドリームシーカーに携わることに

鈴木雷太監督は、

「幸平が持っている経験と、さらに上を目指してドリームシーカーとして引率していきたい」

と話した。続けて、今回のチーム発足の意味について、

「ナショナルチームとしての活動だけだと行けない場所が出てくる。チームとしてしっかり海外に目を向けて活動できることでかなり幅が広がったんじゃないかと思っています。海外をメインに活動するというチームは過去にあまりなかったように思います。チームとしてより多数で高みを目指していって、より多くのUCIポイントを獲得していくことは幅を広げいくということで非常に重要だと考えています」。

世界で走ってきた山本はトップとの差をどのように詰めていくのか。

「ここ3年間で、気持ちの面でなかなか難しいと感じていたところがあった。心の面がかなり重要だと感じているんですよね。ほんのちょっとのところでトップ10に入れなかったり、トップ10入れたりというところまで2013年は来ていて、そこからさらに上を目指すために一歩抜けられなかったところがあるんです。

でもそこは気持ちや考え方次第で絶対いけるんだ、って自分自身に言い聞かせているところで、気持ちの部分で充実させて、気持ちを作っていけば十分に突破はできるんじゃないかなと感じています。

2020年は、東京でオリンピックが開催されるからこそ自分でチームを作りたいと思った。これが海外だったらそのままトレードチームにいても変わらなかったかもしれないです。やはり東京でオリンピックがあるということで、僕たち日本人はそれを最大限に生かして、しっかりと闘う場所を作るのが2020年までに必要だと思いました。最高の形で(チームが)発足できて、挑む状況を作れたことが本当に光栄です。」

 
先日のシクロクロス東京にドリームシーカージャージで出場した山本
先日のシクロクロス東京にドリームシーカージャージで出場した山本

ドリームシーカーMTBチームとしてまず第1戦は、南アフリカのワールドカップに山本が出場する。世界を転戦し、国内でも一部活躍を見られる機会がある。目前に迫る東京オリンピックに向けてドリームシーカーがチームとしてどこまで世界との差を詰められるか、期待だ。

 

ドリームシーカー マウンテンバイクチームメンバー


監督:鈴木雷太

助監督:中野裕二郎

ライダー:山本幸平、北林力、松尾純

マッサー:軽部修子、福光悠介

ソワニエ:山本敬子