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アングリル山頂ゴールのブエルタ第20ステージは引退するコンタドールが逃げ切って区間優勝

レース
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017
 
第72回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月9日にコルベラ・デ・アストゥリアスから標高1560メートルでカテゴリー超級のアングリル山頂までの117.5kmで第20ステージを競い、今大会で引退する地元スペインのアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)が逃げ切って区間優勝した。彼はブエルタで総合優勝した2008年にもアングリル・ゴールの区間で優勝していた。

マイヨ・ロホを着た英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、チームメートのウァウテル・プールス(チームスカイ)に引かれ、17秒遅れの区間3位でゴール。総合首位の座を守り、最終日にマドリードへと凱旋することになった。



第20ステージはスタートから雨天となり、終盤のアルト・デル・コルダル峠の下り坂では落車が続発。地元スペインのダビ・デラクルス(クイックステップフロアーズ)も転倒し、途中リタイアした。彼は前日まで総合11位だった。

このアルト・デル・コルダル峠の下り坂で、コンタドールはアシストのハーリーソン・パンタノ(トレック・セガフレード)と一緒にメイン集団から抜け出すことに成功した。

スタートから逃げ続けたグループから、今大会で区間2勝しているポーランドのトマシュ・マルチンスキー(ロット・スーダル)がアタックし、単独で12km続くアングリル山を先頭で上り始めた時、コンタドールは1分6秒後方、フルームのグループは1分42秒後方だった。

幸いアングリル山を選手たちが上り始めた時、雨は降っていなかった。コンタドールはゴールまで残り7.5kmで先頭のマルチンスキーに追いつき、鈴なりの観客をかき分けるようにゴールを目指した。そして残り5.4kmで彼に付いていける選手は誰もいなくなり、独走が始まった。

フルームのグループからはスティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)が飛び出したが、コンタドールに追いつくことはできなかった。アングリルの激坂でフルームのライバルたちは次々と遅れ、残り2.5kmでプールスがフルームを引いて加速すると、誰も付いてこられなかった。

ゴールまで残り1kmで、先頭のコンタドールとフルームたちのタイム差は30秒にまで縮まったが、総合優勝を狙うフルームにアングリルでの区間優勝は必要ではなかった。コンタドールはそのまま逃げ切り、最後のガンマン・ポーズで自らの区間優勝を祝った。

しかし、ロシアのイルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン)も粘って区間4位に入り、遅れたウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)から総合3位の座を奪い取ったため、コンタドールがマドリードの表彰台に上がるチャンスは失われた。


■引退レースのクイーンステージで区間優勝し、有終の美を飾ったコンタドールのコメント「プロ選手としての自分のキャリアに終止符を打つのに、アングリルで勝つほど良い事はないだろう。今朝、今日は僕の日であり、このやり方で別れを告げなければならないとはっきり自覚していた。

ここ数年、コルダル峠の下りでは落車の歴史があることを知っていた。厳しい1日で、チームメートのパンタノと一緒に注意深くしなければならなかった。事がうまく運んでうれしいよ」

 
 
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017
photo : Luis Angel Gomez/BettiniPhoto©2017


■第20ステージ結果[9月9日/コルベラ・デ・アストゥリアス~アルト・デ・ラングリル/117.5km]
1 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)3時間31分33秒
2 ウァウテル・プールス(チームスカイ/オランダ)+17秒
3 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+17秒
4 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+35秒
5 フランコ・ペッリツォッティ(バーレーン・メリダ/イタリア)+51秒
6 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+51秒
7 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+51秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ/オランダ)+1分11秒
9 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+1分25秒
10 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+1分36秒 ※20秒のペナルティタイム
16 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム/コロンビア)+3分56秒
60 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+15分07秒
■第20ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)79時間23分37秒
2 ビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+2分15秒
3 イルヌール・ザカリン(チームカチューシャ・アルペシン/ロシア)+2分51秒
4 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+3分11秒
5 ウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ/オランダ)+3分15秒
6 ウァウテル・プールス(チームスカイ/オランダ)+6分45秒
7 マイケル・ウッズ(キャノンデール・ドラパック/カナダ)+8分16秒
8 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム/コロンビア)+8分59秒
9 スティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ/オランダ)+11分04秒
10 ティージェイ・バンガードレン(BMCレーシングチーム/米国)+15分36秒
13 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+21分27秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
※第21ステージはビンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)が着用
■マイヨ・デ・ルナレス:ダヴィデ・ヴィレッラ(キャノンデール・ドラパック/イタリア)
■マイヨ・コンビナダ:クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
※第21ステージはアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)が着用
■チーム成績:アスタナプロチーム(カザフスタン)
■敢闘賞:エンリク・マス(クイックステップフロアーズ/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・コンビナダ(コンビネーション賞)...白
(http://www.lavuelta.com/la-vuelta/2017/us/)
 
 

今年のブエルタもいよいよ首都マドリードにゴール

MAP : Unipublic
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MAP : Unipublic
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9月10日はアロヨモリノスから首都マドリードまでの117.6kmで平坦な最終ステージが行われる。
 

第20ステージのハイライト映像


Summary - Stage 20 - La Vuelta 2017 投稿者 la_vuelta