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ツール・ド・北海道2017 第2ステージは大学生の岡本隼が制し総合リーダーに

レース
北海道最南端の白神岬を行く。75km地点 photo:Hideaki TAKAGI
北海道最南端の白神岬を行く。75km地点 photo:Hideaki TAKAGI
第2ステージは前日のフィニッシュ地点である北斗市運動公園をスタートして海沿いを走り、北海道最南端の白神岬を経て中間スプリントを1回、上ノ国町まで日本海側をひたすら北上し山間部に入り2回目の山岳ポイントを経て、JR北海道新幹線の駅である木古内駅までフィニッシュする185km。おおむね平坦だが海岸線沿いが長く、風向き次第でレース内容が変わるコースだ。

レースはスタート後からアタックが続き、リーダーチームのブリヂストンアンカーが有力選手の逃げを許さない。向かい風の中での激しい応酬がようやく収まったのは1時間後、40km過ぎてからだった。メンバーは前日も逃げた冨尾大地(鹿屋体育大学)に加え小森亮平(愛三工業レーシングチーム)、馬渡伸弥(宇都宮ブリッツェン)、中田拓也(インタープロサイクリングアカデミー)の4人で、総合で最も上位なのは冨尾で36秒差20位だ。
 
逃げ続ける4人。先頭の冨尾大地(鹿屋体育大学)は2日連続だ。132km地点 photo:Hideaki TAKAGI
逃げ続ける4人。先頭の冨尾大地(鹿屋体育大学)は2日連続だ。132km地点 photo:Hideaki TAKAGI
メイン集団のコントロールはブリヂストンアンカーに日本大学が加わる。134km地点 photo:Hideaki TAKAGI
メイン集団のコントロールはブリヂストンアンカーに日本大学が加わる。134km地点 photo:Hideaki TAKAGI

4人とメイン集団とは3分差をキープして北海道最南端の白神岬から日本海側を上ノ国町まで北上する。内陸へ入りブリヂストンアンカー勢が引くメイン集団はペースを上げ、ラスト19km地点のKOMでは先頭4人もばらばらになり、単独先頭の小森と約1分差のメイン集団の構図でフィニッシュ地点へ向かう。

小森の逃げもラスト3kmで吸収され集団スプリント態勢へ。前日に続いてNIPPOヴィーニファンティーニが集団先頭でリードする中、スプリントは黒枝咲哉(鹿屋体育大学)が先行するがこれをラスト200mで仕掛けた岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が優勝。黒枝が2位、ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)が3位となった。岡本は前日に300mからスプリントして3位だったが、この日は見事に失敗を修正して優勝した。
 
集団スプリント勝負は前日3位だった岡本隼(右端、愛三工業レーシングチーム)が制し総合リーダーに photo:Hideaki TAKAGI
集団スプリント勝負は前日3位だった岡本隼(右端、愛三工業レーシングチーム)が制し総合リーダーに photo:Hideaki TAKAGI

岡本はUCI登録では愛三工業レーシングチーム所属で学連登録では日本大学であり、1週間前のインカレロードは6位になっていた。大会史上3人目の大学生リーダージャージ着用者となった。また山岳リーダーの草場啓吾(日本大学)は、この日逃げに乗った冨尾が加点したため同点となったが規程上草場がリーダーをキープ。翌最終ステージで山岳賞も決まる。
 
日本大学勢の快進撃が続く。岡本隼も日本大学所属だ photo:Hideaki TAKAGI
日本大学勢の快進撃が続く。岡本隼も日本大学所属だ photo:Hideaki TAKAGI

ステージ優勝しリーダーとなった岡本隼(愛三工業レーシングチーム)のコメント

今日は逃げに小森さんが乗って脚を休めることができ、最後のスプリントでは残り1kmから(日本大OBの)住吉先輩にリードしてもらって、そのあとは左から絶対に本命と思っていた(黒枝)咲哉が来たのでマークして冷静に抜くことができました。自分は今回愛三で出ていますが、ツール・ド・北海道は大学生にとって出場自体が難しいレースであり、出られないチームのためにもここで結果を残す責任があると思っています。

山岳リーダーをキープした草場啓吾(日本大学)のコメント

今日は冨尾選手が絶対に動いてくると思って注意していましたが、アタックの反応で脚がいっぱいになった時に決まった逃げに入られてしまいました。今日は途中から自分のKOMと総合順位のために、チームメイトがブリヂストンアンカーの隊列に入らせてもらいました。明日は絶対に山岳賞を狙います。


翌日最終ステージは函館山山頂フィニッシュのコース。確実にタイム差が付く上りのため、総合成績は大きく入れ替わる可能性が高いステージだ。


【text&photo:Hideaki TAKAGI】

 

第2ステージリザルト

第2ステージ 9月9日(土)185km
北斗市(スタート:運動公園前9:30)〜木古内町〜知内町〜福島町〜松前町〜上ノ国町〜
木古内町(フィニッシュ:JR木古内駅前)


1位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)4時間24分48秒
2位 黒枝咲哉(鹿屋体育大学)
3位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
4位 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
5位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)
6位 畑中勇介(チーム右京)
7位 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)
8位 住吉宏太(愛三工業レーシングチーム)
9位 水谷翔(シマノレーシング)
10位 ダーシー・エラームノートン(セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム)

第2ステージまでの総合成績

1位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)8時間00分37秒
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)+04秒
3位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)
4位 草場啓吾(日本大学)+11秒
5位 ジャコモ・ベルラート(NIPPOヴィーニファンティーニ)+14秒
6位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
7位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
8位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
9位 ニコラ・バジオーリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
10位 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)


各賞
個人総合リーダー 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)8時間00分37秒
個人総合ポイントリーダー 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)41点
個人総合山岳リーダー 草場啓吾(日本大学)10点
チーム総合順位 1位 NIPPOヴィーニファンティーニ 24時間02分33秒
チーム総合U26順位 1位 鹿屋体育大学 24時間10分57秒
 

ツール・ド・北海道2017
開催日:2017年9月8日(金)〜9月10日(日) 

スタートリスト(PDF)全20チーム
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/2017/team/PlayersList2017.pdf

第1ステージ(ロードレース)
9月8日(金)(162km) 函館市(S:函館競輪場前 9:30)~北斗市~木古内町~知内町~木古内町~上ノ国町 ~江差町~厚沢部町~北斗市(F:運動公園前 13:29 ころ)

第2ステージ(ロードレース)
9月9日(土)(185km) 北斗市(S:運動公園前 9:30)~木古内町~知内町~福島町~松前町~上ノ国町~ 木古内町(F:JR木古内駅前 13:58 ころ)

第3ステージ(ロードレース)
9月10日(日)(77km) 函館市(S:函館競輪場前 9:30)~(亀尾町)~(鉄山町)~(女那川町)~(汐首 岬)~(湯川町)~(大森浜)~函館市(F:函館山山頂 11:20 ころ) 

ツール・ド・北海道
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp