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ツール・ド・北海道2017 第1ステージは鈴木龍が17人のスプリントを制する

レース
1987年に日本最初のステージレースとして開催されてから今年で31回目を数えるツール・ド・北海道。今年のツール・ド・北海道は函館市を拠点とする3日間424kmのステージレース。国内外20チーム計98名の選手が参加して9月8日に第1ステージが行われた。

第1ステージは函館競輪場をスタートし市内をパレード走行ののち、函館湾沿いに走り木古内町から内陸へ入り中間スプリントを1回、日本海側を江差町まで北上し山間部へ入り、2つの山岳ポイントを経て10kmで北斗市運動公園へフィニッシュするコース。平坦基調のコースだが終盤に控える2つの山岳ポイントがアクセントだ。

スタート後のアタック合戦は20km地点でできた6人の逃げを容認してようやく収まる。阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が多く引く逃げはメイン集団に対して最大7分50秒まで差を広げる。中盤過ぎてメイン集団は各チームが1名ずつ出して追う方向に。約100km地点からはブリヂストンアンカー勢5人全員がメイン集団の前に出て強力にけん引すると劇的にタイム差が縮まる。
 
83km地点、上ノ国町から日本海沿いを北上するメイン集団。この時点で先頭と7分差 photo:Hideaki TAKAGI
83km地点、上ノ国町から日本海沿いを北上するメイン集団。この時点で先頭と7分差 photo:Hideaki TAKAGI
レース後半にメイン集団を強力に引き上げるブリヂストンアンカー勢 photo:Hideaki TAKAGI
レース後半にメイン集団を強力に引き上げるブリヂストンアンカー勢 photo:Hideaki TAKAGI

143km地点の2つめのKOMまで3人になった先頭は逃げ続けるいっぽう、追い上げたメイン集団内の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)はテクニカルな下り区間で落車しリタイア。フィニッシュまで残り7km地点で3人の逃げ集団を吸収し17人はNIPPOヴィーニファンティーニ中心でスプリント体制へ。

ラスト300mで岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が強力に先行、これをピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)がかわすがさらに鈴木龍(ブリヂストンアンカー)がぎりぎりかわして優勝。デネグリが手を挙げるほどの僅差だった。自身初のUCIレース優勝とともにリーダージャージに袖を通した。

 
鈴木龍(ブリヂストンアンカー)が3人僅差のスプリントを制する photo:Hideaki TAKAGI
鈴木龍(ブリヂストンアンカー)が3人僅差のスプリントを制する photo:Hideaki TAKAGI


中盤過ぎてから約8分ものタイム差を縮めた主力はブリヂストンアンカー勢だ。「どのチームが引くべきかなどでなく、自分たちが引いて差を詰める。当たり前のこと」と同チームの水谷壮宏監督は言う。チームが仕事をしてスプリントのエースが仕上げたブリヂストンアンカーの動きは完璧なものだった。

序盤から逃げた6人のうち草場啓吾(日本大学)は、ホットスポットと2か所のKOMをいずれも1位通過して個人山岳リーダーになるとともに個人総合4位に。5日前のインカレロードで、他校のエース格が揃うメイン集団から単独抜け出して3位となった実力は本物だ。


ステージ優勝 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)のコメント
このレースに備えて練習を積んで仕上げてきました。ダミアン・モニエはじめチームメイトがハードワークをしてくれたて、総合のかかっている西薗さんも最後に引いてくれたので勝つことができました。スプリントには自信がありますし、今日は(デネグリが手を挙げたけれども)自分が勝ったとすぐにわかりました。

【text&photo:Hideaki TAKAGI】

 
自身初のUCIレース優勝でリーダージャージに袖を通した鈴木龍(ブリヂストンアンカー)photo:Hideaki TAKAGI
自身初のUCIレース優勝でリーダージャージに袖を通した鈴木龍(ブリヂストンアンカー)photo:Hideaki TAKAGI
この日が誕生日だった草場啓吾(日本大学)がホットスポットと山岳2か所をいずれも1位通過 photo:Hideaki TAKAGI
この日が誕生日だった草場啓吾(日本大学)がホットスポットと山岳2か所をいずれも1位通過 photo:Hideaki TAKAGI


第1ステージ 結果
1位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)3時間36分03秒
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)
3位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
4位 ジャコモ・ベルラート(NIPPOヴィーニファンティーニ)
5位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)
6位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
7位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
8位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
9位 ドリュー・モレイ(トレンガヌサイクリングチーム)
10位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)

第1ステージまでの総合成績
1位 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)3時間35分53秒
2位 ピエールパオロ・デネグリ(NIPPOヴィーニファンティーニ)+04秒
3位 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)+06秒
4位 草場啓吾(日本大学)+07秒
5位 ジャコモ・ベルラート(NIPPOヴィーニファンティーニ)+10秒
6位 エゴイツ・フェルナンデス(チーム右京)
7位 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)
8位 マルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)
9位 サルバドール・グアルディオラ(チーム右京)
10位 ドリュー・モレイ(トレンガヌサイクリングチーム)

各賞
個人総合リーダー 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)3時間35分53秒
個人総合ポイントリーダー 鈴木龍(ブリヂストンアンカー)25点
個人総合山岳リーダー 草場啓吾(日本大学)10点
チーム総合順位 1位 NIPPO・ヴィーニファンティーニ10時間48分09秒
チーム総合U26順位 1位 鹿屋体育大学 10時間56分33秒
 


ツール・ド・北海道2017
開催日:2017年9月8日(金)〜9月10日(日) 
スタートリスト(PDF)全20チーム
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp/2017/team/PlayersList2017.pdf

第1ステージ(ロードレース)
9月8日(金)(162km) 函館市(S:函館競輪場前 9:30)~北斗市~木古内町~知内町~木古内町~上ノ国町 ~江差町~厚沢部町~北斗市(F:運動公園前 13:29 ころ)

第2ステージ(ロードレース)
9月9日(土)(185km) 北斗市(S:運動公園前 9:30)~木古内町~知内町~福島町~松前町~上ノ国町~ 木古内町(F:JR木古内駅前 13:58 ころ)

第3ステージ(ロードレース)
9月10日(日)(77km) 函館市(S:函館競輪場前 9:30)~(亀尾町)~(鉄山町)~(女那川町)~(汐首 岬)~(湯川町)~(大森浜)~函館市(F:函館山山頂 11:20 ころ) 

ツール・ド・北海道
http://www.tour-de-hokkaido.or.jp