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伊豆ベロドロームで五輪の迫力をいち早く体験!?

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2020年東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技が行われる、静岡県伊豆市の伊豆ベロドローム。大会開催まで3年となった7月30日に、記念イベント「ふじのくにサイクルチャレンジin伊豆」が行われた。 text&photo:頓所直人 
 


伊豆の修善寺といえば、サイクルスポーツセンターや競輪学校があり、また周辺の地形も起伏に富んでおりライドにも最適な国内屈指の自転車の聖地である。2011年に竣工した伊豆ベロドロームによって、その重要度は一段上がった感があったが、オリンピックの開催地になったことで世界的な注目度も増すこととなった。

今回のイベントは3年後に迫ったオリンピックへ向けて、地元のみならず静岡県を挙げての機運の高まりを目指す第一弾のイベントという位置づけ。そのため、色々なメニューが並ぶイベント内容への期待感も高まる。
 
ベロドロームの前には、チーム・ブリヂストン・アンカーのサポートカーが並び、来場者を出迎えている。朝9時の開場を前に、ベロドローム入口の外には50〜60人の列ができていた。

開場時間になり、中へ入るとオリジナルキャップやピンバッジなどの記念品が来場者へ手渡される。記念品を手にした来場者は、国内唯一の屋内型木製トラックのあるベロドロームへ。今回、各イベントはインフィールドで行われるため、来場者は観客席ではなくインフィールドへ向かう。通路を通って、階段を上がるとシベリア松を使用した美しいカーブを描く250mトラックがぐるりと囲む。その光景に、来場者も一様に感心していた。

 

国内トップ選手によるデモンストレーションに観客も興奮!

10:15になると、イベントが始まる。気がつけば、観客席は市民で埋め尽くされ、座りきれない観客のために急遽パイプイスが追加で並べられるほど。最終的に、約800人の市民と自転車ファンが集まった。
 
イベントの進行を務めるのは、静岡県内のテレビ局4局の看板女子アナによって結成されたアイドルグループ「4siz」。さっそく今回のメインイベントでもある、五輪旗とパラリンピック旗の引き継ぎが行われる。壇上では、静岡県沼津市出身の金メダリスト・岩崎恭子さんから、五輪旗とパラリンピック旗が静岡県知事、伊豆市長、地元の中学生と小学生へと引き継がれた。続いて、集まった静岡県東部の20市町の首長も壇上で旗を振り、大会の成功を祈念する。

 


記念式典の後は、自転車トラック競技のデモンストレーションが行われる。今回集まった選手は、いずれも日本代表クラスのトップアスリートと、海外からの招待選手もおり、かなり豪華なメンバーが揃った。
 
まず、トラックに姿を現したのは、パラサイクリングの日本代表強化選手である川本翔大選手と、藤井美穂選手。お二人とも片足ながら、トラックを走る姿は力強く、周回を重ねるごとにスピードを増してくる。伊豆ベロドロームは、観客席とトラックの間に金網やアクリル板の仕切りなどがなく、目の前を高速で走る選手を観ることができる。その迫力を前に、子供をはじめ大人も大興奮!
 
続いては、チーム・ブリヂストン・アンカーから近谷涼選手と一丸尚伍選手が2020年東京オリンピックの正式種目となったトラック競技「マディソン」のタッチを披露。一丸選手が近谷選手の手を握り前へ投げて加速すると、観客からは「オーッ!」と歓声が上がっていた。

 


そして、いよいよトップ選手による五輪種目「ケイリン」のデモンストレーションが始まった。出場したのは、国内からは渡邉一成選手、河端朋之選手、雨谷一樹選手、脇本雄太選手、早坂秀悟選手といった、まさに国内最高峰の選手たち。そして、リオ五輪チームスプリントで銀メダルを獲得したニュージーランドのサム・ウェブスター選手も参加した。
 
レースは、先頭を走るペーサーが離れてからは、しばらく様子を見ていたが、最終は渡邉選手と河端選手が抜け出し、ゴールスプリントを開始。ゴール直前で踏み勝った河端選手が勝利した。男子トップ選手によるハイスピードなレースを前に観客の応援にも熱が入っていた。

デモンストレーション終了後、選手たちは集まったファンや、初めてトラックレースを見た来場者に囲まれてのサイン攻めにあっていた。
 
 


その後、来場者たちは、トラック歩行体験やMTB体験などを楽しんだ。最後に、今回のイベントでトラック競技の面白さなどを解説していたチーム・ブリヂストン・アンカーの飯島誠さんにお話を伺った。
 
「オリンピックが伊豆に来るというのは、もちろん初めてのことで、どんなことなのかお客さんもわからなかったと思うんですね。今後、開催に向けてこうしたイベントが増えていくなかで、機運が高まってくるんだと思います。その意味では、今回のイベントはそのキックオフとして、非常にいいイベントだったと思います」
 
オリンピック本大会までには、観客席も大量に増設される予定だそうで、この伊豆ベロドロームへの注目度はいやが上にも増してくる。トラック競技の興奮を、ぜひ生で味わって欲しい。

 


ふじのくにサイクルチャレンジin伊豆
開催日:2017年7月30日(日)
開催地:伊豆ベロドローム(サイクルスポーツセンター内)
https://www.facebook.com/伊豆市-1474204476224483/
http://www.city.izu.shizuoka.jp