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G’day, Australia!~ブリスベンからの自転車だより~ Vol.6 クイーンズランド州のバイクウィークを満喫!

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こんにちは!オーストラリアのブリスベンに、相棒のリブ・エメとともに留学中のAyakaです。今回は、5月第1~2週にかけてクイーンズランド州で開催されたバイクウィークの様子をお届けします。ライドイベントはもちろん、うれしいカフェやショップのサービスまで、サイクリストなら必見の情報が目白押しです!
 

ツーキニストからレーサーまで、自転車イベント満載のバイクウィーク

バイクウィークは、クイーンズランド州で毎年5月に開催されており、今年は5月6日(土)~14日(日)でした。期間中は、レベルや車種にかかわらず、皆が自転車を楽しめるイベントが州内のあちこちで開催されました!

例えば、「自転車で通勤しよう!」という Ride2Work Day(ライド・トゥ・ワークデイ)の日は、街中に朝ごはんのためのエイドステーションが設けられました。

「チョコレートライド」は街中の美味しいチョコレートデザート専門店をポタリング。”Ride to Movie in the Park”は夕暮れ時に公園でファミリー向け映画を野外上映するので、みんな自転車に乗って来てね!という催し。自転車で来た先着100名にはバイク用のLEDライトがもらえます。

この他にも、バイク・トレイルを走るライド、シクロクロスレース、体が不自由な方のための特別な時バイク(スペシャライズド・バイク)の展示会、自転車業界全体のカンファレンス「オーストラリアン・バイシクルサミット」なども開催されました。
 

メインイベントGreat Brisbane Bike Rideで110kmを完走!

バイクウィーク中の最大のイベントは、5月7日(日)に開催されたGreat Brisbane Bike Ride(通称GBBR)!ブリスベン市内を自転車で走るファンライドイベントです。家族向けの10kmコースに始まり、40km、75km、110kmとレベルに応じたコースが設定されています。参加費は10kmコースが$10(家族4人ならファミリーパックで$20)、40kmが$75、75kmと110kmは$95。

申し込み時期により参加費が大きく違うのもオーストラリアのライドイベントの特徴で、例えば75km・110kmコースは、バイシクル・クイーンズランドのメンバー向け先行発売なら$75、大会約1カ月前までの Early Bird なら$85、通常は$95、当日は$110というようになっています。

私は今回、友人と110kmコースに出場!朝6時15分にブリスベンの南側、リバーサイド・ドライブからスタート。オーストラリアで初のファンライドイベントに胸が高まります!
45km地点のレストストップでバナナに並ぶ参加者たち。バナナブレットかカップケーキが出ればなおうれしい…!!
45km地点のレストストップでバナナに並ぶ参加者たち。バナナブレットかカップケーキが出ればなおうれしい…!!
バイシクル・クイーンズランドのロゴ入りパッケージに入ったグミ。ビビッドな色味は海外ならでは……
バイシクル・クイーンズランドのロゴ入りパッケージに入ったグミ。ビビッドな色味は海外ならでは……

レストストップで地元サイクリストと交流

ドミノピザのバイククラブの皆さん。「ちゃんとピザも宣伝しておいてくれよ!」
ドミノピザのバイククラブの皆さん。「ちゃんとピザも宣伝しておいてくれよ!」
92km地点 Corindaのレストストップでは穀物ベースのパンにドライフルーツが入った「フルーツバン」が。「蜂蜜をかけて食べると美味しいのよ♪」と地元のお母さんがた
92km地点 Corindaのレストストップでは穀物ベースのパンにドライフルーツが入った「フルーツバン」が。「蜂蜜をかけて食べると美味しいのよ♪」と地元のお母さんがた
110kmコースの休憩ポイント(レストストップ)は、45km・69km・92km、そしてゴールの110km地点。レストストップはグルメよりも「補給」がメイン。バナナ、リンゴ、シリアルバーや、ボトルに溶かすためのココナッツソルトの粉末などが提供されました。日本ではグレートアースで富良野や石垣島大会に参加し、エイドステーションごとに振るまわれる地元グルメを心の支えに走っていた私。「どんなに頑張っても、地元グルメは出ないのよね…」と最初のレストストップまでが実は一番、心身ともにきつかったです…。

しかも、35km地点では、75km・110kmコース参加者がオプションで参加できる「クーサ・チャレンジ」が!これは、ブリスベンで1番高い山、マウント・クーサの2.3km・平均斜度9%の山道を使い、タイムトライアルをするというもの。「どうせなら楽しもう!」と申し込み時にノリでオプションを付けた自分を半ば恨みつつ上り切りました…!ゴール地点で計測していたスタッフのおばちゃんからは「あら笑顔じゃない!余裕ね~」と言われてしまいましたが、実際には心拍も180まで上がっていたくらいですから、けっこうきつかったですよ!!

ようやく45km地点の Indooroopillyのレストストップ。他のサイクリストたちと交流できるのは休憩時の楽しみの一つ。私がバナナをもぐもぐしていたら、地元のおじさんライダーがエメを指さして「これ、キミのバイク?こっちだと見ないモデルだけどいいねぇ!タイヤのピンクのラインがフレームにマッチしてセクシーだね!」と褒めてくれました☆調子に乗って「私みたいでしょ!?」って言ったら、苦笑されちゃったけど……。
 

フェリー輪行でゆったり足休め

「日本人の方ですか?」と話しかけてくれた地元サイクリストのジョーさんとフェリーの上で1枚。独学で日本語を1年以上学んでいて、日本を旅するのが目標だそう!
「日本人の方ですか?」と話しかけてくれた地元サイクリストのジョーさんとフェリーの上で1枚。独学で日本語を1年以上学んでいて、日本を旅するのが目標だそう!
69km地点のMoggillでは、ブリスベン川を渡るためにフェリーを使います。フェリーといっても普段は車専用のものをイベント用に貸し切って使っているので、屋根のない簡素なもので、自転車も人もそのまま乗れます。

たったの数十m先の向こう岸に渡るだけなのですが、ここまでのアップダウンを含むコースを集団で時速30km以上でこなしてきたぶん、ほっと一息つけました。
 

「ぜひ日本からクイーンズランド州に走りに来てね!」

12時半前に無事にスタート地点と同じリバーサイド・ドライブにゴール!皆爽やかな笑顔で健闘を称えあったり、ゴールを心待ちにしていた友達や家族と合流してくつろいだり、マッサージのサービスを受けていました。私もコーラを飲んで一息。週200~250kmのライドをこなす地元のオーストラリア人サイクリストたちは、ファンライドといえど、区間を走る間は速度をゆるめることなく真剣モード。彼らに置いていかれまいと、一生懸命踏み込んだためか、長いようであっという間の110kmでした!

ライド後、バイシクル・クイーンズランドのイベントマネージェーのジョエルさんにお話を伺えました。

「この大会はいわば、『ブリスベンのビッグツアー』。ビルの並ぶ都市部やハイウェイから、郊外の緑あふれる穏やかな住宅街、風の流れるリバーサイドまで、ブリスベンの魅力をくまなく感じることができるんだ。毎年5月というと、世界的にはニューヨークで開催される『バイク・ニューヨーク』が有名だけど、こっちも楽しいよ! 10月にはクイーンズランド州、最大のライドイベント『ブリスベン・トゥ・ゴールド―コースト・サイクルチャレンジ』があるから、それにはぜひ日本からも皆参加してね!」

と日本のサイクリストに向けて、熱いラブコールをもらいました!
 
イベントマネージャーのジョエルさんと。「日本のサイクリストにもぜひ、ブリスベン、クイーンズランド州を自転車で走る魅力を知ってほしいな!」
イベントマネージャーのジョエルさんと。「日本のサイクリストにもぜひ、ブリスベン、クイーンズランド州を自転車で走る魅力を知ってほしいな!」
ゴール地点でもらえる大会記念Tシャツ。日本と同様、オーストラリアもライドイベントはボランティアスタッフの方に支えられています。キュートな笑顔と共にTシャツを渡されると疲れも吹き飛びました
ゴール地点でもらえる大会記念Tシャツ。日本と同様、オーストラリアもライドイベントはボランティアスタッフの方に支えられています。キュートな笑顔と共にTシャツを渡されると疲れも吹き飛びました

サイクリスト限定!嬉しいカフェのサービス

自転車通勤の促進もかねて、このバイクウィーク中は街中のカフェもサイクリストにうれしいサービスをしています。ブリスベン川沿いにカフェが並ぶエリア、サウスバンクでも「コーヒーとサラダラップのセットが$10」、「コーヒーを1サイズ上に無料でアップグレード」など、各種サービスが。私も平日早朝のマウント・クーサのヒルクライム練習の後に、カフェ「エスプレッソ・ガレージ」に立ち寄りました。

普段はこの隣にある「マイ・スイートピア」でコーヒーやバナナブレッド、カップケーキを食べるのですが、この日はエスプレッソ・ガレージではバイクウィーク期間中限定で、アボカドトースト($7)に無料でコーヒーが付いてくるという嬉しいサービスがあるとの情報をウェブサイトで見つけ行ってみました。切り開いてサクサクにトーストしたターキッシュブレッドに、スイートチリソースを塗り、アボカドをナイフでスライスして乗せたトーストはシンプルながらも美味!あぁ、こんなにお得で美味しいサービスが、あちこちでサイクリストに提供されるなら、1シーズンに1回、バイクウィークがあればいいのに……。
 
「エスプレッソ・ガレージ」の店内。手書きで書かれたバイクウィーク限定サービスのお知らせがキュート♪
「エスプレッソ・ガレージ」の店内。手書きで書かれたバイクウィーク限定サービスのお知らせがキュート♪
アボカドはディップではなくシンプルにそのまま半分に切っただけ!スライスしてトーストに乗せた上に、粗びきコショウをかければ一層美味しさが引き立ちます。
アボカドはディップではなくシンプルにそのまま半分に切っただけ!スライスしてトーストに乗せた上に、粗びきコショウをかければ一層美味しさが引き立ちます。

トレックショップで女性向けメンテナンス教室に参加

バイクウィーク中は、無料でワークショップを開くショップも。私も街中のトレック・バイシクルニューファームで開催された女性向けのメンテナンス教室に参加してきました!

土曜の昼下がりに集まったのは20代~50代のサイクリスト8名。トライアスロンをやっている子もいれば、「ロードバイク乗りの娘に誘われて一緒に来たの」というクロスバイク乗りのママさんも。”Female Maintenance Class”と名打ってあったので、チェーンやギアのお掃除を期待して参加したのですが、実際は、基本のチューブ交換を2時間ほどじっくりかけて練習する会でした。

チューブ交換は一通りできるので、黙々とタイヤレバーでタイヤを外し始めたところ「なんだキミ、できるじゃん!」とスタッフのドニーさんとグレッグさんからツッコミ。「いや、オーストラリアのサイクリストは毎日のように走るから皆当たり前のようにできるでしょう!?」と思い、周りを見渡したら、皆思いの他、タイヤを外す段階で四苦八苦。乗る距離と、メンテナンスのテクニックは必ずしも比例しないようです。だからこうして教室が開かれるのですね。

と、エラそうに言っている私も、いつもはパンク修理の際は手動ポンプなので、CO2カードリッジを試したのはこの日が初めてでした!インフレーターをバルブにぐっと押し込む瞬間は、皆で思わず「爆発したらどうしよう!」「怖い!!」とドキドキ…!でも、親切なスタッフの皆さんのおかげで、全員無事にタイヤ交換でき、「これでパンク時も一人でなんとかできる!」と自信をつけることができました。
 
皆で記念撮影!お土産にボントレガーの防水ポーチももらい、大満足!
皆で記念撮影!お土産にボントレガーの防水ポーチももらい、大満足!

バイクウィークのこれからを考える

バイクウィークは非営利自転車組織、バイシクル・クイーンズランドが主催し、ブリスベン市議会や、クイーンズランド州政府、各種健康団体、スポーツメーカーが協賛して開催されています。1990年代初頭から始まり、自転車に乗る人にはもっと自転車を好きに、乗っていない人にはこれを機にぜひ!というコンセプトで運営されています。ただ、せっかくのバイクウィークなのに、街中で広告を見かけることはほとんどなく、情報はほぼインターネット上のみ。インターンシップ先のクイーンズランド州政府観光部でも、「あれ、もう始まっているの?」という職員もちらほら……。クイーンズランド州の自転車ムーブメントを盛り上げるせっかくの機会なので、ぜひ地元のお店や大学などとタイアップして、街全体で「最近自転車に乗っていないな」、「前から自転車にちょっと興味はあったんだよね」といった人たちを、サドルの上に駆り出すような、そんなキャンペーンを期待したいです。来年のバイクウィークも今から楽しみです!

ちなみに、ブリスベン・トゥ・ゴールドコースト・サイクルチャレンジ(Brisbane to Gold Coast Cycle Challenge:通称B2GC)は2017年は10月15日開催です♪近日中にエントリーも始まるようですので、ぜひ参加を検討されてみてはいかがでしょうか!? もちろん私も参加します!
 

Ayaka

Cycle Evangelist、Writer。Z会で約6年間、英語教材の企画・開発を担当。ロードバイクで国内外各地のイベントやレースにも出場し、自転車メディアでも活動。「日本をもっと元気で楽しい場所にする!」を目標に、ビジネス留学を通し、スポーツツーリズム業界へのキャリアチェンジを目指し退職。オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンにあるグリフィス大学 観光・スポーツ・ホテルマネジメント学部に在学中。
 
HP:http://gdaybabyccino-ayaka.com/
Instagram:aya_p_14