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オービスク山頂ゴールのブエルタ・クイーンステージでヘーシンクが区間初優勝!

レース
 
第71回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月3日にカテゴリー超級のオービスク・グレット(フランス)山頂にゴールするクイーンステージの第14ステージを競い、オランダのロベルト・ヘーシンク(チームロトNL・ユンボ)が逃げ切り、30歳でグランツール区間初優勝を果たした。

総合争いは最後のオービスクでリーダージャージのマイヨ・ロホを着たコロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター)が何度も攻撃を仕掛けたが、英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)を蹴落とすことはできず、最後は一緒にゴールした。


モビスターチームのホセルイス・アリエタ監督が「今シーズンのグランツールで最も過酷なステージ」と評した第14ステージは、196kmの長距離でフランスに越境し、カテゴリー1の峠を3つ越えたあと、標高1710メートルでカテゴリー超級のオービスク山頂にあるスキーリゾート『グレット』にゴールした。

この日はスタートしてたった15kmで41人という大きな逃げが決まり、ヘーシンクもその1人だった。この逃げには総合で5分38秒しか遅れていないスペインのダニエル・モレノ(モビスター)が2人のチームメートとともに加わっていたため、41km地点でタイム差が3分以上になると、メイン集団はチームスカイが引き始めた。

3つ目の峠だったマリー・ブランク峠で、メイン集団から英国のサイモン・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ)がアタック。先に飛び出していたチームメートのジャック・ハイグ(オリカ・バイクエクスチェンジ)の助けを借り、メイン集団とのタイム差を広げていった。

ハイグが仕事を終えた後は、この日の逃げから遅れたサイモン・ゲランズとマグヌスコルト・ニールセン(オリカ・バイクエクスチェンジ)がイエーツに合流。ゴールまで残り30kmで、イエーツたちはメイン集団に1分半近いタイム差を付けていた。

16.5km続くオービスク山の登坂が始まったとき、先頭はジョーシ・ベネット(チームロトNL・ユンボ)、ケニー・エリソンド(FDJ)、ジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード)、ヤン・バークランツ(AG2R・ラモンディアル)、エゴール・シリン(カチューシャ)、バルト・ドクレルク(ロット・ソウダル)の6人に減り、ヘーシンクはわずかに遅れていた。

ゴールまで残り10kmでエリソンドを加速し、ベルナールとドクレルクがついて行けず、先頭は4人になった。そこに合流したヘーシンクが残り6.8kmでアタックし、バークランツだけが付いて行った。先頭の2人には、フラム・ルージュでシリンが合流したが、最後は残り300メートルでスパートしたヘーシンクが、ベテランの意地を見せて区間優勝した。

メイン集団では、マイヨ・ロホのキンタナが何度もアタックし、ケガをしているアルベルト・コンタドール(ティンコフ)は途中で力尽きたが、フルームは最後まで応戦し続けた。キンタナはわずかな秒差でも付けようとしてゴール目前でもスパートしたが、フルームはそれを許さなかった。

キンタナの最初のアタックで総合争いのグループから遅れたアレハンドロ・バルベルデ(モビスター)は、この日10分以上遅れてゴールし、総合3位から19位まで順位を下げてしまった。

マリー・ブランク峠での奇襲を成功させたイエーツは、区間優勝したヘーシンクに39秒遅れの区間5位でゴールし、総合7位から総合4位に順位を上げた。

区間優勝したヘーシンクは、コバドンガ山頂にゴールした第10ステージでも逃げに加わり、最後は独走で区間優勝を目指したが、ゴール目前でキンタナに抜かれてしまい、初優勝はお預けになっていた。

「とてもうれしいよ。コバドンガではもう少しだったけど、キンタナに負けたからね。僕は絶対に次のチャンスを得たかった。そしてそれが今日だった。それをやり遂げられたのは、本当に素晴らしい」と、ヘーシンクは喜びを語っている。
 
 
9月4日はスペインに戻り、ガリシア地方のサビニャニゴをスタートして標高1790メートルでカテゴリー1のサレント・デ・ガレゴ(アラモン・フォルミガル)山頂にゴールする山岳区間の第15ステージが行われる。距離は118.5kmと短いが、途中カテゴリー3とカテゴリー2の峠を越えなければならない。

サレント・デ・ガレゴのスキーリゾート施設『アラモン・フォルミガル』のゴールへと向かう最後の登坂は全長14.5kmで、平均勾配は4.6%だ。
 
MAP : Unipublic
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■第14ステージ結果[9月3日/ウルダクス・ダンチャリネア~オービスク・グレット(フランス)/196km]

1 ロベルト・ヘーシンク(チームロトNL・ユンボ/オランダ)5時間43分24秒
2 ケニー・エリソンド(FDJ/フランス)+7秒
3 エゴール・シリン(カチューシャ/ロシア)+9秒
4 ジョーシ・ベネット(チームロトNL・ユンボ/ニュージーランド)+31秒
5 サイモン・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+39秒
6 アイマル・スベルディア(トレック・セガフレード/スペイン)+49秒
7 ヤン・バークランツ(AG2R・ラモンディアル/ベルギー)+1分11秒
8 アンドリュー・タランスキー(キャノンデール・ドラパック/米国)+1分14秒
9 エステバン・チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ/コロンビア)+1分14秒
10 レオポルト・ケーニック(チームスカイ/チェコ)+1分16秒
12 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分47秒
13 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分47秒
19 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+2分07秒
43 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+10分56秒
90 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+32分37秒
113 別府史之(トレック・セガフレード/日本)+38分41秒
■第14ステージまでの総合成績
1 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)58時間41分40秒
2 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+54秒
3 エステバン・チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ/コロンビア)+2分01秒
4 サイモン・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+2分17秒
5 レオポルト・ケーニック(チームスカイ/チェコ)+2分37秒
6 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+3分28秒
7 サムエル・サンチェス(BMC/スペイン)+3分59秒
8 アンドリュー・タランスキー(キャノンデール・ドラパック/米国)+4分30秒
9 ミケーレ・スカルポーニ(アスタナ/イタリア)+5分37秒
10 ダニエル・モレノ(モビスター/スペイン)+5分52秒
19 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+10分14秒
102 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+2時間06分31秒
110 別府史之(トレック・セガフレード/日本)+2時間18分03秒
[各賞]
■マイヨ・ベルデ:アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)
■マイヨ・デ・ルナレス:ケニー・エリソンド(FDJ/フランス)
■マイヨ・ブランコ:ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)
(第15ステージはクリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)が着用)
■チーム成績:BMCレーシングチーム(米国)
■敢闘賞:サイモン・ゲランズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)
 




第14ステージのハイライト映像


Summary - Stage 14 (Urdax-Dantxarinea... 投稿者 la_vuelta