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ツール第6ステージはカヴェンディッシュが3勝目を上げ、区間通算29勝でイノーを抜いて単独2位!/新城が逃げて敢闘賞獲得

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今大会絶好調のカヴェンディッシュが、第6ステージでも勝どきを上げた(Photo: YAZUKA WADA)
今大会絶好調のカヴェンディッシュが、第6ステージでも勝どきを上げた(Photo: YAZUKA WADA)
 
第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月7日にアルパジョン・シュル・セールからモントーバンまでの190.5kmで平坦区間の第6ステージを競い、集団ゴールスプリントで英国のマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)が今大会3勝目を上げた。

カヴェンディッシュのツール通算区間優勝回数はこれで29回になり、地元の英雄ベルナール・イノーを抜いて単独2位になった。1位はエディ・メルクス(ベルギー)の34勝だ。

今大会で3勝目を上げたカヴェンディッシュは、ポイント賞のマイヨ・ベールも取り戻している。マイヨ・ジョーヌはベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMC)が守った。

この日は日本から唯一参加している新城幸也(ランプレ・メリダ)が、チェコのヤン・バルタ(ボーラ・アルゴン18)とともに序盤から逃げ、ゴールまで22kmで吸収されたが、敢闘賞を獲得した。新城がツールで敢闘賞を獲得したのは、2012年につづいて2度目。

今年のツールは、めずらしく初日から誰もリタイアせずに第6ステージを終えた。公式テキストライブによれば、これはツール史上初めてのことだそうだ。
 
表彰台でカヴェンティッシュを祝福したベルナール・イノー(Photo: YAZUKA WADA)
表彰台でカヴェンティッシュを祝福したベルナール・イノー(Photo: YAZUKA WADA)

新城が3km地点からアタック

逃げるバルタと新城(Photo: YAZUKA WADA)
逃げるバルタと新城(Photo: YAZUKA WADA)
BMCはゼッケンに合わせた黄色いヘルメット(Photo: YAZUKA WADA)
BMCはゼッケンに合わせた黄色いヘルメット(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌを着て初めて走ったバンアーベルマート(Photo: YAZUKA WADA)                         
マイヨ・ジョーヌを着て初めて走ったバンアーベルマート(Photo: YAZUKA WADA)                         
第6ステージは198選手が出走。快晴で気温は30度Cを越え、真夏の暑さになった。3km地点で新城とバルタがアタック。10km地点で3分35秒差を付けて逃げ続けた。

77.5km地点の中間スプリントポイントでは、その差は4分10秒にまで開いていた。メイン集団はフランスのブライアン・コカール(ディレクトエネルジー)が、中間スプリントポイントを先頭で通過した。その後、タイム差は縮まり始めた。

翌日から始まるピレネー山岳ステージを控え、この日はスローペースなレースになり、最初の2時間の平均時速は34.1km/hで、3時間後もまだ37.6km/hだった。ゴールまで残り73kmで、2人と集団のタイム差は2分になっていた。

バルタと新城のリードは、残り30kmでもう40秒しかなかった。集団は皮肉にも、新城が昨年まで所属していたディレクトエネルジーが引き続けていた。

2人は何とか互いに相手を出し抜こうとアタックを試みたが、集団はすぐ後方に迫っていた。2人はゴールまで残り22kmを切った所で、ゴールスプリントの準備を始めた集団に吸収された。

終盤、ロット・ソウダル、カチューシャ、エティックス・クイックステップといったビッグスプリンターを擁するチームが集団の先頭を掌握しようと試み、残り1kmのフラム・ルージュを通過した後は、トレック・セガフレードも先頭に出た。

そしてゴール前はチームメートのサポートを受けたマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)が先行したが、後方から追い上げたカヴェンディッシュが残り100メートルであっさり追い抜いてしまった。
 
カヴェンディッシュはリオ五輪に向けてトラック競技へ戻ったことがロードでも助けになった(Photo: YAZUKA WADA)
カヴェンディッシュはリオ五輪に向けてトラック競技へ戻ったことがロードでも助けになった(Photo: YAZUKA WADA)
 
■今大会で区間3勝目を上げたカヴェンディッシュのコメント
「今日は昔みたいなスプリントをした。高速な長い走りの中で、ボクは安全な場所に留まった。それは軽いダウンヒルだったんだ。正しい選択をする必要があった。トラックに復帰したことが、良い決断を下す助けになるだろうとロルフ・アルダグ(ディメンションデータのパフォーマンスマネージャー)が言っていたのには同意するよ。彼はボクのキャリアで、ほぼチームのスタッフにいる人物だ。彼はボクの言うことに耳を傾け、問題を解決してくれるのさ」

マイヨ・ベールを着られてうれしいよ。でも、ボクたちが山岳に出くわしたら、ボクにはサガンを倒すすべはない。誰にもできないよ。彼はまったく別の次元だからね」


■マイヨ・ジョーヌを着て初めて走ったバンアーベルマトのコメント「素晴らしい一日だった。いい天気で、丘越えもあまりなく、集団にはストレスがあまりなかった。これより良い日はなかっただろう。集団の後方でプレッシャーも感じないで走れるのはいいもんだね。同郷の仲間と地元の言葉でお喋りもできた。その瞬間を楽しんだよ。

集団のみんながボクのところに来て、おめでとうと言ってくれた。ロンド・バン・ブラーンデレンで落車した後にも、たくさんのメッセージを受け取ったけど、こっちの方がいいね。ボクの携帯はパンク状態さ!」
 
カヴェンディッシュはマイヨ・ベールも獲得(Photo: YAZUKA WADA)
カヴェンディッシュはマイヨ・ベールも獲得(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌはベルギーのバンアーベルマートが守った(Photo: YAZUKA WADA)
マイヨ・ジョーヌはベルギーのバンアーベルマートが守った(Photo: YAZUKA WADA)

第7ステージは終盤にアスパン峠を越えるピレネー山岳区間

 
ツールはいよいよピレネーに到着。7月8日はリル・ジュルダンからオート・ピレネー県のラック・ド・パヨールまでの162.5kmで山岳区間の第7ステージが競われる。コース終盤には今年最初のカテゴリー1の峠になるアスパン峠(標高1490メートル)越えがあるが、ゴールは峠を下った先だ。

マイヨ・ジョーヌを着て、レースリーダーとしてピレネー区間を走るバンアーベルマートはこう語っている。「今日は沿道でたくさんのベルギー国旗を見た。明日は山でもっとたくさん見られるのを楽しみにしている。リードを守るのは難しいだろうが、マイヨ・ジョーヌは持っている限り戦い続けるものだ。どれくらい行けるか様子を見るよ。5分のリードは、紙の上ではたくさんあるように見えるかもしれないが、山岳ではとても小さいものになるかもしれないよ」
 
MAP:ASO
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■第6ステージ結果[7月7日/アルパジョン・シュル・セール~モントーバン/190.5km]

1 マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ/英国)4時間43分48秒
2 マルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ/ドイツ)
3 ダニエル・マクレー(フォルチュネオ・ビタルコンセプト/英国)
4 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウェー)
5 クリストフ・ラポルト(コフィディス/フランス)
6 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)
7 ディラン・フルーネウェーゲン(ロトNL・ユンボ/オランダ)
8 エドワルド・トゥンス(トレック・セガフレード/ベルギー)
9 ブライアン・コカール(ディレクトエネルジー/フランス)
10 シェーン・アーチボルド(ボーラ・アルゴン18/ニュージーランド)
132 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+4秒
■第6ステージまでの総合成績
1 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)30時間18分38秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)+5分11秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+5分13秒
4 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+5分14秒
5 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+5分17秒
6 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+5分17秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+5分17秒
8 ピエール・ロラン(キャノンデール・ドラパック/フランス)+5分17秒
9 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+5分17秒
10 ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップ/アイルランド)+5分17秒
25 アルベルト・コンタドール(ティンコフ/スペイン)+6分38秒
137 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+33分07秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ/英国)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):トーマス・ドヘント(ロット・ソウダル/ベルギー)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)
■チーム成績(黄ゼッケン):BMCレーシングチーム(米国)
■敢闘賞(赤ゼッケン):新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)
(http://www.letour.fr/us/)
 
 










ツール第6ステージの公式ダイジェスト映像




Summary - Stage 6 (Arpajon-sur-Cère / Montauban... 投稿者 tourdefrance_en