ニュース

ブエルタ第15ステージは頂上ゴールでロドリゲスが区間優勝

レース

スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月6日にコミリャスからソトレス・カブラレスまでの175.8kmで頂上ゴールの第15ステージを競い、地元スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が優勝した。

リーダージャージのマイヨ・ロホを着たイタリアのファビオ・アルー(アスタナ)は15秒遅れてゴール。前日まで総合成績で26秒差だったロドリゲスは、区間1位で10秒のボーナスタイムも獲得したため、山岳3連戦2日目で総合首位のアルーとのタイム差をたった1秒差に縮めた。
 
たった1秒差でマイヨ・ロホを死守したアルー
たった1秒差でマイヨ・ロホを死守したアルー
第16ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第16ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第16ステージのゴールの坂のプロフィール(MAP:Unipublic)
第16ステージのゴールの坂のプロフィール(MAP:Unipublic)
第15ステージはカテゴリー1のソトレス山がゴールだった。12.7kmつづく登坂が始まったとき、先頭にはまだ9人の選手が1分以上のタイム差を付けて逃げていた。モビスターが引くメイン集団は、ソトレス山を上り始めるとすぐに50人ほどに減ってしまった。

ゴールまで残り10kmで、先頭の逃げグループからは地元スペインのアイマル・スベルディア(トレック)がアタックし、単独でゴールを目指した。その後方では、アスタナが先頭を引き始めたメイン集団からナイロ・キンタナ(モビスター)がアタックし、ルイスレオン・サンチェス(アスタナ)が追走して引き戻した。この攻撃で集団は小さくなり、アシストがいないトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)は、最後尾に必死で食らいついてた。

ソトレス山のちょうど中腹にさしかかり、坂がゆるやかになった残り7km地点で、アスタナが引いていたメイングループの先頭にジョバンニ・ビスコンティ(モビスター)が出て引き始めると、集団は1列棒状になり、1分差を保って逃げ続けていたスベルディアとの差はいっきに縮まり始めた。そしてゴールまで残り2.5kmで、ドゥムランはメイングループから脱落してしまった。

メイングループは逃げていたスベルディアを残り2kmの手前で捕まえた。そしてフラムルージュの手前でロドリゲスがアタック。すぐにキンタナが付いていったが、カーブで失速してしまった。マイヨ・ロホのアルーとラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ)は必死でロドリゲスを追走したが、13%の勾配は彼らの追走を阻んだ。

ロドリゲスはそのキツい勾配をモノともせず、観客の波をかき分けるように先頭を疾走し、そのまま独走でフィニッシュラインを通過し、ブエルタで区間通算9勝目を上げた。

マイカは12秒遅れの区間2位でゴールし、6秒のボーナスタイムを獲得して総合5位から3位へと浮上した。区間3位にはアルーを退けてダニエル・モレノ(カチューシャ)が飛び込み、アルーにボーナスタイムを与えない形でロドリゲスを援護した。ドゥムランはロドリゲスよりも51秒遅れでゴールしたが、アルーには36秒しか遅れなかった。山岳2日目を終えて、総合成績でドゥムランの遅れは1分25秒差になった。

区間優勝したロドリゲスはこう語っている。「信じられないよ。何てハードな上りだったか、そして何て素晴らしい勝利でもあったか。チームメートたちの助けと同じくらい、ファンの声援がものすごく僕を助けてくれた。今年は驚異的なブエルタだ。このブエルタで、カチューシャはこのステージでの優勝を狙っていた。今、それを成し遂げて、なおかつまだ総合争いも演じている」

「僕はレースをリードするために1秒を逃したが、そんなに重要なことではない。最後にもっとも強い選手がこのブエルタでは勝つだろう。いま持っている調子がいいという感触が、マイヨ・ロホよりも重要だ。明日はまたハードなステージになるだろうが、もう一度挑戦するだろう。もしそれがうまくいかなくても、また別の日にトライするよ」


9月7日はルアルカからエルミタデ・アルバ(キロス)までの185kmで、今年最後の頂上ゴールとなる第16ステージが行われる。スタートからカテゴリー3の峠越えが始まり、合計6ヶ所の峠をこえた後、最後はカテゴリー超級のエルミタデ・アルバ山に挑む過酷なステージだ。

ゴールが設定されたエルミタデ・アルバ山は標高1185メートル、登坂の全長は6.8kmと短いが、平均勾配は11.1%で、中盤に21.67%という信じられないような急峻なエリアがある。

第16ステージが終わると翌日は最後の休養日で、9日には38.7kmの平坦な個人タイムトライアルが行なわれる。このTTで総合逆転を狙いたいドゥムランはとにかく第16ステージで生き残らなければならない。そしてマイヨ・ロホを着たアルーは、1秒差で迫るロドリゲスを退けるためにも、自ら攻撃しないわけにはいかないだろう。


■第15ステージ結果[9月6日/コミリャス〜ソトレス/カブラレス/175.8km]
1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)4時間33分31秒
2 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+12秒
3 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+14秒
4 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+15秒
5 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+15秒
6 ミケル・ランダ(アスタナ/スペイン)+18秒
7 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+20秒
8 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+24秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+29秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+41秒
11 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+41秒
12 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+51秒
64 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+16分42秒

■第15ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)61時間53分56秒
2 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1秒
3 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分24秒
4 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+1分25秒
5 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+1分34秒
6 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+2分08秒
7 ミケル・ニエベ(チームスカイ/スペイン)+2分19秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分25秒
9 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分00秒
10 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+5分07秒
73 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間46分07秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:ブラヤン・ラミレス(コロンビア/コロンビア)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)
 


Summary - Stage 15 (Comillas / Sotres... 投稿者 la_vuelta