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ブエルタ第10ステージはMTN・クベカのスバラリが区間初優勝

レース

スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月31日にバレンシアからカステリョンまでの146.6kmで中級山岳区間の第10ステージを競い、終盤の峠越えで60人ほどに減った集団でのゴールスプリントを、イタリアのクリスティアン・スバラリ(MTN・クベカ)が制してグランツールでの区間初優勝を果たした。

南アフリカ登録のUCIプロコンチネンタルチームであるMTN・クベカは、7月に初出場したツール・ド・フランスで英国のスティーブン・カミングスが区間優勝していて、これが2つ目のグランツール区間優勝となった。次はアフリカ大陸出身選手の勝利が欲しいところだろう。

総合上位に変動はなく、リーダージャージのマイヨ・ロホはオランダのトム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン)が守った。
 
第10ステージはスタートからアタックがつづき、序盤は40人の逃げが先行した。第5ステージで区間優勝したオーストラリアのカレブ・イーウェン(オリカ・グリーンエッジ)が、疲労のため途中でリタイア。彼はこのブエルタが初めてのグランツールだった。

今年のブエルタはすでにペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)とナセル・ブアニ(コフィディス)といった強豪スプリンターもリタイアしていて、ゴールスプリント勝負はよりオープンになっていた。

先頭は次第に人数が減りながら逃げ続けたが、ゴールまで残り34kmで全員集団に吸収された。途中、ロータリでニコラ・ロッシュ(チームスカイ)が落車したが、無事集団へ復帰した。

ゴールまで残り24.5kmで、カテゴリー2のアルト・デル・デシエルト・デ・ラ・パルマス峠の登坂が始まり、アレッサンドロ・デマルキ(BMC)がアタック。すぐにロマン・シカール(ヨーロッパカー)が追いつき、ケニー・エリソンド(FDJ)も合流して残り17.5kmの山頂を通過したが、メイン集団とのタイム差は30秒ほどしかなかった。

アルト・デル・デシエルト・デ・ラ・パルマス峠の下り坂では、セルヒオ・エナオ(チームスカイ)が落車したが、幸い大事には至らなかった。峠を下り終えた後、逃げていた3人は60人ほどに減ったメイン集団に吸収された。

小さくなった集団をコントロールできるチームはなかったが、残り3kmでロット・ソウダルの選手がアタックを試みると、マイヨ・ロホを着たドゥムランが自らつぶしに行き、デゲンコルプのために働いていた。しかし、最後のゴール勝負でデゲンコルプはスパートが遅れ、フィニッシュラインでスバラリをさせず2位に終わった。

24歳のスバラリは、プロデビューした2013年にツアー・オブ・コリアで区間優勝していたが、ヨーロッパのレースで優勝したのはこれが初めてだった。彼はサガンが勝った第3ステージとイーウェンが勝った第5ステージで区間6位、ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック)が勝った第8ステージで区間5位に入っていた。

「上りで本当に調子がいいと感じていたから、チャンスをまた逃したくはなかった。今回のブエルタでは、すでに何度が勝利にとても近づいていたから、残り200メートルまで待つことにしたんだ。センセーショナルで、今までに味わったことのない感覚だ」と、スバラリは勝利の喜びを語っている。


■第10ステージ結果[8月31日/バレンシア〜カステリョン/146.6km]
1 クリスティアン・スバラリ(MTN・クベカ/イタリア)3時間12分43秒
2 ジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・アルペシン/ドイツ)
3 ホセホアキン・ロハス(モビスター/スペイン)
4 トシュ・バンデルサンド(ロット・ソウダル/ベルギー)
5 ジョゼ・ゴンサルベス(カハルラル/ポルトガル)
6 マッテーオ・モンタグティ(AG2R/イタリア)
7 イェンス・ククレール(オリカ・グリーンエッジ/ベルギー)
8 ダリル・インピー(オリカ・グリーンエッジ/南アフリカ)
9 ピーテル・セリー(エティックス・クイックステップ/ベルギー)
10 バレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ/イタリア)
159 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+10分50秒

■第10ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)38時間34分56秒
2 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+57秒
3 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+59秒
4 ニコラ・ロッシュ(チームスカイ/アイルランド)+1分07秒
5 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+1分13秒
6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+1分17秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+1分17秒
8 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分18秒
9 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分47秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+1分52秒
82 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間03分18秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:カルロス・ベロナ(エティックス・クイックステップ/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)

 
ブエルタ第11ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
ブエルタ第11ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
ブエルタ第11ステージのゴールのプロフィール(MAP:Unipublic)
ブエルタ第11ステージのゴールのプロフィール(MAP:Unipublic)
ブエルタ一行はスペイン北東部のアンドラへと移動し、9月1日は最初の休養日となる。そして2日には、いよいよピレネー山脈を舞台に本格的な山岳ステージが行なわれる。しかも、最初の山岳ステージとなる第11ステージは、6ヶ所の上り坂が設定された非常に厳しいレイアウトだ。

距離は138kmと短いが、アンドラ・ラ・ベリャをスタートし、カテゴリー1の峠を3ヶ所越えた後、カテゴリー超級の峠とカテゴリー2の峠を越え、標高2095メートルでカテゴリー1のコルタルス・デンカンプ山頂にゴールする。ゴールのコルタルス・デンカンプ山は全長8.7kmで平均勾配は8.7%。ふもとから1km上ると11.6%のもっともキツいポイントがある。(http://www.lavuelta.com/)

 


Summary - Stage 10 (Valencia / Castellón... 投稿者 la_vuelta