ニュース

頂上ゴールのブエルタ第7ステージはリンデマンが逃げ切り優勝

レース

スペインで開催中の第70回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月28日にホダルからシエラネバダ山脈のラ・アルプハラまでの191.1kmで中級山岳区間の第7ステージを競い、オランダのベルチャン・リンデマン(ロトNL・ユンボ)が逃げ切ってクランツールの区間で初優勝した。

総合を争うメイングループでは、ゴール目前でイタリアのファビオ・アルー(アスタナ)がアタックを決め、29秒遅れの区間2位でゴールして4秒のボーナスタイムを獲得した。

リーダージャージのマイヨ・ロホを着たエステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ)は、アルーに7秒遅れのメイングループでゴールし、総合首位の座を守った。しかし、アルーのアタックでメイングループから脱落した英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、メイングループから27秒遅れでゴール。総合トップ10から脱落してしまった。

フルームの遅れは数10秒だったが、まだ1週目の中級山岳区間のゴールで総合を争うライバルたちのグループから脱落したことで、やはり彼はトップフォームではないのでは、という疑問が浮上した。一方、アタックを決めたアルーは総合でも10位から57秒遅れの総合8位へと浮上し、好調さをアピールした。

 
中級山岳区間で遅れてしまったフルーム
中級山岳区間で遅れてしまったフルーム
チャベスは第7ステージもマイヨ・ロホを守った
チャベスは第7ステージもマイヨ・ロホを守った
第8ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第8ステージのコースプロフィール(MAP:Unipublic)
第7ステージは標高1565メートルでカテゴリー1のアルト・デ・カピレイラ山頂がゴールだった。18.7kmつづくアルト・デ・カピレイラ山の登坂が始まったとき、先頭にはまだ5人の選手が5分半の差を付けて逃げ続けていた。

そのメンバーはアメツ・チュルカ(カハルラル)、ジェローム・クザン(ヨーロッパカー)、リンデマン、イリア・コシェフォイ(ランプレ・メリダ)、カルロス・キンテロ(コロンビア)だった。5人はこの日最大で13分差を付けたのだが、モビスターが引く集団は最後にその差を詰めて来ていた。

ゴールまで残り9kmで、集団の先頭はアスタナが引き始め、タイム差は3分に縮まっていた。先頭では残り6.5kmでクザンがアタックし、キンテロが脱落。逃げ集団で最後尾に付けていたコシェフォイも一度は離されたが追いつき、先頭は4人になった。

そのコシェフォイが、残り5.5kmからアタック。一度はチュルカが捕まえたが、コシェフォイはもう一度アタックして先行した。しかし、残り3kmでクザンに追いつかれ、14%の難所に差し掛かる前にリンデマンも合流して先頭は3人になった。

ゴールまで残り1.8kmでクザンがアタックしたが抜け出せず、3人の攻防は続いた。追いつくかと思われた集団はまだ1分半後方で、この3人のうちの誰かが区間優勝する可能性が出てきた。

ところがフラムルージュを通過した後、先頭で後ろをふり返って様子をうかがっていたコシェフォイの後輪に、クザンの前輪が接触し、彼は足を付いてしまった。その隙にコシェフォイはスパートしたが、リンデマンはすぐに追いつき、ゴール手前でコシェフォイを置き去りにして単独でフィニッシュラインへ飛び込んだ。

リンデマンはカテゴリー1のゴールで山岳ポイントも獲得し、山岳賞首位のオマール・フライレ(カハルラ)と同じ13ポイントで2位になっている。ポイント賞は区間6位に入ったチャベスが、ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)より5ポイント上回って総合首位になった。

8月29日はプエブラ・デ・ドン・ファドリケからムルシアまでの182.5kmで第8ステージが行なわれる。中級山岳ステージで、終盤に標高375メートルでカテゴリー3のアルト・デ・ラ・クレスタ・デル・ガリョを2回越える。アルト・デ・ラ・クレスタ・デル・ガリョは全長4.2kmの上り坂で、平均勾配は7.5%だ。


■第7ステージ結果[8月28日/ホダル~ラ・アルプハラ/191.1km]
1 ベルチャン・リンデマン(ロトNL・ユンボ/オランダ)5時間10分24秒
2 イリア・コシェフォイ(ランプレ・メリダ/ベラルーシ)+9秒
3 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+29秒
4 ジェローム・クザン(ヨーロッパカー/フランス)+34秒
5 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+36秒
6 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)+36秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+36秒
8 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+36秒
9 ルイ・メインティス(MTN・クベカ/南アフリカ)+36秒
10 ニコラ・ロッシュ(チームスカイ/アイルランド)+36秒
11 ダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン/アイルランド)+36秒
12 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+36秒
13 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+36秒
14 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+36秒
17 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分03秒
28 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+1分25秒
99 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+16分45秒

■第7ステージまでの総合成績(マイヨ・ロホ)
1 エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)27時間06分13秒
2 トム・ドゥムラン(ジャイアント・アルペシン/オランダ)+10秒
3 ダニエル・マーティン(キャノンデール・ガーミン/アイルランド)+33秒
4 ニコラ・ロッシュ(チームスカイ/アイルランド)+36秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+49秒
6 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+56秒
7 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+57秒
8 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+57秒
9 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+1分18秒
10 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R/イタリア)+1分19秒
12 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+1分22秒
13 ラファウ・マイカ(ティンコフ・サクソ/ポーランド)+1分29秒
16 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+2分05秒
65 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+27分32秒

[各賞]
■マイヨ・ベルデ:エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)
■マイヨ・デ・ルナレス:オマール・フライレ(カハルラル/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:エステバン・チャベス(オリカ・グリーンエッジ/コロンビア)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:アメツ・チュルカ(カハルラル/スペイン)
*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・ルナレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)
(http://www.lavuelta.com/)

 


Summary - Stage 7 (Jódar / La Alpujarra... 投稿者 la_vuelta