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【Tour速報】ツール・ド・フランス第13ステージはバンアーベルマートが区間初優勝!

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第102回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月17日にミュレからロデズまでの198.5kmで第13ステージを競い、ゴールまでたった300メートルで逃げていた3選手を捕らえた集団からアタックしたベルギーのグレッグ・バンアーベルマート(BMC)が、マイヨ・ベールを着たペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ)の追撃をかわして区間初優勝を上げた。

マイヨ・ジョーヌのクリストファー・フルーム(チームスカイ)は、7秒遅れの区間6位でゴール。総合上位に大きな変動はなかった。
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第13ステージは175選手が出走。気温36度Cの暑い一日だった。スタートして最初の1kmでアレクサンドル・ジュニエズ(FDJ)、トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)、シリル・ゴチエ(ヨーロッパカー)、ウィルコ・ケルデルマン(ロトNL・ユンボ)がアタック。ジェニエズはこの日のゴールだったロデズ生まれの選手だった。

5km地点でネイザン・ハース(キャノンデール・ガーミン)とピエールリュック・ペリション(ブルターニュ・セシェアンビロンマン)が合流して先頭の逃げは6人になった。しかし、区間優勝を狙うジャイアント・アルペシンが逃げを容認せず、タイム差は4分20秒よりも開かなかった。

最初の1時間の平均時速は41.5km/hだった。58km地点でタイム差は3分半に縮まっていた。77km地点でアルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ)がパンクに見舞われたが、すぐ集団に復帰した。

92.5kmの中間スプリントポイントでもタイム差は3分半だった。集団はアンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)が先頭で通過して9ポイントを獲得。マイヨ・ベールのサガンは10位通過で6ポイントだったため、1ポイント差でグライペルがポイント賞の暫定首位に立った。

集団ではジャイアント・アルペシンを助けるチームがなく、ゴールまで残り84kmでタイム差はわずかに増えて4分45秒になった。ここでティンコフ・サクソが集団をコントロールし始め、起伏のあるコースと横風で集団は分断した。

137km地点で昨年総合2位になったジャンクリストフ・ペロー(AG2R)が落車して負傷したが、レースに復帰。15km追走して集団に戻った。

ゴールまで残り24kmの下り坂で、先頭からハースがアタックして10秒程度の差を付けたが、そのまま独走を続けることはできなかった。そしてゴールまで残り15kmでカテゴリーのない上り坂が始まると、先頭の6人はバラバラになってしまった。

そこからアタックしたのはケルデマンとゴチエだった。残り13.2kmでデヘントが追いつき、先頭は3人になったが、ジャイアント・アルペシンが引く集団はもう1分後に迫っていた。

1kmごとに逃げる3人のタイム差が削られていくスリリングな展開が続き、残り2kmで集団は15秒差にまで迫っていた。そしてこの日のロデースのゴールは、最後の570メートルが平均勾配9.6%というサン・ピエールの丘にフィニッシュラインが設定されていた。

フラム・ルージュを通過した後、先頭の3人はサン・ピエールの上りで集団に飲み込まれた。そしてそこから得意のアタックを決めたのがバンアーベルマートだった。すぐにサガンが反応してバンアーベルマートの後ろについたが、フィニッシュラインで抜くことはできなかった。

30歳のバンアーベルマートはこれまでビッグクラシックで何度も表彰台に上がっていたが、頂点に手は届かずにいた。しかしツールという大舞台で、ついに大きな勝利を手中に収めたのだ。ベルギーにとっても今大会初の勝利だった。

一方、区間2位に入ったサガンは、この日の中間スプリントポイントで失いかけていたマイヨ・ベールをしっかり取り戻した。これでサガンのポイントは285ポイントになり、グライペルとの差を24ポイントに広げた。

区間優勝を逃したサガンは「長く待ちすぎた!僕のミスだ。スプリントの前にいい仕事をしてくれたチームには感謝しなければならない。バンアーベルマートをまっすぐ抜いて、ゴールまで自分の努力を続ければよかったのに、彼の後ろに留まったのが失敗だった。マイヨ・ベール争いのリードは広げたが、それは今日の優先事項ではなかった。僕は区間優勝も欲しいんだ」と、語っている。


■ツールで区間初優勝したバンアーベルマートのコメント「この勝利は多くの意味がある。それは大きな勝利だ。とくにクラシックで何度もチャンスを逃したあとで、ついにやり遂げたんだ」

「僕は区間優勝するためにこのツールに来た。最初の週をターゲットにしていた。それからこの区間を思い描きながらピレネーで生き残って、成功を収めた」

「残り200メートルで、誰がが後ろについて来たのを感じていた。でも誰なのかは知らなかった。それがサガンだと気がついた時、追い抜かれないよう望んでいた。最後の100メートルはとても長かった。でも、そのまま前に残ることができてよかった」

「僕はサガンと同じ問題を抱えているから、彼にアドバイスはできない。このレベルで勝つのは難しいものだ。唯一のアドバイスはトライし続けることさ。彼のことはとてもリスペクトしている。彼のような選手がいることは自転車競技にとってすばらしい」

「僕は多分、年間20勝するような選手ではないけれど、いつも毎シーズン6~7勝を目指している。今年は4勝したけど、シーズンはまだ先が長い。クラシックは一番の目標だ。今日の勝利のレベルは、僕の未来に必要な自信を与えててくれる」


7月18日はロデーズから中央山塊のマンドまでの178.5kmで第14ステージが行なわれる。全長3kmで平均勾配10.1%のコート・ド・ラ・クロワ・ヌーブ(カテゴリー2)を越えた後、1.5kmの平坦区間を走ってゴールのマンドへと到達するレイアウトだ。2010年にはスペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)がここで区間優勝している。

マイヨ・ジョーヌのフルームは「マンドは3kmの上り坂で、大きな差がつけられることが予想される。大きなトラブルに見舞われないで通過できることを願っているよ」と、語っている。(MAP:ASO)
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■第13ステージ結果[7月17日/ミュレ~ロデーズ/198.5km]
1 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)4時間43分42秒
2 ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
3 ヤン・バークランツ(AG2R/ベルギー)+3秒
4 ジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・アルペシン/ドイツ)+7秒
5 ポール・マルテンス(ロトNL・ユンボ/ドイツ)+7秒
6 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)+7秒
7 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+7秒
8 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+7秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+7秒
10 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+7秒
12 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+7秒
■第13ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)51時間34分21秒
2 ティージェイ・バンガーデレン(BMC/米国)+2分52秒
3 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+3分09秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分58秒
5 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)+4分03秒
6 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+4分04秒
7 ロベルト・ヘーシンク(ロトNL・ユンボ/オランダ)+5分32秒
8 トニ・ガロパン(ロット・ソウダル/フランス)+7分32秒
9 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+7分47秒
10 ワレン・バルギル(ジャイアント・アルペシン/フランス)+9分53秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ・サクソ/スロバキア)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)
■新人賞(マイヨ・ブラン):ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)
■チーム成績(黄ゼッケン):モビスターチーム(スペイン)
■敢闘賞(赤ゼッケン):トーマス・デヘント(ロット・ソウダル/ベルギー)
(http://www.letour.fr/le-tour/2015/fr/)


Summary - Stage 13 (Muret > Rodez) - Tour de... 投稿者 tourdefrance_en