ニュース

自転車用エアバッグ、開発と生産に日本企業が参入

新製品

転倒時に頭部を衝撃から守る「自転車用エアバッグ」の開発と生産に、自動車部品メーカーの日本プラスト(静岡・富士宮)が参入する。自転車用エアバッグはスウェーデンのホーブディング社が販売。日本プラストはホーブディング社と提携し、自動車用エアバッグ事業で培った自社技術を新たな分野で活用する。

 

転倒時に作動して頭部を保護する自転車用エアバッグ「HOVEDING」(公式動画から引用)

 

■衝撃吸収性能、ヘルメットの3倍

自転車用エアバッグ「HOVDING」は、ホーブディング社が2011年から販売している。首の周りにスカーフを巻くようにして装着する。転倒、または強い衝撃を受けた時にはエアバッグが頭部を包み込むように展開して保護するしくみだ。衝撃吸収性能は、自転車用ヘルメットの3倍以上とされる。

今年1月からは第二世代の「HOVEDING2.0」の販売が始まり、2月には日本にも上陸。現在、世界15か国で発売されている。

日本プラストは大手自動車メーカーに自動車用エアバッグを供給する会社。自転車市場は将来の市場拡大が予想され、またエアバッグ技術を新たな分野で応用できるとの判断から、同社は6月にホーブディング社と提携。現在発売中の「HOVEDING2.0」の生産、および次世代モデルの共同開発を行なうことを発表した。

 

 

左から日本プラストの須藤亘社長、ホーブディング社のフレデリック・カーリングCEO(ホーブディング社広報資料より)

 

■中国の工場で生産

「HOVEDING2.0」は価格が54000円(税込)。また、システムを作動させるために約18時間ごとに充電する必要がある。自転車用エアバッグの普及には、自転車用ヘルメットと比べて数倍以上もする価格の引き下げや、使い勝手の向上などが課題となる。

日本プラストは「自社のエアバッグ技術とホーブディング社との知見を融合することで、自転車用エアバッグに関連する技術の進化を図り、普及をめざす」と説明。生産は来春以降、同社の中国国内の工場で行う計画だ。価格や販売目標数は未定。(斉藤円華)

<参考サイト>

HOVEDING2.0(国内代理店のサイト)

http://www.riteway-jp.com/pa/hovding/154114.html