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自転車の危険運転取締り、検挙時の本人確認の方法は? - 改正道路交通法

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6月に改正道路交通法が施行されて、自転車の危険運転を取り締まるしくみが強化された。信号無視や一時停止違反など14項目の違反に対しては、3年以内に2回以上検挙されると「自転車運転者講習」の受講が義務付けられている。
ところで、運転免許の携帯が義務付けられている車両と違って、自転車の交通違反検挙ではどのようにして違反者の本人確認を行なうのか。
 
自転車の交通違反、検挙時に身分証がないと「ガサ入れ」?
 
■身分証の提示を求められる
警視庁に問い合わせると「社員証や学生証、健康保険証などの所持している身分証明書、および自転車の防犯登録で本人確認を行なう」と回答。つまり検挙された際には、警察は違反者に対して身分証の提示を求め、本人であることが確認されれば「赤キップ」が交付される。ちなみに交通違反への警告として交付される「指導警告票」(イエローカード)は、検挙には含まれない。
そうなると気になるのが、検挙された際に身分を証明する手立てがない場合だ。身分証は常に携帯しているとは限らない。また、自転車の防犯登録は義務付けられているが罰則はなく、また登録は有効期限の10年を過ぎると抹消されてしまう。
 
■警察官が住居をガサ入れ?
ふたたび警視庁に尋ねると「違反者の自宅を訪れて確認するなど、人定把握のための捜査に努める」とのこと。「自宅を訪れる」と聞くと「ガサ入れ(家宅捜索)」が思い浮かぶが、家宅捜索の場合には事前に裁判官から家宅捜索令状の交付を受けるのが原則だ。
警視庁は捜査の詳しい方法については明らかにしなかった。しかしこのケースでは、警察官が違反者とともに違反者の自宅に同行し、違反者に身分証の提示を求めるなどの方法で本人確認を行なう、といった流れが考えられる。
ともあれ自転車の交通違反での検挙の際、違反者が身分証を持っていなければ、確認作業が面倒になるとは言えそうだ。
ただし本人確認を容易にすることを目的に、自転車にも運転免許制度を導入するとすれば本末転倒だろう。今回の改正道交法のねらいは自転車事故の抑制にある。自転車通行空間の整備と、それに即した交通安全教育の推進が急がれる。(斉藤円華)