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「自転車レーンの整備方法、標準化を」国の指針改定へ

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各地で自転車通行空間の整備が始まるなか、国はこの夏にも整備指針の見直しを行なう。国土交通省の有識者委員会が先ごろ示した案では、自転車レーンなどで路面に表示されるピクトグラム(図形)のデザインが地域ごとにバラバラな現状を踏まえ、標準となる仕様を提示するなどとしている。


■「外国人にもわかるよう配慮を」

現在、国が2012年に定めた「安全で快適な自転車通行空間創出ガイドライン」にのっとり、各自治体では自転車ネットワークの計画づくりが進む。

ところが実際には、道路空間の制約などによって計画の策定が進まない、あるいは自転車レーン等での路面表示が地域ごとに異なる、といった問題が表れている。

そこでガイドラインの見直し案では、交通量や道幅を基準にして自転車通行空間を整備することが当面難しい場合には、基準をゆるめた「暫定形態」での整備を可能とするよう提案。具体的には、本来自転車道の整備が必要な道路でも、自転車レーン(自転車専用通行帯)や自転車ナビライン(車道での自転車と自動車の混在)が整備できるようにする、というものだ。

また、自転車レーンや自転車ナビラインにおいて、路面に表示する自転車のピクトグラムおよび矢羽根の基準が統一されていない。そこで案では、利用者に分かりやすく、また外国人にも通行ルールを理解できるよう、標準仕様を示すべきとしている。また矢羽根表示の使い方も、歩道や路側帯の有無に応じて明確に区別するよう求めた。

 

地域によってデザインが異なる自転車ピクトグラム(国交省資料から引用)

 

■自転車道、対面通行から改める

さらに自転車道の整備で、現行では沿道の利便性の観点から対面通行方式も可能としている点についても提言。同方式では出会い頭事故などの危険性があることから、案では安全性の面から一方通行を原則とし、現在ある対面通行方式の自転車道は、区間の終わりに自転車の速度を落とす安全対策を行なうべきとしている。(斉藤円華)