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超軽量携帯ポンプ「IPUMP」シリーズ

新製品

アイポンプ、全長25cm、直径2cm


ある日、編集部へ一本の電話がかかってきた。電話の主はモリス・オストロウという発明家。大の自転車好きでもある彼は、日本の特許事務所に勤める傍ら、誰もがクルマで移動することをステータスとしていたバブルの時代から自転車通勤をし、さまざまな実用新案を発案するのと同時に、愛する自転車のためのプロダクト案をずーっとあたためていたのだ。そして、ようやく彼の満足する試作品が出来上がった。それがこの「IPUMP(アイポンプ)」。彼がこのポンプを、発案してから15年の歳月をかけて完成させたそうだ。

この携帯ポンプ開発のコンセプトは2つ。まずは究極に軽量であること。そして100%メイドインジャパンであること。

ひとつめの「軽量であること」は、自転車に関係するプロダクトについて、常に正義とされている。同じ性能ならば軽いほうがよりよいとされる。シンプルであると同時にとても難しいこの問題に、「アイポンプ」は38g、最も軽い「アイポンプマイクロ」では19gというサングラス程度の重さを実現した。

もうひとつの100%日本製であること。これは彼が仕事で関わってきた多くの日本の技術者に、彼自身が感銘を受けてきた。それゆえ日本製のパーツでなんとしてもこの商品を作り上げたいし、日本の町工場の技術がなければ、彼の設計図を実物のパーツへと昇華させることができなかったということもまた理由のひとつとしてある。そんな情熱の結晶がこのポンプなのだ。

実際に手にとって見ると、驚くほど軽い。フルカーボンのシェルをもち、ピストンのレバーもカーボン。そして黄色いホースは千切れてしまうのではないか?と思うほどか細い。このホースも、軽くするためにコンパクトでありながら、空気を入れるときの高圧に耐えられるような強度をもっていることが求められたため、吟味を重ねて選んだ素材が使われている。そして一番のキモとなるのがバルブヘッドだ。このなかに彼の発明となる小さなが仕込まれており、このポンプの最も重要なパーツである。それは、軽く仕上げるためにコンパクトかつ、ポンピングで送り出した空気をロス無くチューブ内へ送り込む能力が必要だったからだ。アルミ製のヘッドにはネジが切ってあり、バルブヘッドにねじ込んで固定し、空気を入れていくので、バルブからポンプが外れてしまう心配もない。

このスペシャルなポンプは、現在最終段階の試作品が完成したところ。これから量産に向けての準備を進めていくということだ。

 

携帯時はポンプの中にホースが格納されており、使用するときは引き出して、本体とジョイントさせる

 

アイポンプマイクロ、全長10cm、直径2cm


このポンプのキモとなるヘッド部分。とてもコンパクトに仕上がっている

 

実測重量はアイポンプが39g、アイポンプマイクロが19g


開発者のモリス・オストロウ氏。アイポンプは彼の情熱の結晶だ

 

問・アイポンプ http://ipump.co.jp/?page_id=61