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【速報】 UCIがコンタドールの懲罰手続きを車連に要請

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国際自転車競技連合(UCI)は11月8日、スペイン車連にアルベルト・コンタドールに対する懲罰手続きを開くように要請したと発表した。

コンタドールは今年のツール・ド・フランス開催中の7月21日(2度目の休養日)に行われた尿検査で、禁止薬物のクレンブテロールが微量に検出された。UCIはドイツのケルンにある検査機関からこの結果を8月23日に受け取り、コンタドール本人には通知していたが、9月30日まで公にはしていなかった。コンタドール本人のリクエストにより、Bサンプルによる再検査が9月8日に行われ、同様にクレンブテロールが検出された。しかし、値が非常に微量だったため(1mlあたり0.000 000 000 05グラム)、UCIは9月30日の発表の時点でコンタドールを一時的な競技停止処分にはしたものの、引き続き世界アンチドーピング機関(WADA)と協力して科学的な検査を続けると説明していた。

今回のUCIの発表によれば、とりわけ問題となっている期間にコンタドールが受けたすべての尿検査と血液検査のサンプルが徹底的に検査されたという。10月14日には、問題となっているクレンブテロールで陽性になったのは「汚染された肉を食べたのが原因だ」というコンタドールの弁明を、WADAが却下していた。そして長期にわたるWADAの専門家による調査の末、UCIはコンタドールに対して懲罰手続きを開くべきだという結論に達した。これでコンタドールには2年間の競技停止処分と、今年のツール総合優勝を剥奪される可能性がでてきた。

しかし、コンタドールがUCIのアンチドーピング規程に違反したかどうかを決めるのは、所属選手に対して実際に懲罰手続きを行うスペイン車連だ。オペラシオン・プエルト事件でも選手に厳しい判決を下すことのなかった同車連が、懲罰手続きにしたがって聴聞会を開いた後、コンタドールに無罪を言い渡す可能性は非常に高い。その場合は、UCIとWADAがスポーツ仲裁裁判所に告訴することになるだろう。いずれにしても、この事件の解決にはさらに時間がかかることになりそうだ。(http://www.uci.ch/)