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【Tour速報】ツール第6ステージは集団ゴールスプリントでキッテルがパンク、グライペルが区間優勝

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第101回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月10日にアラスからランスまでの194kmで平坦な第6ステージを競い、ドイツチャンピオンのアンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)が、集団ゴールスプリントを制して区間優勝した。

今年すでに3勝を上げ、この日も区間優勝候補だったドイツのマルセル・キッテル(ジャイアント・シマノ)は、ゴール目前でパンクし、戦線を離脱してしまった。マイヨ・ジョーヌはイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が守った。
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第6ステージは192選手が出走。前日の落車でヒザを負傷したアルゼンチンのマキシミリアノ・リチェセ(ランプレ・メリダ)がスタートしなかった。

0kmアタックでアルノー・ジェラール(ブルターニュ・セシェ)、ジェローム・ピノー(IAM)、トーマス・リーゼル(ベルキン)、ルイスアンヘル・マテ(コフィディス)が先行。14km地点で4分15秒差を付けた。

しかし、集団ゴールスプリントを狙うジャイアント・シマノがコントロールを開始し、タイム差はそれ以上にはならなかった。この日2ヶ所あったカテゴリー4の丘は、コフィディスのマテが両方先頭で通過し、マイヨ・アポワのシリル・ルモワン(コフィディス)をアシストした。

この日も天気は雨になり、ゴールまで残り79kmで落車が発生。スペインのシャビエル・サンディオ(スカイ)と、ロシアのエゴイ・シリン(カチューシャ)がリタイアした。

落車の報せを受けたメイン集団は、ペースダウンして遅れた選手を待った。そのおかげで落車に巻き込まれて遅れていたマイヨ・ベールのペーテル・サガン(キャノンデール)と、フランスチャンピオンのアルノー・デマール(FDJ.fr)は無事集団に復帰できた。

残り66km地点で再度落車があり、ヘスス・エルナンデス(ティンコフ・サクソ)がリタイア。アルベルト・コンタドールは山岳区間が始まる前にアシストを1人失ってしまった。

この日は第一次世界大戦で激戦地になったエリアを通過したため、後半はフランスのオランド大統領がオフィシャルカーでレース観戦をしていた。

ゴールまで残り20kmで、先頭の4人と集団のタイム差はたった9秒になった。リーゼルとジェラールは白旗を上げて集団へと戻ったが、マテとピノーは抵抗を続けた。そして残り16kmで、マテは一人旅を敢行したが、4km後には吸収されてしまった。しかし、彼はこの走りで敢闘賞を獲得した。
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終盤は強い横風が吹き荒れ、集団は分裂。ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)や総合上位を目指すティボー・ピノ(FDJ.fr)、ピエール・ロラン(ヨーロッパカー)が遅れてしまった。この第2集団には、フランスチャンピオンのデマールも含まれていた。

フラム・ルージュの手前でマイヨ・ブランのミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ)がアタックしたが、残り300メートルで集団に吸収された。

そして最後はキッテルのいないスプリントをグライペルが制し、ツールで通算6勝目をマークした。横風で遅れてしまったピノとロランは59秒遅れでゴール。ロドリゲスは5分近く遅れてしまった。
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■グライペルのコメント「難しかった! とくに最後の30kmは横風だったから、タフなレースだった。おそらくボクはちゃんとした列車を持っていなかったが、最後のロータリーでは狂ったように走った。幸運にも我々は一緒にいることができて、レンショウの後ろにつけたのさ」

ツール公式サイトやフランステレビジョンでは、キッテルはパンクで遅れたと報じていたが、チームリリースでキッテル自身は「我々は最後はコントロールができなくなり、正しい位置取りでのスプリントフォーメーションを準備できなかった」と、チームの状態についてだけ語っていた。


7月11日はエペルネからナンシーまでの234.5kmで第7ステージが行われる。平坦区間ではあるが、終盤にカテゴリー4の丘が2つ連なっている。(MAP:ASO)
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■第6ステージ結果[7月10日/アラス~ランス/194km]

1 アンドレ・グライペル(ロット・ベリソル/ドイツ)4時間11分39秒

2 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウエー)

3 サミュエル・デュムラン(AG2R/フランス)

4 マーク・レンショウ(オメガファルマ・クイックステップ/オーストラリア)

5 ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

6 トム・フィーレルス(ジャイアント・シマノ/オランダ)

7 ロマン・フェイユー(ブルターニュ・セシェ/フランス)

8 ブライアン・コカール(ヨーロッパカー/フランス)

9 セプ・バンマルク(ベルキン/ベルギー)

10 シルバン・シャバネル(IAM/フランス)

85 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+54秒

■第6ステージまでの総合成績

1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)24時間38分25秒

2 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+2秒

3 ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)+44秒

4 ミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)+50秒

5 ファビアン・カンチェッラーラ(トレック/スイス)+1分17秒

6 ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル/ベルギー)+1分45秒

7 トニ・ガロパン(ロット・ベリソル/フランス)+1分45秒

8 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+1分54秒

9 アンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ/米国)+2分05秒

10 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分11秒

18 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+2分37秒

124 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+31分53秒

[各賞]

■マイヨ・ベール:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

■マイヨ・アポワ:シリル・ルモワン(コフィディス/フランス)

■マイヨ・ブラン:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

*第7ステージはミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)が着用

■チーム成績  :アスタナ(カザフスタン)

■今日の敢闘賞 :ルイスアンヘル・マテ(コフィディス/スペイン)(http://www.letour.fr/)