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【ブエルタ速報】第12ステージでマイヨ・ロホのロドリゲスが区間2勝目!

レース


第67回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月30日にビラガルシア・デ・アロウサからミラドール・デ・エサロまでの190.5kmで第12ステージを行い、ゴールの激坂勝負を制してマイヨ・ロホのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が区間優勝した。2位は8秒遅れでアルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク)、3位はアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)だった。ロドリゲスはこの日ボーナスタイムも獲得し、前日の個人タイムトライアルでコンタドールに1秒にまで追い上げられた総合でのタイム差を13秒に広げている。

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第12ステージは193選手が出走したが、16km地点でダニエーレ・ラット(リクィガス・キャノンデール)がリタイアし、192人になった。アタックと吸収が繰り返された後、74km地点でアマエル・モワナール(BMC)、ミケル・アスタルロサ(エウスカルテル・エウスカディ)、ケビン・ドウィールト(オメガファルマ・クイックステップ)、キャメロン・マイアー(オリカ・グリーンエッジ)が逃げ出すことに成功した。4人はカチューシャがコントロールする集団に106km地点で7分10秒差を付けた。しかしその後はモビスター、スカイが集団のコントロールに加わり、タイム差は縮まっていった。集団では159km地点でシャビエル・サンディオ(スカイ)とナセル・ブアニ(FDJ・ビッグマット)が落車。サンディオは鼻を負傷して流血し、途中リタイアを余儀なくされ、クリストファー・フルーム(スカイ)は厳しい山岳区間が始まる前にアシストを一人失ってしまった。

集団は逃げる4人をきっちり追い込み、この日最大の見せ場となった残り2kmから始まる激坂のミラドール・デ・エサロのふもとで25秒差になっていった。ミラドールが始まるとすぐに、逃げからはアスタルロサがアタックして先行。集団ではイゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ)が口火を切ってアタックし、残り1kmで先行した。ミラドールでもっとも勾配のキツいエリアに入ると、マイヨ・ロホのロドリゲスがアタック。コンタドールだけがつき従い、先行していたアントン、アスタルロサ、マイアーをあっさり抜き去って2人で先頭に踊り出た。20%を越える勾配が終わると、後続がロドリゲスとコンタドールに追いつきかけたが、ここからはコンタドールが加速し、先頭はふたたび2人になった。しかしコンタドールはゴール手前200メートルで仕掛けたロドリゲスのアタックに反応できなかった。結局ロドリゲスはコンタドールに8秒差を付けて単独でゴールに飛び込み、20秒のボーナスタイムを獲得。2位のコンタドールも16秒獲得したため、総合でのタイム差は13秒になった。

今大会区間2勝目を上げたロドリゲスは「上り坂を比較するのは難しいものだ。ボクは(ティレーノ~アドリーアティコの)モンテルポーネで2回勝っていて、あれも急な坂だけど、ミラドール・デ・エサロほどキツい坂は今までにまったく経験したことがなかったよ。こういう上りでは、心拍数がほとんど200になっていたら何かを考えるのは難しい。そんなときに他の選手たちを見ていて、コンタドールが自分に付いて来ているのに気がついた瞬間があった。もし彼があんな風に最後までボクのスリップストリームに留まっていたら、彼は本当にうまいこと行ってただろう。ボクは区間優勝するつもりだった。ボクのためにお膳立てして働いてくれたチームのためには、ここで勝つ以外には何もできなかった」と、この日の勝利について語った。そして今後の展望については、こう語っている。「アンカレス(第14ステージのゴール)でこのマイヨ・ロホを失ったとしても、あるいはあと何日これを着ていられようと重要ではない。唯一価値があるのはこれを着てボラ・デル・ムンドにたどり着き、マドリードで歴史を作ることだ。たとえ自分が世界で最高の選手ではないとしても、最高に価値がある選手になりたい。確かに総合成績は我々4人に対してオープンなままで、道のりはまだ長い。すでにアラテやガリナのような厳しい上り坂をこなしたが、それは1区間にたった1ヶ所の上りだった。この後は異なったルートで、安定した走りがもっとも重要になるだろう。2度目の休養日の後には、4人が僅差ということはあり得ない。誰かが脱落するだろう。ブエルタの勝者がボーナスタイムで決まるなんて思っていないよ」

31日は巡礼の聖地サンチャゴ・デ・コンポステラからフェロルまでの172.8kmで第13ステージが行われる。そして週末には、いよいよアストゥリアス山岳3連戦がスタートする。
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■第12ステージ結果[8月30日/ビラガルシア・デ・アロウサ~ミラドール・デ・エサロ/190.5km]
1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)4時間24分32秒
2 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク/スペイン)+8秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+13秒
4 ロベルト・ヘーシンク(ラボバンク/オランダ)+20秒
5 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+23秒
6 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+23秒
7 イゴル・アントン(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+27秒
8 ニコラス・ローチ(AG2R/アイルランド)+31秒
9 プジェミスラフ・ニエミエツ(ランプレ・ISD/ポーランド)+33秒
10 ゴルカ・ベルドゥコ(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+36秒
■第12ステージまでの総合成績
1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)44時間50分35秒
2 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・ティンコフバンク/スペイン)+13秒
3 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+51秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+1分20秒
5 ロベルト・ヘーシンク(ラボバンク/オランダ)+2分59秒
6 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+3分29秒
7 ニコラス・ローチ(AG2R/アイルランド)+4分22秒
8 アンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ/米国)+5分17秒
9 ローレンス・テンダム(ラボバンク/オランダ)+5分18秒
10 バウケ・モレマ(ラボバンク/オランダ)+6分01秒
■マイヨ・ロホ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・ベルデ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■マイヨ・デ・プントス・アスレス:アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)
■マイヨ・ブランコ:ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)
■チーム成績:ラボバンクサイクリングチーム(オランダ)

(http://www.lavuelta.com/)

*マイヨ・ロホ(個人総合リーダージャージ)...真紅/マイヨ・ベルデ(ポイント賞ジャージ)...緑/マイヨ・デ・プントス・アスレス(山岳賞ジャージ)...白地に青い水玉/マイヨ・ブランコ(コンビネーション賞)...白(※ブエルタには新人賞の設定はない)