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【ツール速報】 アルプス初日にシャバネルが区間2勝目!

レース

第97回ツール・ド・フランスは、いよいよアルプス山岳区間がスタート。初日の7月10日は、トゥルヌからスタシオン・デ・ルセまでの165.5kmで、中級山岳に区分された第7ステージを競い、地元フランスのシルバン・シャバネル(クイックステップ)が、第2ステージに続いて今大会2度目の区間優勝を勝ち取り、マイヨ・ジョーヌを奪い返した。2位にはラファエル・バルス(フートン・セルベット)、3位にはフアンマヌエル・ガラテ(ラボバンク)が入った。マイヨ・ジョーヌのファビアン・カンチェッラーラ(チームサクソバンク)は、14分12秒遅れでゴール。4日間守った首位の座を、ふたたびシャバネルに奪われるとは予想していなかっただろう。日本の新城幸也(Bボックス・ブイグテレコム)は、中盤チームのためにメイン集団を牽く仕事をし、最後は22分17秒遅れのグルッペットでゴールして177位。総合は25分3秒遅れの104位になった。ステイン・バンデンベルフ(チームカチューシャ)は制限時間内にゴールできなかった。

第7ステージはフアンホセ・オロス(エウスカルテル・エウスカディ)が出走せず、187選手がスタート。最初の1キロでマイヨ・アポワを着たジェローム・ピノー(クイックステップ)がアタック。すぐにドイツチャンピオンのクリスティアン・クニース(チームミルラム)、サミュエル・デュムラン(コフィディス)、ルベン・ペレス(エウスカルテル・エウスカディ)、ダニロ・ホンド(ランプレ・ファルネーゼビーニ)が加わった。5人は39km地点で最大8分45秒差を付けて逃げ続けた。

ゴールまで残り31km地点、カテゴリー2のクロワ・ド・ラ・セッラ峠の登坂で先頭の5人からデュムラン、ペレス、クニースが脱落。メイン集団からはフランスチャンピオンのトーマ・ボークラー(Bボックス・ブイグテレコム)、マテュー・ペルジェ(ケスデパーニュ)、マテュー・ロイド(オメガファルマ・ロット)、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ファルネーゼビーニ)、バルス、そしてシャバネルがアタック。クロワ・ド・ラ・セッラ峠の山頂はマイヨ・アポワのピノーがホンドを従えて通過し、シャバネルのグループが50秒遅れで追走していた。残り17kmでホンドが脱落し、ピノーは単独でトップを走っていたが、ゴール手前に設定されたカテゴリー2のラムラ峠のふもとで、チームメートで同郷のシャバネルが追いつき、先頭をバトンタッチ。最後の登坂で、シャバネルを捕らえられる選手は誰もいなかった。

「ツールで現在のコンディションのことを考えると、来年はもう5月のレースには出ないと思う。ボクは炎の脚を持ち、上りが自分にとても合っているとわかったんだ。4%くらいの、山岳ではない丘だけどね」と、今年は4月末にリエージュ・バストーニュ・リエージュの落車で頭蓋骨骨折という重傷を負い、5月はレースを休んでいたシャバネルは語った。「最初、ボクはアタックするのを怖れた。ピノーのところに、他の選手を連れて行きたくはなかったからだ。結局彼を捕らえたとき、彼はボクに「先に行け!」と言った。彼はもう消耗していたんだ。ボクたちはこの信じられないようなツール2010の螺旋のなかにいる。チーム一丸でスタートして、すべては完璧だ。スパの区間で行ったことは、滅多にないことだった。しかしこれは2度目だ。なんて素晴らしいことだろう。今、ボクたちは3勝目に挑戦するよ!」と、31歳のシャバネルは喜びを語った。第2ステージで191kmを逃げ切って区間優勝し、マイヨ・ジョーヌを獲得したシャバネルは、3分近いタイム・アドバンテージを持っていたが、翌日の『ミニ・ルーベ』ステージで不運にも2度のパンクで遅れてしまい、たった1日で首位の座を受け渡さなければならなかった。「最後の上りでマイヨ・ジョーヌのことを考え始めた。そして自分自身にこう言ったんだ。失ってしまったのにもう一度取り戻せるなんて大成功だ、と。明日、ボクはこれを守るためにはなんでもする。でも、その闘いは主にコンタドール、シュレック、エバンズに関わることはわかっている。その中心で、ボクはいつも全力を尽くし、それで失ったのなら気にしない。今、ボクは小さな自分の雲の上にいて、ふわふわと浮いていて、それをどう言い表せばいいのかかわらない。でも、ボクは沿道でもどこでも、すごく応援してもらってると思う。それがボクの心を熱くしてくれるのさ」

アルプス2日目の第8ステージは、標高1796mでカテゴリー1のモルズィヌ・アボリアズ山頂にゴールする山岳ステージ。全長13.6km、平均勾配6.1%という最後の難関に挑む直前には、標高1619mでカテゴリー1のラマズ峠も越えなければならない。マイヨ・ジョーヌのシャバネルとマイヨ・アポワのピノーを擁するクイックステップには、正念場のステージになるだろう。そして真にマイヨ・ジョーヌを狙う選手たちの、最初の闘いの場となるのはまちがいない。

■第7ステージ[7月10日/トゥルヌ→スタシオン・デ・ルセ▲▲▲/165.5km]
1 シルバン・シャバネル(クイックステップ/フランス)        +4時間22分52秒
2 ラファエル・バルス(フートン・セルベット/スペイン)             +57秒
3 フアンマヌエル・ガラテ(ラボバンク/スペイン)              +1分27秒
4 トーマ・ボークラー(Bボックス・ブイグテレコム/フランス)        +1分40秒
5 マテュー・ペルジェ(ケスデパーニュ/フランス)              +1分40秒
6 ダニエル・モレノ(オメガファルマ・ロット/スペイン)           +1分40秒
7 ピエリック・フェドリゴ(Bボックス・ブイグテレコム/フランス)      +1分47秒
8 ライダー・ヘスイェダール(ガーミン・トランジションズ/カナダ)      +1分47秒
9 ルベン・プラサ(ケスデパーニュ/スペイン)                +1分47秒
10 エロス・カペッキ(フートン・セルベット/イタリア)            +1分47秒
84 ファビアン・カンチェッラーラ(チームサクソバンク/スイス)       +14分12秒
■第7ステージまでの総合成績
1 シルバン・シャバネル(クイックステップ/フランス)        33時間01分23秒
2 カデル・エバンズ(BMCレーシングチーム/オーストラリア)        +1分25秒
3 ライダー・ヘスイェダール(ガーミン・トランジションズ/カナダ)      +1分32秒
4 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)        +1分55秒
5 アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ/カザフスタン)          +2分17秒
6 アルベルト・コンタドール(アスタナ/スペイン)              +2分26秒
7 ユルフン・バンデンブルーク(オメガファルマ・ロット/ベルギー)      +2分28秒
8 ニコラス・ローチ(AG2R・ラモンディアル/アイルランド)        +2分28秒
9 ヨハン・バンスンメレン(ガーミン・トランジションズ/ベルギー)      +2分33秒
10 デニス・メンショフ(ラボバンク/ロシア)                 +2分35秒

11 ブラッドリー・ウィギンス(チームスカイ/英国)              +2分35秒
12 ロマン・クロイツィーゲル(リクィガス・ドイモ/チェコ)          +3分10秒
13 ルイスレオン・サンチェス(ケスデパーニュ/スペイン )          +3分11秒
14 ランス・アームストロング(チームレディオシャック/米国)         +3分16秒
15 トーマス・ロブクウィスト(チームスカイ/スウェーデン)          +3分20秒
26 カルロス・サストレ(セルヴェロテストチーム/スペイン)          +4分05秒
27 イバン・バッソ(リクィガス・ドイモ/イタリア)              +4分06秒
■マイヨ・ジョーヌ:シルバン・シャバネル(クイックステップ/フランス)
■マイヨ・ベール :トール・ヒュースホーウト(セルヴェロテストチーム/ノルウエー)
■マイヨ・アポワ :ジェローム・ピノー(クイックステップ/フランス)
■マイヨ・ブラン :アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)
■チーム成績   :アスタナ(カザフスタン)
(http://www.letour.fr/)