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【TOUR速報】ガーミンがチームTTを制してヒュースホーウトが首位!

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第98回ツール・ド・フランスは7月3日にレ・ゼザールで23kmのチームタイムトライアルを競い、米国のチームガーミン・セルヴェロが初優勝し、第1ステージで区間3位になっていた世界チャンピオンのトール・ヒュースホーウトがマイヨ・ジョーヌを獲得した。2位には前日に区間2位だったカデル・エバンズを擁するBMCレーシングチーム(米国)が4秒遅れで入ったが、たった1秒及ばすにマイヨ・ジョーヌは獲得できなかった。初日に区間優勝し、この日念願のマイヨ・ジョーヌを着て走ったフィリップ・ジルベールのオメガファルマ・ロットは、39秒遅れの10位でレースを終えた。ジルベールはたった1日でマイヨ・ジョーヌを失ってしまったが、ゴール直後に表彰台の下でヒュースホーウトを祝福していた。

この日は大落車事故の影響で、初日からライバルたちに1分以上の差を付けられてしまったアルベルト・コンタドールのサクソバンク・サンガード(デンマーク)がトップバッターでスタート。しかし、その記録は6番目スタートだったラボバンクサイクリングチーム(オランダ)にあっさり抜かれてしまった。結局サクソバンクは、優勝したガーミンよりも28秒遅れの区間8位に終わり、コンタドールはライバルたちにさらにタイム差を広げられてしまった。一部の報道によると、サクソバンクのビャルネ・リース・マネージャーは、第1ステージの大落車で失ったタイムの救済をレースコミッセールに申請しているというが、おそらく認められることはないだろう。

ノルウエー出身のヒュースホーウトがマイヨ・ジョーヌを獲得するのは2004年、2006年につづいて3度目。この日はめずらしいマイヨ・アポワ姿で走ったが、1999年のアンダー23世界選のTTで優勝しているヒュースホーウトは、2006年にはツールのプロローグも制している。「チームの目標はこのチームTTで優勝して、ボクにマイヨ・ジョーヌを取らせることだった。だからチーム的には今年のツール・ド・フランスはもうこれで成功なのさ。でもボクたちはそれ以上のことを望んでいて、タイラー(ファーラー)にスプリントで区間優勝させたいし、総合で上位を狙う選手もいる。しかし何よりもまず、このマイヨ・ジョーヌを出来る限り長くキープしたいね。ミュール・ド・ブルターニュに上る第4ステージがキツイのはわかっているけどベストを尽くして、そしてスプリントではタイラーをアシストして、その後で自分自身の区間優勝に挑戦するつもりさ。ずっと言い続けているように、マイヨ・ベールは今年の目標ではない。区間1勝出来たら、このツールでは本当にハッピーさ」と、33歳のヒュースホーウトは語っている。

2008年に結成し、4年目のツール挑戦でついにステージ優勝を獲得したガーミンのジョナサン・ボータース・マネージャーは、表彰式で選手たちに抱え上げられ、勝利の喜びを選手たちと分かち合った。「この勝利はチーム全員のためだった。チームにはとても大勢の人間がいて、このためにとても多くの努力を払ってきた。すべてを計算した。とても小さなことまでだ。何度も何度も、すべてが完璧かどうか確認した。最高のタイヤ、最速の自転車...我々はすべてをまちがいなく行うとわかっていた。適切な選手も選んでいた。しかし、完璧に整えた1日ほど、ナーバスになるものだ。仕事はまちがいなかったが、私は予期せぬ出来事が不安になった。子犬が道の真ん中に飛び出してくるのではないかという類いのことをね。しかし、我々は正確にやってのけたんだ! ここには月曜日に来て、このコースは6回走っていた。選手が走る順番については、夜も眠らないで考えたよ。あの選手をここに、この選手をここにってね。それが完璧に機能したのさ!」と、ボータースはかつてポケットマネーで立ち上げたチームの成功を心から喜んでいた。


■第2ステージ結果[7月3日/レ・ゼザール→レ・ゼザール(チームTT)/23km]
1 チームガーミン・セルヴェロ(米国)24分48秒
2 BMCレーシングチーム(米国)+4秒
3 スカイプロサイクリング(英国)+4秒
4 レオパード・トレック(ルクセンブルク)+5秒
5 HTC・ハイロード(米国)+5秒
6 チームレディオシャック(米国)+10秒
7 ラボバンクサイクリングチーム(オランダ)+12秒
8 サクソバンク・サンガード(デンマーク)+28秒
9 プロチームアスタナ(カザフスタン)+32秒
10 オメガファルマ・ロット(ベルギー)+39秒
11 FDJ(フランス)+46秒
12 チームヨーロッパカー(フランス)+50秒
13 AG2R・ラモンディアル(フランス)+53秒
14 クイックステップサイクリングチーム(ベルギー)+56秒
15 リクィガス・キャノンデール(イタリア)+57秒
16 ソール・ソジャスン(フランス)+1分02秒
17 ランプレ・ISD(イタリア)+1分04秒
18 カチューシャチーム(ロシア)+1分04秒
19 モビスターチーム(スペイン)+1分09秒
20 バカンソレイユ・DMCプロサイクリングチーム(オランダ)+1分15秒
21 コフィディス、ルクレディアンリーニュ(フランス)+1分20秒
22 エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)+1分22秒
■第2ステージまでの総合成績
1 トール・ヒュースホーウト(チームガーミン・セルヴェロ/ノルウエー)5時間6分25秒
2 デービッド・ミラー(チームガーミン・セルヴェロ/英国)
3 カデル・エバンズ(BMCレーシング/オーストラリア)+1秒
4 ゲラント・トーマス(スカイ/英国)+4秒
5 リーヌス・ゲルデマン(レオパード・トレック/ドイツ)+4秒
6 フランク・シュレック(レオパード・トレック/ルクセンブルク)+4秒
7 ファビアン・カンチェッラーラ(レオパード・トレック/スイス)+4秒
8 エドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ/ノルウエー)+4秒
9 マヌエル・クインツィアート(BMCレーシング/イタリア)+4秒
10 アンディ・シュレック(レオパード・トレック/ルクセンブルク)+4秒

12 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+4秒
20 アンドレアス・クローデン(レディオシャック/ドイツ)+10秒
22 リーバイ・ライフェイマー(チームレディオシャック/米国)+10秒
23 ヤネシュ・ブライコビッチ(チームレディオシャック/スロベニア)+10秒
27 アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ/カザフスタン)+32秒
30 フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)+33秒
31 ユルフン・バンデブルック(オメガファルマ・ロット/ベルギー)+39秒
47 イバン・バッソ(リクィガス・キャノンデール/イタリア)+57秒
52 ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ISD/イタリア)+1分04秒
75 アルベルト・コンタドール(サクソバンク・サンガード/スペイン)+1分42秒
104 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+2分36秒
■マイヨ・ジョーヌ:トール・ヒュースホーウト(チームガーミン・セルヴェロ/ノルウエー)
■マイヨ・ベール:フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)
■マイヨ・アポワ:フィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット/ベルギー)
*第2ステージはカデル・エバンズ(BMCレーシング)が着用
■マイヨ・ブラン:ゲラント・トーマス(スカイ/英国)
■チーム成績:チームガーミン・セルヴェロ(米国)
(http://www.letour.fr/)