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【ドーピング】バルベルデが2年間の出場停止処分に!

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スポーツ調停裁判所は5月31日、スペインのアレハンドロ・バルベルデ(ケスデパーニュ)に対し、『オペラシオン・プエルト』に関与したことでアンチ・ドーピング・ルールに違反したとし、2年間の競技出場停止処分を決定した。
この事件は、オペラシオン・プエルトに関与した疑いのあるバルベルデに対して、UCI(国際自転車競技連合)が懲罰委員会を開いて調査を行うようにスペイン車連に要請したにもかかわらず、車連がそれを拒否したため、不服としたUCIが、2007年にWADA(世界アンチドーピング機構)とともにスポーツ調停裁判所に訴えていたケースだった。処分は今年1月1日にまでさかのぼって適用され、バルベルデは2011年12月31日まで競技活動を禁止されてしまった。
『オペラシオン・プエルト』は、2006年5月に発覚したスペインの巨大ドーピング・スキャンダルで、スペイン人医師のエウフェミアーノ・フエンテスが中心となり、マドリードで組織的に行われていた血液ドーピングを暴いた事件。当時この組織を捜査していたスペイン治安警備総局が、一斉検挙の際に用いたコードネーム(オペラシオン・プエルト)が通称となっている。イタリアではイバン・バッソやミケーレ・スカルポーニが、フエンテス医師への関与を認めて競技停止処分を受けたが、スペインでは4年が経過した現在でも、この事件は未決のままになっている。
バルベルデには長い間、この『オペラシオン・プエルト』に関与しているという嫌疑がかけられており、2007年8月には、UCIからシュツットガルト世界選への参加を禁止される決定を下されたこともあったが、この時はスポーツ調停裁判所によってUCIの決定は取り消された。
その後、この事件を独自に調査していたイタリア五輪委員会は、2008年にツール・ド・フランスがイタリアに越境した際に行ったドーピング検査で採取したバルベルデの血液のDNAが、『オペラシオン・プエルト』で押収された血液バッグの1つに一致すると断定。昨年5月、イタリア・アンチドーピング法廷はこの情報に基づいて、バルベルデに対してイタリア国内で2年間レースに出場することを禁止する判決を下した。イタリア五輪委員会は、この処分をUCIがイタリア国内のみでなく、世界レベルにまで拡大することを望んでおり、ガゼッタ紙によれば、今回の発表を受けてイタリア五輪委員会のペトゥルッチ会長は「やっとこの長く続いた堂々巡りが解決した。これは道徳と正しさの勝利である」と、語っている。
UCIは「バルベルデの事件に関し、スポーツ調停裁判所が下した決定に満足している。スポーツ調停裁判所の決定に基づき、バルベルデは2011年12月31日までのいかなる自転車イベントにも参加することは許されない。さらに、彼は今年参加したすべての競技に関して失格となり、彼に与えられたポイントはすべて剥奪される。バルベルデはすべての賞金も返還しなければならない。これにより、UCIワールドランキングは変更される」と、発表している。今季バルベルデはすでに5勝(ツール・ド・メディテラネアン総合優勝、バスク一周区間2勝、ツール・ド・ロマンディア区間1勝と総合優勝)していた。UCIとWADAはそれ以前の優勝についても剥奪するように訴えていたが、スポーツ調停裁判所はこれを却下している。