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【Tour速報】ツール第7ステージの集団ゴールスプリントは写真判定でトレンティンが優勝!

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第101回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月11日にエペルネからナンシーまでの234.5kmで第7ステージを競い、イタリアのマッテーオ・トレンティン(オメガファルマ・クイックステップ)がゴールスプリントでマイヨ・ベールのペーテル・サガン(キャノンデール)を下し、昨年につづいて2度目の区間優勝を上げた。

マイヨ・ジョーヌはイタリアチャンピオンのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)が守った。
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第7ステージは189選手がエペルネをスタート。6km地点でスイスチャンピオンのマルティン・エルミーゲル(IAM)と、バルトシュ・フザルスキー(ネットアップ・エンデューラ)がアタックして先行した。

9km地点でマシュー・ブッシュ(トレック)、アレクサンドル・ピショー(ヨーロッパカー)、ニコラ・エデ(コフィディス)、アントニー・ドラプラス(ブルターニュ・セシェ)が合流し、先頭は6人になった。

逃げる6人とのタイム差が25km地点で4分20秒になると、集団ではキャノンデールが先頭に出てコントロールを開始。この日は終盤に2つの丘がつづいてピュアなスプリンター向きのコースではなかったため、ジャイアント・シマノは影を潜めていた。

40km地点でオランダのステフ・クレメント(ベルキン)が落車し、そのままレースを棄権した。ゴールまで残り75km地点では、20歳で今大会最年少だったダニー・ファンポッペル(トレック)もリタイアした。

148km地点の中間スプリントポイントはエルミーゲルが先頭で通過。集団での7位通過争いはブライアン・コカール(ヨーロッパカー)が勝った。
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ゴールまで残り50kmを切ると、集団の先頭には総合を争うチームも姿をあらわした。残り40kmでエデ、ブッシュ、ピショー、ドラプラスの4人は集団に吸収されたが、エルミーゲルとフザルスキーは1分18秒差で先頭を走り続けていた。

しかしこの2人も、ゴールまで残り18kmのマノンの丘で集団に捕まってしまった。マノンの丘はカテゴリー4だったが、ここでアンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)やマルセル・キッテルとジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・シマノ)は集団から脱落してしまった。

マノンの丘では、逃げがつかまってすぐにトーマ・ボークレール(ヨーロッパカー)がアタックを試みたが、すぐに捕まってしまった。

ゴールまで残り16kmで落車が発生し、BMCは総合のエースをつとめるティージェイ・バンガルデレンとダーウィン・アタプマが巻き込まれてしまった。バンガルデレンはチームメートに引かれて集団を追ったが、結局1分以上遅れてゴールした。アタプマはそのままレースを棄権した。
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残り5.5kmで、この日最後のブフレールの丘が始まると、グレッグ・バンアーベルマート(BMC)がアタックし、マイヨ・ベールのサガンが続いた。2人はそのまま集団から先行してブフレールの丘を駆け下りた。

しかし、フラムルージュでリッチー・ポート(スカイ)が引くマイヨ・ジョーヌのグループが2人を捕らえ、最後はゴールスプリントになった。フラムルージュからのカーブを曲がってすぐに先頭グループの後方で落車が発生し、ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル)が巻き込まれてしまった。

先頭はマイヨ・ブランを着たミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ)が引きつづけ、残り200メートルでチームメートのトレンティンがスパートした。

そのすぐ後方で、アンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ)が転倒したが、先頭のトレンティンとサガンの勝負には影響はしなかった。最後は写真判定になり、数センチ差でトレンティンに軍配が上がった。

バンデンブルックとタランスキーには3kmルールが適用されたため、タイムは失わずに済んだ。ファビアン・カンチェッラーラ(トレック)は終盤にパンクで遅れてしまい、総合5位から12位へと後退した。

■ツールで2年連続区間優勝したトレンティンのコメント「僅差だった。ボクはたった数センチで勝った。この難しいゴールと落車でとてもナーバスだったが、自分の後ろで起きていることにはまったく気が付かなかった。驚くべきは、今朝ボクは調子がいいと感じてもいなかったんだ。脚の調子もよくなかったし、150km走ったときには最後の2つの上りをうまく越えられると思っていなかった。けれど道すがら調子が上がっていって、最初の上りでは、可能だと気が付いたのさ」

ツール1週目の週末は、ボージュ山脈での山岳ステージが設定されている。7月12日は、トンブレーヌからジェラールメールのラ・モーズレーヌ峠までの161kmで、今年最初の頂上ゴールとなる第8ステージが競われる。

上り坂は終盤に集中し、142km地点から7.6kmつづくクロワ・デ・モワナ峠(カテゴリー2)がスタート。その後、最大勾配が16%のグロス・ピエール峠(カテゴリー2)を越え、カテゴリー3のラ・モーズレーヌ峠頂上にゴールする。

ラ・モーズレーヌ峠は1.8kmと短いが、平均勾配は10.3%。残り1kmには13%の難所が待ち受けている。(MAP:ASO)
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■第7ステージ結果[7月11日/エペルネ~ナンシー/234.5km]

1 マッテーオ・トレンティン(オメガファルマ・クイックステップ/イタリア)5時間18分39秒

2 ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

3 トニ・ガロパン(ロット・ベリソル/フランス)

4 トム・ドゥムラン(ジャイアント・シマノ/オランダ)

5 サイモン・ゲランズ(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)

6 ダニエル・オス(BMC/イタリア)

7 シリル・ゴチエ(ヨーロッパカー/フランス)

8 シルバン・シャバネル(IAM/フランス)

9 セプ・バンマルク(ベルキン/ベルギー)

10 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)

12 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)

16 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)

21 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)

43 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+1分03秒

93 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+3分39秒

■第7ステージまでの総合成績

1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)29時間57分04秒

2 ヤコブ・フグルサン(アスタナ/デンマーク)+2秒

3 ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)+44秒

4 ミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)+50秒

5 ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル/ベルギー)+1分45秒

6 トニ・ガロパン(ロット・ベリソル/フランス)+1分45秒

7 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+1分54秒

8 アンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ/米国)+2分05秒

9 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+2分11秒

10 ロマン・バルデ(AG2R/フランス)+2分11秒

12 ファビアン・カンチェッラーラ(トレック/スイス)+2分20秒

16 アルベルト・コンタドール(ティンコフ・サクソ/スペイン)+2分37秒

18 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+3分14秒

111 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+35分32秒

[各賞]

■マイヨ・ベール:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

■マイヨ・アポワ:シリル・ルモワン(コフィディス/フランス)

■マイヨ・ブラン:ペーテル・サガン(キャノンデール/スロバキア)

*第8ステージはミハウ・クウィアトコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ/ポーランド)が着用

■チーム成績  :アスタナ(カザフスタン)

■今日の敢闘賞 :マルティン・エルミーゲル(IAM/スイス)

(http://www.letour.fr/)