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ブエルタは第19ステージでロドリゲスが区間優勝し、ホーナーが総合首位

レース

第68回ブエルタ・ア・エスパーニャは、9月13日にサン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラからオビエドのアルト・デル・ナランコまでの181kmで第19ステージを競い、カテゴリー1の頂上ゴールの残り1kmからロングアタックを決めた地元スペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が区間優勝した。2位はイタリアのディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ)、3位はロドリゲスのチームメートのダニエル・モレノ(カチューシャ)だった。米国のクリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード)はマイヨ・ロホのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)よりも6秒早くゴールし、3秒差を逆転して総合首位の座に付いた。
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第19ステージは148選手が出走。スタートしてすぐに山岳賞ジャージを着たフランスのニコラ・エデ(コフィディス)がアタックし、18人の選手が逃げ出した。5km地点でさらに2人が合流し、先頭は20人になった。しかし、この日の逃げは2分半前後のタイム差でコントロールされ、逃げ切ることはできなかった。

途中、ジョニー・ホーヘルラント(バカンソレイユ・DCM)とマクシム・イグリンスキー(アスタナ)がリタイア。これでバカンソレイユ・DCMはチーム成績が与えられる最少人数の3人になってしまった。そしてアスタナが1人欠けたことで、今年のジロで9選手が全員生き残っているのは、地元スペインのエウスカルテル・エウスカディだけになった。

ゴールへと向かうアルト・デル・ナランコ峠が始まると、ジョゼジョアン・メンデス(ネットアップ・エンデューラ)がアタックして先行したが、集団はチームサクソ・ティンコフが引き、フラムルージュの手前で捕まえた。その瞬間にアタックしたのはニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ)で、ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ)が反応したが、その後ろから飛び出したロドリゲスがあっという間に2人を抜き去って先頭に立った。ロドリゲスは瞬く間にライバルたちに差をつけると、独走でゴールへと飛び込んだ。

「こればボクが望んでいたものだ。信じられないかもしれないが、チームメートたちがあまりにも速く引きすぎるから、ボクは2~3回彼らに引くのを止めるように言ったんだ。ゴールはボクにとって十分にキツい坂ではなく、自分の強さに自信が持てなかったんだ。けれど、ボクが勝つという小さな希望のために、チームは0kmからずっと働いてくれた。すごく幸せだよ」と、ブエルタで8度目の区間優勝を勝ち取ったロドリゲスは喜びを語っている。
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今年のブエルタでホーナーは、第2ステージで区間優勝して総合首位に立ち、マイヨ・ロホを獲得したが、1日だけでニーバリに奪われた。それを第10ステージで奪い返したが、休養日明けの第11ステージでふたたびニーバリに取り返されていたため、これが3度目の獲得だった。「3度目の正直と言うから、明日は脚の調子がよくてこのジャージが守れることを願っている。タイム差はほとんどなく、ニーバリはとても強い選手だ。それにバルベルデも調子がよく、彼はボクが自分のキャリアを通してずっと注目している優勝候補の1人だった。もちろん、彼はボクよりも少し若い。だからボクは彼の経歴をずっと見ていて、彼の戦略を楽しんでいる。ロドリゲスは以前チームメートだったから、よく知っているし、彼とレースできることを楽しんでいるよ」と、ホーナーは最後の闘いに向けての抱負を語っている。

いよいよ今年のブエルタも残り2ステージ。14日は魔の山アングリルで最後の決戦が行われる。マイヨ・ロホを獲得したホーナーとニーバリのタイム差はたった3秒、アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)は1分6秒差、ロドリゲスは1分57秒差だ。「アングリルはクライマーにとって最高のフィナーレだ。そこに印を残すことはとても特別なのさ。今日の勝利はものすごいモチベーションになる。ライバルたちはとても疲れている。アングリルは容赦がないから、すべてを変えることができる。表彰台に上がるために戦うよ。夢を見ようよ。けれど、ニーバリをのけ者にはできないよ」と、ロドリゲスは語っている。
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■第19ステージ結果

[9月13日/サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ~オビエド/アルト・デル・ナランコ/181km]

1 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)4時間16分13秒

2 ディエゴ・ウリッシ(ランプレ・メリダ/イタリア)+11秒

3 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+11秒

4 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+11秒

5 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)+14秒

6 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+14秒

7 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+16秒

8 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+20秒

9 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+20秒

10 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+23秒

12 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+33秒

22 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+1分05秒

■第19ステージまでの総合成績

1 クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)77時間56分05秒

2 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+3秒

3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+1分06秒

4 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+1分57秒

5 ニコラス・ローチ(サクソ・ティンコフ/アイルランド)+3分49秒

6 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+6分00秒

7 レオポルド・ケーニヒ(ネットアップ・エンデューラ/チェコ)+6分38秒

8 ティボー・ピノ(FDJ.fr/フランス)+7分02秒

9 サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)+7分45秒

10 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+11分05秒

[各賞]

■ポイント賞:アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)

■山岳賞:ニコラ・エデ(コフィディス/フランス)

■コンビネーション賞:クリストファー・ホーナー(レディオシャック・レオパード/米国)

■チーム成績:エウスカルテル・エウスカディ(スペイン)

(http://www.lavuelta.com/)