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荒サイからサイクリストが締め出されるってホント!?【追記あり】

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「自転車は徐行し、歩行者を優先しましょう」--。国土交通省の荒川下流河川事務所はこのほど、河川敷利用ルールの改定案を示した。同事務所が管轄する、笹目橋から荒川河口までの河川敷には荒サイ(荒川サイクリングロード)と通称される河川敷道路があるが、同案では自転車利用について従来の「時速20km以下で走ること」とする規定を改め、マナーとして徐行し、歩行者を優先するよう求めている。

日本経済新聞は9月6日付記事で「事実上スポーツ走行は禁止」と報道。この通りであれば、サイクリストは荒サイから締め出されることになるが、一方で国交省が示した改定案の資料には、「マナーは強制ではない」とする記述もある。

現在の利用ルールは2010年4月に導入。「時速20km以下で走行」の規定は自転車による事故を減らすために盛り込まれた。一部の路面にラインを引き、自転車を誘導して歩行者と分離する試みも行なわれているが、歩行者らの安全確保は依然として課題だ。

今回の改定案について、一般社団法人グッド・チャリズム宣言プロジェクトの瀬戸圭祐理事は「荒サイの全区間で徐行するよう求めていると読めるが、そばに歩行者がいる場合や、例えば野球場のホームベース裏に面した部分や横断歩道など、特に人の往来が多い場所に限定するべき」と指摘する。

「サイクリストは快走できる道を求めて荒サイにやってくる。全区間に規制の網をかける方法では、結局は死文化しルールとして機能しなくなってしまうのではないか。歩行者らの安全を守るためにも、メリハリのある規制が求められる。また、人の往来が多い場所では、徐行を示す表示を路面に導入することも必要だ」(瀬戸氏)

 

国交省は改定案にもとづく新たな利用ルールを11月から導入する計画だが、これに先立ち改定案への意見募集(パブリックコメント)を電子メール、FAX、郵送で9月30日(月)まで受け付けている。(斉藤円華)

 

 

荒サイ路面の速度規制表示(2008年12月)

※荒川下流河川敷利用ルールの改定案への意見募集(PDFファイル