ニュース

【現地速報】カンチェッラーラがE3プレイス独走で連覇

レース


春のクラシックシーズン真っ盛りのベルギーで開催されたE3プレイス・ハールビーク(UCIヨーロッパツアー1.HC)で、スイスのファビアン・カンチェッラーラ(レオパード・トレック)が、昨年と同じく独走で優勝し、2連覇を果たした。2位争いのゴールスプリントは地元ベルギーのユルフン・ルーランツ(オメガファルマ・ロット)が制し、3位にはウラジミール・グセフ(カチューシャチーム)が入った。

カンチェッラーラはこの日不運が続いた。2度のパンクと2度のメカニック・トラブルに見舞われ、サポートのチームカーは隊列後方の23番目という不運も重なってしまった。ディフェンディングチャンピオンは何度も集団から遅れてしまい、誰もが連覇は難しいのではと疑っていた。しかし、カンチェッラーラの不屈の魂はけっして折れなかった。残り33km、オウドクワルモントでメイン集団からアタックすると、すぐに前を走っていた追走集団に追いつき、残り22kmで先頭集団に合流。飛び出したブラム・タンキンク(ラボバンク)を残り13kmでとらえると、そのままお得意の独走を開始し、後続に1分差を付けてハールビークのゴールへと飛び込んだ。

「去年の勝利より特別だった。今日はたくさんの不運に見舞われたからね。パンク2回、自転車も交換した。無線がなかったから大変だったんだ。チームカーは23番目で、1台は先頭集団に行っていた。無線なしでレースをするのはとても難しい」と、カンチェッラーラはTVのインタビューでも記者会見でも、現在深刻な問題となっているUCIの無線禁止ルールを皮肉った。この日は選手たちが無線問題への抗議行動として、UCIヨーロッパツアーのレースでは使用を禁止されている無線を使うのではないかという噂が流れていたが、結局それは回避されていた。「今日は自信を持つためにも、本当に勝ちたいと思っていた。この調子で連覇、連覇を続けていきたい」カンチェッラーラはE3プレイスの翌日に開催されるUCIワールドツアーのゲント・ベベルゲムには参加せず、故郷スイスに帰ることになっている。「明日の朝、スイスに帰るよ。そして日曜日をゆっくり楽しんで、月曜日からまたトレーニングする。金曜日には記者会見があるから、ベルギーに戻ってくる予定だよ」

昨年からゲント・ベベルゲムは、ロンド・バン・ブラーンデレンの1週間前の日曜日に日程が変更になったため、前日開催のE3プレイスとトップ選手を食い合う問題が生じている。連戦するのはキツいため、ロンドの調整としてカンチェッラーラはE3プレイスを選んだが、トム・ボーネン(クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(オメガファルマ・ロット)はUCIワールドツアーのゲント・ベベルゲムを選択したため、今日は参加しなかった。「誰が出ているとかいないとかは考えなかった。今日はただ、自分のことだけを考えていたよ。クリテリウム・アンテルナシオナルではフランク・シュレックが勝ったし、チームにとって今日はパーフェクトな日だった」この日、ディフェンディング・チャンピオンのカンチェッラーラは、スタート前に主催者から体重分のワインをプレゼントされた。出走サインが行われたステージに特設された体重計で測った彼の体重は91kg。なんと75本ものワインを獲得している。「今日はスタート前にたくさんワインをもらったから、夜はチームのみんなと飲むつもりだよ...1本か2本だけどね」と、カンチェッラーラは笑っていた。


■E3プレイス・ハールビーク[UCIヨーロッパツアー1.HC/ベルギー/202km]
1 ファビアン・カンチェッラーラ(レオパード・トレック/スイス)4時間34分49秒
2 ユルフン・ルーランツ(オメガファルマ・ロット/ベルギー)+1分00秒
3 ウラジミール・グセフ(カチューシャチーム/ロシア)+1分00秒
4 セプ・バンマルク(ガーミン・セルヴェロ/ベルギー)+1分00秒
5 ブラム・タンキンク(ラボバンク/オランダ)+1分00秒
6 ウイリアム・ボネ(FDJ/フランス)+1分01秒
7 ハインリッヒ・ハウスラー(ガーミン・セルヴェロ/オーストラリア)+1分06秒
8 セバスティアン・イノー(AG2R・ラモンディアル/フランス)+1分06秒
9 ステュアート・オグレディ(レオパード・トレック/オーストラリア)+1分06秒
10 セルゲイ・イワノフ(カチューシャチーム/ロシア)+1分06秒