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【ツール速報】 第4ステージは集団ゴールでペタッキ2勝目

レース

第97回ツール・ド・フランスは、7月7日にカンブレからランスまでの153.5kmで第4ステージを競い、イタリアのベテランスプリンター、アレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ・ファルネーゼビーニ)が、第1ステージに続いて今大会2度目の区間優勝をマークした。2位はジュリアン・ディーン(ガーミン・トランジションズ)、3位はエドワルド・ボアソンハーゲン(チームスカイ)だった。ペタッキとの新旧スーパースプリンター対決が期待されていたマーク・カベンディッシュ(チームHTC・コロンビア)は、チームメートの働きに報いることができず、区間12位で終わっている。日本の新城幸也(Bボックス・ブイグテレコム)は区間54位だった。大集団でのゴールで総合に変動はなく、マイヨ・ジョーヌはスイスのファビアン・カンチェッラーラ(チームサクソバンク)が守った。

開幕以来落車続きのツールだが、第4ステージに不出走はなく、189選手が快晴のカンブレをスタート。1.5km地点でAG2R・ラモンディアルのディミトリ・シャンピオンがアタックし、ニコラ・ボゴンディ(Bボックス・ブイグテレコム)、フランシス・ドゥフリーフ(オメガファルマ・ロット)、イニアキ・イサシ(エウスカルテル・エウスカディ)、イバン・マヨス(フートン・セルベット)が加わって5人で逃げ集団を形成した。25km地点で5人のタイム差は3分50秒にまで広がったが、サクソバンクがコントロールする集団は、それ以上のアドバンテージを許さなかった。32km地点でエウスカルテル・エウスカディのアメツ・チュルカが落車し、右ヒジを負傷したが、集団に復帰した。

5人は終盤まで数十秒差で泳がされつづけたが、ゴールまて残り3kmでメイン集団に飲み込まれた。最後はHTC・コロンビアがカベンディッシュのためにスプリントのお膳立てを試みたが、ペタッキが念願だったトラブルのない正真正銘の大集団でのゴール勝負を制した。彼は大落車があったスプリントを制して優勝した第1ステージのインタビューで「もし今日カベンディッシュがいたとして、彼がボクを打ち負かしただろうとは思わない。ボクは本当に素晴らしいスプリントをしたからだ」と、豪語していたが、それはけっして老獪なベテランのブラフではないことを証明したのだ。

「今日ボクはすべての状況で勝てることを証明した。ボクは多かれ少なかれ、ブリュッセルの勝利は年老いた男の勝ち方だというコメントを耳にしていた。でも今回は落車の恩恵はなかったからね。ボクはチームに感謝している。彼らのおかげで、ボクはこのレベルでふたたびレースに参加できるからだ。今は2勝して、うちに帰ることを考えられる。ボクの仕事は終わったと思うからだ。ツールで2勝すれば、もう上出来だよ。しかも、第1ステージの後でオスカル・フレイレと話したんだが、彼が言うには、ボクはもう十分にツールというものを味わいつくしているのだから、他のことはボーナスみたいなものなんだと。でも、ボクはそうは思っていない。ボクはここに区間を勝ちに来ていて、それを挑戦しつづけるよ」と、2勝目を上げた36歳のペタッキは語っている。かつてのような列車がなくてもスプリントで勝てることについては、こう説明している。「ボクはファッサボルトロの時代と同じではない。もう何年間も、最後に1人になっていることに何度も直面していて、その状況を受け入れなければならなかったんだ。残り200メートルからスプリントしなければならかったから、ボクは経験をたくさん積めたのさ。だから今、この方法での走り方も知っている。今日ボクは、自分自身をカベンディッシュの列車に乗せた。けれど、もっとレースで勝つためには、列車を強化させるためにチームが働かなければならないのも事実だ。このレースのレベルでは、他のチームはとてもレベルが高いので、そうすることはマネジャーのジュゼッペ・サロンニが目指していることでもあるんだ」

■第4ステージ[7月7日/カンブレ→ランス/153.5km]]
1 アレッサンドロ・ペタッキ(ランプレ・ファルネーゼビーニ/イタリア) 3時間34分55秒
2 ジュリアン・ディーン(ガーミン・トランジションズ/ニュージーランド)
3 エドワルド・ボアソンハーゲン(チームスカイ/ノルウエー)
4 ロビー・マキュアン(チームカチューシャ/オーストラリア)
5 ロバート・ハンター(ガーミン・トランジションズ/南アフリカ)
6 セバスティアン・テュルゴー(Bボックス・ブイグテレコム/フランス)
7 ホセホアキン・ロハス(ケスデパーニュ/スペイン)
8 ダニエル・オス(リクィガス・ドイモ/イタリア)
9 トール・ヒュースホーウト(セルヴェロテストチーム/ノルウエー)
10 オスカル・フレイレ(ラボバンク/スペイン)
■第4ステージまでの総合成績
1 ファビアン・カンチェッラーラ(チームサクソバンク/スイス)    18時間28分55秒
2 ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)                   +23秒
3 カデル・エバンズ(BMCレーシングチーム/オーストラリア)          +39秒
4 ライダー・ヘスイェダール(ガーミン・トランジションズ/カナダ)        +46秒
5 シルバン・シャバネル(クイックステップ/フランス)            +1分01秒
6 アンディ・シュレック(チームサクソバンク/ルクセンブルク)        +1分09秒
7 トール・ヒュースホーウト(セルヴェロテストチーム/ノルウエー)      +1分19秒
8 アレクサンドル・ヴィノクロフ(アスタナ/カザフスタン)          +1分31秒
9 アルベルト・コンタドール(アスタナ/スペイン)              +1分40秒
10 ユルフン・バンデンブルーク(オメガファルマ・ロット/ベルギー)      +1分42秒
■マイヨ・ジョーヌ:ファビアン・カンチェッラーラ(チームサクソバンク/スイス)
■マイヨ・ベール :トール・ヒュースホーウト(セルヴェロテストチーム/ノルウエー)
■マイヨ・アポワ :ジェローム・ピノー(クイックステップ/フランス)
■マイヨ・ブラン :ゲラント・トーマス(チームスカイ/英国)
■チーム成績   :チームサクソバンク(デンマーク)
(http://www.letour.fr/)