ニュース

ピレネー最終日のツール・ド・フランス2019第15ステージはS・イェーツが2勝目/アラフィリップがマイヨ・ジョーヌ死守!

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)
 
第106回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月21日にリムーからフォワのプラ・ダルビス山頂までの185kmでカテゴリー1頂上ゴールの第15ステージを競い、英国のサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が独走で逃げ切って、第12ステージに続いて今大会2勝目を上げた。

区間2位には前日のツールマレー頂上ゴールを制したフランスのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)、3位にはスペインのミケル・ランダ(モビスターチーム)が入った。ピノーは総合6位から4位へと上がり、ランダは総合11位から7位になった。

マイヨ・ジョーヌを着た地元フランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)は、ゴールまで残り5kmでピノーのグループに付いて行けず、遂に限界を見せたが、1分49秒遅れの区間11位でゴールし、総合首位の座を守ることができた。


今年のツールは2週目のピレネー山岳ステージを終え、フランスのアラフィリップがマイヨ・ジョーヌを守り、ディフェンディングチャンピオンである英国のゲラント・トーマス(チームイネオス)が1分35分遅れで総合2位、オランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームユンボ・ビスマ)が1分47秒遅れで総合3位という展開になった。

ポイント賞のマイヨ・ベールはスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)が284ポイントで総合首位を独走。2位のソンニ・コルブレッリ(バーレーン・メリダ)は191ポイント、3位のマイケル・マシューズ(チームサンウェブ)は187ポイントだ。

山岳賞のマイヨ・アポワはベルギーのティム・ウェレンス(ロット・スーダル)が64ポイントを獲得して総合首位を守り続けているが、カテゴリー超級ゴールのツールマレーで40ポイントを稼いだピノーが14ポイント差で迫ってきている。

新人賞のマイヨ・ブランは総合5位に付けているコロンビアのエガン・ベルナル(チームイネオス)が着用し、最終週に突入する。


7月22日は南仏のニームで2度目の休養日を過ごし、選手たちは最終週のアルプス山岳ステージに向けてつかの間の休息を取る。幸いアルプスはまだ先で、休養日明けの第16ステージはカテゴリー4の丘が1つあるだけのスプリンター向きのステージだ。
 
 
フランスのアラフィリップが過酷なピレネー山岳区間でマイヨ・ジョーヌを守り切った (©Bettiniphoto)
フランスのアラフィリップが過酷なピレネー山岳区間でマイヨ・ジョーヌを守り切った (©Bettiniphoto)

ピレネー最終日にビッグネームがアタック

●第15ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)
●第15ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)
●第15ステージのマイヨ・ジョーヌ(インドゥライン)
●第15ステージのマイヨ・ジョーヌ(インドゥライン)
第15ステージは164選手が出走。オフィシャルスタートからアタックが続いたが、40km地点でもまだ逃げは成功しなかった。最初の1時間の平均時速は47km/hで、マイヨ・アポワを着たベルギーのウェレンスは早々に集団から遅れ始めていた。

カテゴリー2のモンセギュール峠の登坂が始まり、55km地点で28人の逃げが形成された。この逃げには総合争いから後退したヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)、ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)、そしてサイモン・イェーツが加わっていた。

60.5kmの山頂はマイケル・ウッズ(EFエデュケーションファースト)が先頭で通過し、ニバリ、バルデが続いた。集団は2分半遅れていた。下りで先頭の逃げ集団には更に選手が合流し、36人になった。その中にはマシューズも入っていた。この日の逃げに誰も加わっていなかったのは、チームイネオス、ドゥクーニンク・クイックステップ、ロット・スーダルだけだった。

93.5km地点の中間スプリント地点はマシューズが先頭で通過し、20ポイントを獲得したが、マイヨ・ベールのサガンのポイントには到底及ばなかった。ゴールまで残り85kmで、逃げと集団のタイム差は3分半になっていた。

後半に入り、ゴールまで残り64.5kmのポール・ド・レール峠(カテゴリー1)はバルデが先頭で通過。集団との差は5分以上に開いた。9.3km続くミュール・ド・ペゲール峠(カテゴリー1)の中腹で、先頭の逃げからシモン・ゲシュケ(CCCチーム)がアタックし、独走を開始。集団ではドゥクーニンク・クイックステップが先頭を引き、タイム差を縮めていった。山頂まで残り3.6kmで18%の急勾配が始まったが、ゲシュケは先頭を単独で走り続けた。追走グループは36秒後方で、メイン集団とのタイム差は3分50秒になっていた。

ミュール・ド・ペゲール峠でメイン集団からランダがアタック。ヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム)が付いていこうとしたが、すぐに置いていかれてしまった。ゴールまで残り38kmのミュール・ド・ペゲール峠の山頂はゲシュケが先頭で通過したが、ここでサイモン・イェーツに追いつかれてしまった。15秒遅れの追走グループはバルデ、キンタナ、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナプロチーム)、セバスチャン・ライヘンバッハ(グルパマ・FDJ)の4人だった。

メイン集団から単独で抜け出したランダには、逃げに加わっていたマルク・ソレルとアンドレイ・アマドール(モビスターチーム)がアシストに付き、3人で先頭を追走した。ゴールまで残り22kmで、先頭はサイモン・イェーツとゲシュケ、58秒遅れでバルデとキンタナのグループ、2分17秒遅れでランダのグループ、3分24秒遅れでメイン集団という展開になった。

ゴールまで残り11.8kmで、この日のゴール地だったフォアのプラ・ダルビス(カテゴリー1)登坂がスタートした時、先頭の2人は10人に増えた追走グループに1分半以上のタイム差を付け、30人ほどに絞られたマイヨ・ジョーヌ集団との差は3分以上あった。

残り9.6kmでランダは追走グループに追いついたが、先頭の2人とのタイム差は1分半から縮まっていなかった。先頭では残り8.7kmでサイモン・イェーツがアタックし、独走でゴールを目指した。追走グループはランダが先頭を引き、キンタナが遅れてしまった。ランダの加速にバルデも遅れ始め、ついて行けたのはレナード・ケムナ(チームサンウェブ)だけだった。

マイヨ・ジョーヌ集団はチームユンボ・ビスマがコントロールしていたが、残り7.4kmでダヴィド・ゴデュ(グルパマ・FDJ)が先頭を引き始めた。そして残り6kmでピノーがアタックし、マイヨ・ジョーヌのアラフィリップ、マイヨ・ブランのベルナル、エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ)は応戦できたが、トーマスとクラウスウェイクはついて行けなかった。

マイヨ・ジョーヌのアラフィリップが遅れた!

(photo : ASO/Pauline BALLET)
(photo : ASO/Pauline BALLET)

そして残り5kmで、遂にマイヨ・ジョーヌのアラフィリップもピノーの加速に耐えられず遅れてしまった。彼はトーマスの集団にも留まることができず、単独でゴールを目指した。ピノはアタックを続け、ブッフマンとベルナルも振り落とし、先行していたランダに追いついた。

山頂のゴール地点では雨が降り出したが、先頭ではサイモン・イェーツが何事もなく一人旅を終え、後続に33秒差を付けてフィニッシュラインを通過した。ピノーは区間2位で6秒、ランダは区間3位で4秒のボーナスタイムを獲得することができた。

総合2位のトーマスと総合3位のクラウスウェイクは1分22秒遅れで一緒にゴール。孤軍奮闘したアラフィリップは、その27秒後にゴールし、ピレネーで総合首位の座を何とか守り切ることができた。


■今大会2勝目を上げたサイモン・イェーツのコメント
「この区間2勝目はとても誇らしい。最初の勝利とはちょっと違っている。ボクたちはスタートからゴールまで全速力でレースした。山岳賞は狙っていない。ボクはこのツールに兄弟をサポートするために来て、できれば区間優勝するためでもあった。今、ボクは2ステージ勝ったから、チームの為に働くことに専念するだろう」

■ピレネー最終区間でマイヨ・ジョーヌを何とか守り切ったアラフィリップのコメント
「ボクたちはこれが困難な一日になるだろうとわかっていた。ボクは(昨日の)ゴールでスパートした代償を支払った。今日はちょっとタイムを失うだろうと思っていた。まだマイヨ・ジョーヌで居られて嬉しいよ。ボクは戦いに最善を尽くし、リードを保った。夢はまだ続いている。ボクは決して優勝候補ではなかったし、最も困難なものはまだ来ていない」
 
 
(photo : ASO/Thomas MAHEUX)
(photo : ASO/Thomas MAHEUX)

■第15ステージ結果[7月21日/リムー~フォワ(プラ・ダルビス)/185 km]
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 04H 47' 04''
2. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 33''
3. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) + 33''
4. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 51''
5. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) + 51''
6. LENNARD KÄMNA (TEAM SUNWEB / GER) + 01' 03''
7. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 01' 22''
8. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO - VISMA / NED) + 01' 22''
9. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01' 22''
10. RICHIE PORTE (TREK - SEGAFREDO / AUS) + 01' 30’’

11. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK - QUICK - STEP / FRA) + 01' 49''
14. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) + 01' 54''
18. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 02' 58''
19. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 02' 58''
20. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 02' 58''

■第15ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK - QUICK - STEP / FRA) 61H 00’ 22’’
2. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 01’ 35’’
3. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO - VISMA / NED) + 01’ 47’’
4. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 01’ 50’’
5. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) + 02’ 02’’
6. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 02’ 14’’
7. MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) + 04’ 54’’
8. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 05’ 00’’
9. JAKOB FUGLSANG (ASTANA PRO TEAM / DEN) + 05’ 27’’
10. RIGOBERTO URAN (EF EDUCATION FIRST / COL) + 05’ 33’’

11. RICHIE PORTE (TREK - SEGAFREDO / AUS) + 06’ 30’’
13. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)     + 08’ 28’’
19. ROMAIN BARDET (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 27’ 12’’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL)
■チーム成績(黄色ゼッケン):MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞(赤ゼッケン): MIKEL LANDA (MOVISTAR TEAM / ESP) 

ツール・ド・フランス公式サイト
 
(photo : ASO/Pauline BALLET)
(photo : ASO/Pauline BALLET)
敢闘賞はランダが獲得した (photo : ASO/Alex BROADWAY)
敢闘賞はランダが獲得した (photo : ASO/Alex BROADWAY)

第15ステージのハイライト映像




ツール・ド・フランス2019公式ガイドブック