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ツール・ド・フランス2019 第11ステージはユアンが区間初優勝

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)
 
第106回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、休養日明けの2019年7月17日にアルビからトゥールーズまでの167kmで第11ステージを競い、オーストラリアのケイレブ・ユアン(ロット・スーダル)が、集団ゴールスプリントでオランダのディラン・フルーネウェーヘン(チームユンボ・ビスマ)を僅差で打ち負かし、待望の区間初優勝を成し遂げた。彼はこれで、3大ツアー全てで区間優勝した選手になった。

区間3位にはイタリアのエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が入った。マイヨ・ジョーヌはフランスのジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が守った。
 
(photo : ASO/Alex BROADWAY)
(photo : ASO/Alex BROADWAY)

終盤の落車でテルプストラがリタイア 

●第11ステージのコースプロフィール(MAP : ASP)
●第11ステージのコースプロフィール(MAP : ASP)
●第11ステージのマイヨ・ジョーヌ(ツール・ド・フランス5回優勝限定クラブのメンバー4人)
●第11ステージのマイヨ・ジョーヌ(ツール・ド・フランス5回優勝限定クラブのメンバー4人)
休養日明けの第11ステージは170選手が出走。ドイツのリック・ツァベル(チームカチューシャ・アルペシン)は、インフルエンザに罹ってスタートしなかった。この日も快晴で、気温は32度Cだった。

スタートしてすぐにアントニー・ペレスとステファヌ・ロセット(コフィディス)、リリアン・カルメジャーヌ(トタル・ディレクトエネルジー)、エメ・デヘント(ワンティ・ゴベール)の4人がアタック。集団は追わず、逃げは3.5km地点で2分差を付けた。

32km地点のカテゴリー3の丘と、70km地点のカテゴリー4の丘は、どちらもペレスが先頭で通過。87km地点の中間スプリント地点も彼が1位通過だった。この日は集団ゴールスプリントに持ち込みたいチームが集団をコントロールし、タイム差は大きく広がらなかった。中間スプリント地点をヴィヴィアーニが先頭で通過した時、逃げと集団のタイム差は2分半だった。

ヴィヴィアーニの後方で5位通過したスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)は10ポイントを稼ぎ、この時点で第11ステージも完走すればポイント賞総合首位の座を守れることが確定した。集団はじわじわと逃げを追い詰め、残り50km地点でタイム差は1分になった。

集団ではゴールまで残り31km地点で大きな落車事故が発生し、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)、リッチー・ポートとジューリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)、ティシュ・ベノート(ロット・スーダル)、ジャコモ・ニッツォーロ(チームディメンションデータ)、ニキ・テルプストラ(トタル・ディレクトエネルジー)らが巻き込まれてしまった。テルプストラは路面に座り込んだまま動くことができず、そのままレースを棄権した。

キンタナとポートはチームメートの働きで無事集団に戻ることができたが、チッコーネは追走することができず、集団との差はどんどん開いていった。結局彼はこの日、12分3秒遅れの最下位でゴールした。

集団とのタイム差が11秒にまで減った残り11km地点で、逃げからTTが得意なエメ・デヘントがアタックし、独走を開始。タイム差を一時40秒台にまで広げて逃げ続けた。ゴールまで残り9.7kmで、集団ではヤスペル・デブイスト(ロット・スーダル)が路肩の溝に落ちてしまい、ユアンはスプリントの発射台を失った。

エメ・デヘントはゴールまで残り4.5kmで吸収されたが、主催者招待枠チームのワンティ・ゴベールに今年のツールで2つ目の敢闘賞をもたらすことができた。

最後はチームユンボ・ビスマが先頭を引き続け、フルーネウェーヘンが最初にスパートしたが、その後方から飛び出したユアンがフィニッシュラインで並んでハンドルを投げ出した。写真判定の結果、ユアンが初優勝を手中に収めた。


■ツールで区間初優勝を果たしたユアンのコメント
「信じられない。これまでやった4回のスプリントではあと一歩で終わっていた。でも、チームは決してボクへの信頼を失わず、ボクも決してチームへの信頼を失わなかった。全てがうまくいけば、その日自分が最速になれることはわかっていた。残り10kmで(発射台の)デブイストが落車した。ボクはその時、集団後方にいた。でも、クルーゲがボクの為に下がってきて、残り1kmでフルーネウェーヘンの後方まで戻してくれたんだ。幸運なことに、ボクには最後に仕上げる脚があった。

子供の頃の夢が実現した。子供の時に勝ちたかったレースは他にはなかった。ツールはオーストラリアからそれほど離れた場所にあり、ボクたちにとってはTVで観るしかないものだった。素晴らしいよ!」
 
(photo : ASO/Alex BROADWAY)
(photo : ASO/Alex BROADWAY)
 
■第11ステージ結果[7月17日/アルビ〜トゥールーズ/167 km]
1. CALEB EWAN (LOTTO SOUDAL / AUS) 03H 51' 26''    
2. DYLAN GROENEWEGEN (TEAM JUMBO - VISMA / NED)    
3. ELIA VIVIANI (DECEUNINCK - QUICK - STEP / ITA) 
4. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)    
5. JENS DEBUSSCHERE (TEAM KATUSHA ALPECIN / BEL)
6. SONNY COLBRELLI (BAHRAIN - MERIDA / ITA)
7. JASPER PHILIPSEN (UAE TEAM EMIRATES / BEL)
8. CEES BOL (TEAM SUNWEB / NED)
9. ALEXANDER KRISTOFF (UAE TEAM EMIRATES / NOR)
10. WARREN BARGUIL (TEAM ARKEA - SAMSIC / FRA)
169. GIULIO CICCONE (TREK - SEGAFREDO / ITA) + 12' 03’

■第11ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ)
1. JULIAN ALAPHILIPPE (DECEUNINCK - QUICK - STEP / FRA) 47H 18’ 41’’
2. GERAINT THOMAS (TEAM INEOS / GBR) + 01' 12’’
3. EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) + 01' 16’’
4. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM JUMBO - VISMA / NED) + 01' 27’’
5. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 01' 45’’
6. ENRIC MAS (DECEUNINCK - QUICK - STEP / ESP) + 01' 46’’
7. ADAM YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 01' 47’
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL)    + 02' 04''
9. DANIEL MARTIN (UAE TEAM EMIRATES / IRL) + 02' 09’’
10. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 02' 33’’
29. GIULIO CICCONE (TREK - SEGAFREDO / ITA) + 14’ 35’

[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):TIM WELLENS (LOTTO SOUDAL / BEL)
■新人賞(マイヨ・ブラン):EGAN BERNAL (TEAM INEOS / COL) 
■チーム成績(黄色ゼッケン):MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞(赤ゼッケン): AIME DE GENDT (WANTY - GOBERT CYCLING TEAM / BEL)
 
区間初優勝したユアン (photo : ASO/Alex BROADWAY)
区間初優勝したユアン (photo : ASO/Alex BROADWAY)
敢闘賞を受賞したエメ・デヘント (photo : ASO/Alex BROADWAY)
敢闘賞を受賞したエメ・デヘント (photo : ASO/Alex BROADWAY)

いよいよピレネー山岳区間がスタート!

第12ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)
第12ステージのコースプロフィール(MAP : ASO)
今年のツールはいよいよピレネー山岳区間がスタート。7月18日はトゥールーズをスタートし、後半に2つのカテゴリー1の峠を越えてふもとのバニェール・ド・ビゴールにゴールする209.5 kmの第12ステージが行われる。

最初に越える標高1569mのペイルスールド峠は全長13.2kmで平均勾配は7%、最後に越える標高1564mのウルケット・ダンチザン峠は全長9.9kmで、平均勾配は7.5%。山頂通過にはボーナス地点になっていて、1位通過で8秒のボーナスタイムが獲得できる。

総合3位でマイヨ・ブランを着ているコロンビアのエガン・ベルナル(チームイネオス)は「明日のステージは山岳での最初のステージで、何が待ち受けているのかはわからない。ボクはただ調子が良いことを願うだけだ。攻撃に出るのは時期尚早だと思う。とりわけすぐ後に個人タイムトライアルと難しい山岳ステージが続くからだ。でも、いずれにしても、明日は何らかのアタックがあると確信している」と、語っている。

総合首位のアラフィリップは「明日は総合争いの選手たちは翌日のタイムトライアルの為に脚を温存するだろうとベルナルが言うのはおそらく正しい。でも、ボクはアタックがあることを精神的に準備する。それが総合の優勝候補たちによるものだろうと、タイムを得たい他の選手によるものだろうとね。もう一日マイヨ・ジョーヌを着られてたた幸せだ。だからボクはいくらか期待している」と、語り、マイヨ・ジョーヌを守る為にピレネー初日も闘うつもりだ。

9日間山岳賞のマイヨ・アポワを守り続けているベルギーのティム・ウェレンス(ロット・スーダル)にとっても、ピレネー初日は正念場になる。太陽アレルギーのウェレンスにとって連日快晴続きなのは辛いが、彼はチームで山岳賞獲得の為に闘うつもりだ。「明日は逃げに入る努力をするつもりだ。明日ポイントを取るのは重要になるからだ。だから逃げに入る必要がある。ラッキーなことに山岳賞総合で2位はチームメートのデヘントだから、どちらか1人が逃げに入れれば問題はない。このジャージをできるだけ長く守りたいから、願わくば2人とも入れると良い」と、ウェレンスは言っている。

 
ツール・ド・フランス公式サイト
 
(photo : ASO/Olivier CHABE)
(photo : ASO/Olivier CHABE)

第11ステージのハイライト映像




ツール・ド・フランス2019公式ガイドブック