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ツール・ド・熊野2019はオールイス・アウラールが個人総合初優勝

レース

第3ステージはズルロが区間優勝

ツール・ド・熊野最終日は、新宮市の南に位置する太地町でのロードレース。太地くじら浜公園前をスタート/フィニッシュとし、太地湾に面して走る1周10.5kmのコースを10周する。 

レースのスタートと同時に降り始めた雨はレースの進行と共に強くなり、フィニッシュまで降り続いた。気温は20℃前後までしか上がらず、前日までとうって変わって肌寒さを感じる中でのレースとなった。 

1周目、山岳賞ジャージを着るマルコス・ガルシア(キナンサイクリングチーム)が飛び出す。それを追って入部正太朗(シマノレーシング)も飛び出して合流。セントジョージコンチネンタルサイクリングがコントロールするメイン集団に30秒差をつけて先行する。 

4周目、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ)が単独で先行する二人に合流。この動きをきっかけに、チーム右京勢が集団の先頭に出て追走。差は一気に縮まり、5周目までに先行する集団を吸収する。 

6周目、新たに7人の集団が先行する。メンバーは、入部正太朗、中井唯晶(以上シマノレーシング)、孫崎大樹(チームブリヂストンサイクリング)、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア)、トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム)、ロビー・ハッカー(チーム右京)。リーダージャージを着るオールイス・アウラールを擁するマトリックスパワータグがコントロールに入ったメイン集団との差は、2分以上まで開く。 

残り2周となる9周目、メイン集団では個人総合での逆転を狙うチーム右京のベンジャミ・プラデスとサム・クロームが登り区間でペースアップを図る。この動きにはアウラール自ら反応。さらに個人総合2位の岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、同4位のコービン・ストロング(セントジョージコンチネンタルサイクリング)も追従。さらに集団も追従して吸収し、マトリックスパワータグが再びコントロールを取り戻す。 

一方、先頭集団では中井と鈴木の2人が遅れて5人となって最終周回に入る。メイン集団との差は1分前後まで縮まるが、5人はそのまま逃げ切り、最後のスプリント勝負へ。ズルロ、孫崎、入部が横一線でハンドルを投げ合い、ガッツポーズを決める間もなくフィニッシュ。僅差の勝負を制したはズルロ。2位に孫崎、3位に入部という結果となった。 

50秒ほど遅れて20人ほどまで絞られたメイン集団がフィニッシュ。アウラールもこの集団の中でフィニッシュし、ツール・ド・熊野初優勝。マトリックスパワータグに2年ぶりの個人総合優勝をもたらした。 

アウラールは表彰式でチームメイトに感謝の言葉を述べ、雨の中集まった観客に日本語で「ありがとう」と言って笑顔を見せた。

 
ツール・ド・熊野2019 表彰台
ツール・ド・熊野2019 表彰台
ツール・ド・熊野2019 第3ステージのゴールスプリント。フェデリコ・ズルロ(右端)が勝利
ツール・ド・熊野2019 第3ステージのゴールスプリント。フェデリコ・ズルロ(右端)が勝利


第21回ツール・ド・熊野
第3ステージ
開催日:2019年6月2日(日)
開催地:和歌山県太地町 太地半島周回コース 
距離 104.3km 
気温:22.1℃(太地町)

結果
1. フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア)2:38'28
2. 孫崎 大樹(チームブリヂストンサイクリング)+0
3. 入部 正太朗(シマノレーシング)+0

個人総合成績
1. オールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)7:32'49"
2. 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)+0'09"
3. ユーセフ・レグイグイ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリングチーム) +0'13"

大会公式サイト
photo&text:©︎Tour de Kumano 2019

 
ツール・ド・熊野2019で総合初優勝を果たしたオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)
ツール・ド・熊野2019で総合初優勝を果たしたオールイス・アウラール(マトリックスパワータグ)

個人総合優勝・チーム総合優勝 
マトリックスパワータグ・安原監督のコメント: 
「終わってみれば安泰だったけれど、想定していたのと違うレース展開が続き、最後まで気が抜けない最終日だった。直前に出場したツアー・オブ・ジャパンで失敗したことを修正し、オールイス・アウラールで勝つことを目標に、他人任せでなく自分達で仕切るレースをすることを目標にして、この大会に臨んだ。4日間を通してその通りの走りができたと思う。初日から無理をさせてしまって最後は3人で戦うことになってしまったが、それも含め全員で勝ち取った結果だと思う。」



 
ツール・ド・熊野2019 個人総合2位の岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
ツール・ド・熊野2019 個人総合2位の岡篤志(宇都宮ブリッツェン)

個人総合2位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)のコメント:
「マトリックスパワータグもチーム右京も強い選手を揃えていたので、個人総合2位を守ることを目標に最終日を走った。このレースの総合2位という成績は恥ずかしくないことだと思うので、良かった。チームとしては個人総合よりもステージ優勝狙いで臨んでいたが、第1ステージで大差がつき、昨日の第2ステージで自分が残ることができた。増田(成幸)選手が不在の中で結果を残せたことは良かったし、自分の成長を感じることができた。」