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国内ロード選手たちによるバンクリーグが本格始動!

レース
出場予定チームの代表選手と監督が意気込みを語った
出場予定チームの代表選手と監督が意気込みを語った

昨年の8月末、栃木県の宇都宮競輪場にて実験的に行われた国内ロードレースチームの選手たちによるトラックフェスティバル。(トラックフェスティバルについてはこちらの記事を参照)

いよいよ今年、「バンクリーグ」と名前を変えて本格始動の狼煙を上げた。

4月10日、東京千代田区にある日本写真判定本社にて行われた記者発表の内容をお伝えするとともに、今後の展望について考えていこう。


text&photo:滝沢佳奈子

選手とファンを近づけるイベント

発起人である加藤GMが関わる全ての方々への感謝を述べる
発起人である加藤GMが関わる全ての方々への感謝を述べる
昨年宇都宮競輪場で行われたテストイベントは大いに盛り上がりを見せた
昨年宇都宮競輪場で行われたテストイベントは大いに盛り上がりを見せた

会の始まりに発起人であるキナンサイクリングチームGMの加藤康則氏は緊張の面持ちで、

「バンクリーグの盛り上がりが、観戦文化の発展に一石を投じ、ロードとトラック競技の架け橋となってどちらも発展していければ」と話した。

バンクリーグを立ち上げるきっかけについて、加藤GMは昨年の宇都宮でのテストイベント時にこう語っていた。

「少しでも選手とファンを近づけられるようなイベントがもっとあってもいいんじゃないかなと思っていました。

ロードレースだと通過するのが一瞬で、誰がいたのかも分からないこともあって、せっかく来ていただいたファンの方が、自分の贔屓の選手を見つけられないのもかわいそうだなっていうのもあって、いい方法はないだろうかと考えてたんです。

キナンサイクリングチームだけでできることではないので、それぞれのチームに話を持っていきました」

ロードレースでのフィールドは主に公道だが、バンクにした理由については、

「観客の皆さんが長いこと選手を見られるっていう環境があってもいいんじゃないかなと思いまして」と話していた。
 

バンクリーグのルール

1チームあたり3〜4人での対戦となる
1チームあたり3〜4人での対戦となる
珍しく最初の挨拶でボケなかった安原監督
珍しく最初の挨拶でボケなかった安原監督

ルールは簡単だ。ロードレースと違い、全チーム一斉スタートではなく、2チームごとの対戦形式となる。

スタートから3周後、その後隔周ごとに設けられるポイント周回で先頭を通過したチームに1ポイント与えられ、3ポイント先取した方が勝ちである。

1ゲームあたり、最短で7周回、最長でも11周回。

また、競輪場という特性上、リアルタイムでの持ちポイントや、接戦の場合でも判定がモニターですぐに分かるためロードレースを見たことがない人でも直感的に楽しめる内容となっている。

もちろん普段ロードレースを見ている人でも選手たちが全力で走る姿を終始見られるというのは非常にうれしいことだ。

「監督の立場として楽しみにしているのは、ロードレースは途中でちょっとだれるところがあるけど、このレースはそれがない。要するにごまかしがきかない。バンクだと全部見えるから、選手も手を抜けない」とマトリックスパワータグの安原昌弘監督もバンクリーグの魅力を語った。

今年の位置付け、そして世界的な流れ

選手たちがロードレースとは少し違ったこの競技に対して、さまざまな戦略で戦うところが見られるはずだ
選手たちがロードレースとは少し違ったこの競技に対して、さまざまな戦略で戦うところが見られるはずだ
昨年のテストイベントで地元優勝を果たした宇都宮ブリッツェン
昨年のテストイベントで地元優勝を果たした宇都宮ブリッツェン

ロードレースは元来長距離・長時間の競技であるが、各スポーツは世界的に短時間化の流れにある。

スポーツの映像コンテンツにおいて、今までは選択肢がテレビだけだったが、現在はインターネットでのストリーミングの方がむしろ主流になってきている。

スマホやタブレットなどで手軽に見られることもあり、我々の生活の中で、テレビの前に座ってじっくり見るという時間が圧倒的に減っているのだ。

そんな中で世界的な流れに乗って”短時間で分かりやすい”このバンクリーグは、自転車ロードレースという競技が日本で認知されるために必要不可欠なものになっていくかもしれない。

ストリーミング配信も予定されている。

今後は、各競輪場でホーム&アウェイ方式などを取り入れ、地域との交流の機会としての役割も期待される。

加藤GMは今年の位置付けについてこう話した。

「2年半くらい前から各チームに声をかけていて、常にこういう風にやったらいいんじゃないかなどを提案しながらテストを行い、どんどんいいものになってきたという感じですね。

でも、いきなりホーム&アウェイ制度をやっても、もともと存在しない競技なのでまずは知ってもらう期間を設けないと、ということで昨年やった形式を今年もまずは4会場でやることになりました」

いわゆる巡業のような形でまずは今年4回、日本各地の競輪場で開催される。

競輪に馴染みがない人も、競輪場のワクワク感も合わせて味わってみてほしい。

 

2019年開催日程と参加予定チーム

観客と選手との距離が近く、ファンサービスも昨年好評を博した
観客と選手との距離が近く、ファンサービスも昨年好評を博した

時間帯としては、テストイベント時と同様、夕方からイベントが開始され、レース自体は18時頃から21時頃までと見込まれる。

参加チームは国内UCIコンチネンタルチーム。なお、全てのラウンドに全てのチームが出場するわけではない。アジアツアーに参加するチームの予定が直前まで分からないことも多いため、調整次第発表されるとのことだ。

テストイベント時に好評だった選手たちとの交流が楽しめる観戦チケットも販売予定。詳細は開設予定のHPとFacebookにて発表される。


【出場予定チーム】

・宇都宮ブリッツェン(栃木県)

・那須ブラーゼン(栃木県)

・チーム ブリヂストンサイクリング(静岡県)

・マトリックスパワータグ(大阪府)

・シマノレーシング(大阪府)

・KINAN Cycling Team(和歌山県・三重県・愛知県)

・愛三工業レーシングチーム(愛知県)

・チームUKYO(東京都)



【2019バンクリーグ開催日程】

【Round1】8月23日(金) 開催地調整中(400mバンクを予定)

【Round2】8月30日(金) 松阪競輪場(三重県・400mバンク)

【Round3】9月23日(祝・月) 広島競輪場(広島県・400mバンク)

【Round4】10月21日(祝・月) 開催地調整中(500mバンクを予定)