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UCIワールドツアーのヘント~ウェヴェルヘム2019でクリストフが初優勝

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)
 
ベルギー北部のフランダース地方で、2019年3月31日にUCIワールドツアーの第81回ヘント~ウェヴェルヘムが開催され、ノルウエーのアレクサンダー・クリストフ(UAEチーム・エミレーツ)が、集団ゴールスプリントを制して初優勝した。

2位はドイツのジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)、3位はベルギーのオリヴェル・ナーゼン(アージェードゥゼール ラモンディアル)だった。UCIワールドツアーに初参戦したオランダチャンピオンのマテュー・ファンデルプール(コレンドン・シルキュス)は4位に入った。
 
 
ベルギーは穏やかな好天が続いていたが、フランダース・クラシックスの1戦であるヘント~ウェヴェルヘムは曇り、気温10℃で冷たい北風が吹く一日になった。ゲント郊外のデインズをスタートし、北海沿いへと向かった序盤戦に集団は風の影響で分断し、たった50kmで形成された20人の先頭集団には、ディフェンディングチャンピオンのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)を筆頭としたビッグネームが顔を揃えていたが、ベルギーのドゥクーニンク・クイックステップはティム・デクレルクしか加わっていなかった。

最初のケメルベルフを越えた後、先頭集団からサガン、マッテーオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)、エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)、マイク・トゥニセン(チームユンボ・ビスマ)が抜け出したが、ゴールまではまだ70km近く残っていた。ゴールまで残り42kmで、英国のルーク・ロウ(チームスカイ)が後方から単独でアタックし、先頭グループに追いついた。5人はドゥクーニンク・クイックステップが引く追走グループに50秒程度の差を付けて逃げ続けた。

2回目のケメルベルフで追走グループからズデネク・シュティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックし、ウァウト・ヴァンアールト(チームユンボ・ビスマ)と一緒に先行したが、抜け出すことはできなかった。

ドゥクーニンク・クイックステップはベルギーチャンピオンのイブ・ランパールト、フィリップ・ジルベール、シュティバルが先頭を引き続け、ゴールまで残り17kmで逃げをすべて吸収した。この時、集団はすでに30人ほどに絞られていた。

残り6kmでヤスペル・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)、セバスティアン・ラングベルド(EFエデュケーションファースト)、ジャック・バウアー(ミッチェルトン・スコット)、アムントグロンダール・ヤンセン(チームユンボ・ビスマ)がアタックして先行したが、フラムルージュを通過した後に吸収された。最後は集団ゴールスプリントが競われ、クリストフが先頭でフィニッシュラインを通過した。
 
■ヘント~ウェヴェルヘムで初優勝したクリストフのコメント
「最後にボクはガビリアと一緒に先頭グループに残れた。残り10kmでガビリアと話し、ボクが勝つためにスプリントすることに決めた。ボクはかなり疲れていたが、スプリントでは一番強かった。先頭集団に入った全ての選手と同じように、スタートから高速だったレースに全てを与えていた。春のレースに価値を与える素晴らしい勝利を得た。コンディションが良くなっているのもうれしいよ。ロンド・バン・ブラーンデレンに向けて良い兆しだ」

 
表彰式にはこの日開催された7レース全ての勝者が顔を揃えた。女子U17で優勝したゾーエとU19で優勝したエリノアはバックステットの娘だ
表彰式にはこの日開催された7レース全ての勝者が顔を揃えた。女子U17で優勝したゾーエとU19で優勝したエリノアはバックステットの娘だ
 
■第81回ヘント~ウェヴェルヘム結果[3月31日/UCIワールドツアー/ベルギー/251.5km]

1. KRISTOFF Alexander (UAE TEAM EMIRATES / NOR) 05:26:08
2. DEGENKOLB John (TREK - SEGAFREDO / GER) 
3. NAESEN Oliver (AG2R LA MONDIALE / BEL) 
4. VAN DER POEL Mathieu (CORENDON - CIRCUS / NED) 
5. VAN POPPEL Danny (TEAM JUMBO - VISMA / NED) 
6. PETIT Adrien (DIRECT ENERGIE / FRA) 
7. TRENTIN Matteo (MITCHELTON - SCOTT / ITA) 
8. SELIG Rüdiger (BORA - HANSGROHE / GER) 
9. MOHORIC Matej (BAHRAIN - MERIDA / SLO) 
10. DEBUSSCHERE Jens (TEAM KATUSHA ALPECIN / BEL) 


レース公式サイト
 

シクロクロスの現世界チャンピオンのマテュー・ファンデルプールはUCIワールドツアーのデビュー戦で4位

 
シクロクロスの現世界チャンピオンで、ロードレースのオランダチャンピオンでもあるマテュー・ファンデルプールは、今季所属チームのコレンドン・シルキュスがUCIプロコンチネンタルチームに昇格し、UCIワールドツアーにも参加できるようになった。

ファンデルプールはシクロクロスのシーズン終了後、すぐに参加したトルコのツアー・オブ・アンタルヤ(ヨーロッパツアー2.2)の第1ステージで優勝し、北のクラシックデビューが大いに期待されていた。

しかし、3月20日に参加したベルギーのノークル・クルス(ヨーロッパツアー1.HC)で、ファンデルプールはゴールスプリントの落車に巻き込まれ、そのまま救急車で病院に搬送されてしまった。これで春のクラシックは絶望的かと思われたが、ひどい落車だったにもかかわらず幸い骨折はなく、彼は翌日にはチームメートたちと一緒に石畳でのトレーニングをしていた。

ファンデルプールは一週間前に北フランスで開催されたGP・ド・ドナン(ヨーロッパツアー1.1)で優勝し、UCIワールドツアーのデビュー戦になったヘント~ウェヴェルヘムでは、序盤に形成された第1集団にきっちり加わり、最後は集団ゴールスプリントを競って4位に入った。

表彰台には惜しくも上がることはできなかったが、ゴール後にコレンドン・シルキュスのチームバスでは、大勢の記者がファンデルプールを待っていた。

ファンデルプールは「次のレースへの自信が付いたと思う。風のせいで最初の1kmから最後の1kmまでとてもタフなレースだったが、ボクはうまく走ることができた。一日中前にいることが必要で、そうすれば何が起きても対処できる。自分の脚がより良くなったと感じている」と、語っていた。来週のロンド・バン・ブラーンデレンで、彼がどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。