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2018UCIロード世界選手権:ロードレース男子ジュニアはエベネプール、女子ジュニアはスティッゲルが優勝

レース
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)

オーストリアのインスブルック・チロルで開催中のUCIロード世界選手権2018は、9月27日からロードレース種目がスタート。男子ジュニアは2日前に個人タイムトライアルで優勝したベルギーのレムコ・エベネプールが独走で優勝し、ダブル世界タイトル獲得を果たした。

2位にはドイツのマリウス・マイアーホーフェルが入り、3位争いはイタリアのアレッサンドロ・ファンチェッリが、ゴール勝負でスイスのアレクサンドル・バルメールを打ち負かした。

5人が参加した日本ナショナルチームは、小野寺慶が17分28秒遅れの51位で唯一人完走を果たした。男子ジュニアのロードレースは快晴に恵まれたが、出走159選手中、完走は84選手だった。
 
 
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)


優勝候補の1人だったエベネプールは、ゴールまで残り72km地点で落車に巻き込まれ、集団から1分半遅れてしまった。そのすぐ後に始まった上り坂で、集団からはイタリアのアンドレア・ピッコロとマイアーホーフェルが逃げ出していた。

エベネプールは集団に追いつき、2人のチームメートが先頭を引いて逃げる2人を追い詰めた。ゴールまで残り38kmで先頭の2人に追いついた後、エベネプールがアタック。マイアーホーフェルが付き従い、先頭は2人になった。

しかし、最後の上りでマイアーホーフェルはついて行けず、エベネプールは20kmを独走し、2位のマイアーホーフェルに1分25秒の大差を付けて優勝した。元サッカーのU16ベルギー代表で、昨春自転車競技に転向したばかりのエベネプールは、すでに来季ベルギーのクイックステップフロアーズでデビューすることが決まっている。


■TTとロードレースの両方で優勝したベルギーのエベネプールのコメント
「とてもうれしいよ。ボクはグナーデンヴァルトの上りの前という、良くない瞬間に落車した。ボクは戻って、下りで信じられないような走りをした。ドイツの選手は蹴落とせるとわかっていた。彼はボクと一緒に走れてなかったからだ。勝つ時に何をすべきかはすでに知っていた。自転車を持ち上げるという、スタートのクールネ〜ブリュッセル〜クールネと同じやり方で、このシーズンを終わらせたかった。だからそうしたのさ。ボクはここに2つのタイトルを勝ち取るために来た。なんてシーズンだろう!」


9月28日は、男子アンダー23のロードレースが行われる。ライブストリーミングはYOUTUBEのUCIチャンネルで視聴可能だ。


 
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)

■男子ジュニア ロードレース結果[9月27日/131.8km]
1. EVENEPOEL Remco (BEL) 3:03:49 (43.021km/h)
2. MAYRHOFER Marius (GER) +1:25
3. FANCELLU Alessandro (ITA) +1:38
4. BALMER Alexandre (SUI) +1:38
5. WANDAHL Frederik (DEN) +3:20
6. BENEDETTI Gabriele (ITA) +3:20
7. CHARRIN Alois (FRA) +3:20
8. VERMAERKE Kevin (USA) +3:20
9. TIBERI Antonio (ITA) +3:20
10. QUINN Sean (USA) +3:25
51. ONODERA Kei +17:28
DNF FUKUDA Yoshiaki
DNF KAYAMA Hiryu
DNF HINO Taisei
DNF UMAKOSHI Hiroyuki

 

女子ジュニアは地元オーストリアのスティッゲルが優勝

(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
 
午前中に開催された女子ジュニアのロードレースは、地元オーストリアのラウラ・スティッゲルが、4選手でのゴールスプリントを制して優勝し、母国に今大会で初のアルカンシエルをもたらした。2位はフランスのマリー・ルネ、3位はカナダのシモーヌ・ボワラールだった。

日本の川口うららは、4分7秒遅れの23位、中冨尚子は15分46秒遅れの87位だった。


■開催国オーストリアにアルカンシエルをもたらしたスティッゲルのコメント
「故郷で勝つなんて信じられない。沿道で私を応援してくれた人々に感謝している。とてもタイトな勝利だった。スプリントで私の脚は燃えるようだった。今朝は勝てるチャンスなんてないと思っていた。これは私にとって2回目のロードレースだったからだ。私はただ、楽しみたいと思っていた。それが今は世界チャンピオンになった。信じられない!」



■女子ジュニア ロードレース結果[9月27日/70.8km]
1. STIGGER Laura (AUT) 1:56:26
2. LE NET Marie (FRA)
3. BOILARD Simone (CAN)
23. KAWAGUCHI Urara (JPN) +4:07
87. NAKATOMI Shoko (JPN) +15:46
 
 
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
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インスブルック・チロル世界選手権 日程

9月23日(日)  女子チームタイムトライアル(54.1km)/男子チームタイムトライアル(62.8km)
9月24日(月)  女子ジュニア 個人タイムトライアル(20km)/男子アンダー23 個人タイムトライアル(27.8km)
9月25日(火)  男子ジュニア 個人タイムトライアル(27.8km)/女子エリート 個人タイムトライアル(27.8km)
9月26日(水)  男子エリート 個人タイムトライアル(52.5km)
9月27日(木)  女子ジュニア ロードレース(71.7km)/男子ジュニア ロードレース(132.4km)

9月28日(金)  男子アンダー23 ロードレース(179.9km)
9月29日(土)  女子エリート ロードレース(156.2km)
9月30日(日)  男子エリート ロードレース(258.5km)

インスブルック・チロル世界選手権公式サイト

 

女子ジュニア ロードレースのハイライト映像

男子ジュニア ロードレースのハイライト映像

2020年と2024年のロード世界選開催国はスイス、2021年はベルギー

国際自転車競技連合(UCI)が、9月27日に2020年から2014年までのUCI世界選手権の開催国を発表した。ロード世界選は2020年がスイスで、フランス語圏のヴォー州とヴァレー州が開催地となる。スイスではこれまでに10回ロード世界選が開催され、最近では2009年にイタリア語圏のメンドリーズィオが舞台となった。フランス語圏でロードの世界選が行われるのは初めてのことだ。

2021年は記念すべき100回大会となるが、その開催地の栄誉を得たのはベルギー北部のフランダース地方だ。自転車王国ベルギーは、2002年のゾールドル大会以来の19年ぶりの世界選になる。UCIは詳細を発表していないが、ベルギーのTV局eenによれば、タイムトライアルはクノック・ヘイストとブルージュ間で行われ、ロードレースはスタートがアントワープ、フィニッシュがルーバンになるそうだ。

2023年の開催地は未定で、2024年はスイスのドイツ語圏が開催地になる。パラサイクリングのロード世界選も同時開催される予定だ。


来年のロード世界選は、英国のヨークシャーで9月22日から29日までの日程で開催される。


UCIの公式サイト
 
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)
(photo : Innsbruck-Tirol 2018 / BettiniPhoto)