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ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第20ステージは地元スペインのマスが区間初優勝し、S・イエーツがマイヨ・ロホをキープ

レース
 
スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月15日にエスカルデス・エンゴルダニからカテゴリー超級のコル・デ・ラ・ガリナ(サンチュアリオ・デ・カノリチ)頂上までの97.3kmで第20ステージを競い、地元スペインのエンリク・マス(クイックステップフロアーズ)が、ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)をゴールスプリントで下し、グランツール区間初優勝を果たした。

前日まで総合3位だったマスは、この日の走りで総合2位になり、ロペスは総合5位から総合3位になった。

総合首位でマイヨ・ロホを着た英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)は23秒遅れの区間3位でゴール。総合首位の座を守り、最終日を迎えることになった。

前日まで総合2位に付けていた38歳のアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)は、3分9秒遅れでゴールし、総合5位に陥落してマドリードの表彰台には上がれなくなった。

前日総合3位の座に返り咲いたオランダのスティーフェン・クラウスウェイク(チームロットNL・ユンボ)も1分15秒遅れでゴールし、総合4位に後退した。



第20ステージは158選手が出走。スタートしてすぐに始まったカテゴリー2の峠の山頂まで残り1kmで、山岳賞ジャージを着たトマス・デヘント(ロット・スーダル)が飛び出し、先頭で5.6km地点の山頂を通過した。

下りでヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)がアタックし、15人の先頭集団が形成された。デヘントはこの逃げに加わり、19.7km地点の2つ目のカテゴリー1の峠も先頭で通過し、ポイントを稼いだ。集団では総合10位のトニー・ガロパン(AG2R・ラモンディアル)が遅れていた。残り60kmで、先頭の逃げは集団に2分半のタイム差を付けていた。

3つ目の峠でメイン集団はアスタナプロチームが引き続け、ヨン・イサギレ(バーレーン・メリダ)が遅れてしまった。先頭からは山頂の1km手前でヘスス・エラダ(コフィディス)がアタックし、独走で山頂を通過した。

エラダはゴールまで残り45kmで捕まり、先頭の逃げは16人になった。5km先で4つ目のカテゴリー1の峠越えがスタート。先頭はミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ)が引き、次第に小さくなった。1分後方のメイン集団からはチームメートとともにロペスがアタックし、逃げを追った。

ロペスは逃げに追いついたが、山頂の手前で集団に吸収されてしまった。残り32.8kmの山頂を、山岳賞総合2位のバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)が先頭で通過したが、デヘントのポイントには追いつかなかった。

下りがスタートすると、ナイロ・キンタナ(モビスターチーム)がアタックし、残り21km地点でロペスが合流して先頭は2人になった。つづくカテゴリー3の峠が始まり、2人と集団のタイム差は10秒ほどだった。ここでアダム・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が引く集団から、マイヨ・ロホのイエーツがアタックし、マスだけが付いていった。2人は下りで先頭に合流。ゴールまで残り10Kmを切った時、先頭の4人はバルベルデのいる集団に30秒差を付けていた。

残り7kmでゴールへと続くガリナ山の登坂がスタートすると、先頭はキンタナが遅れ、イエーツ、マス、ロペスの3人になった。しかし、すぐにイエーツも遅れ始め、残り5kmで10秒遅れとなった。

追走グループはキンタナが引き続けたが、残り4kmでバルベルデが遅れてしまった。キンタナはバルベルデを待ち、2人でゴールを目指した。最後はロペスとマスの一騎打ちとなり、残り100mで開始したスプリントを制し、23歳のマスが区間初優勝を勝ち取った。


■区間初優勝して総合2位になったマスのコメント
「2012年にここでバルベルデが勝ったビデオを見て、最後のカーブは最初に行かなければならないことがわかっていた。そのカーブまで全力で行って、その後はフィニッシュラインまでただそれをキープしたんだ。

バスク一周で区間優勝した後で、これはボクにとって2度目の大きな勝利だった。とてもうれしい。総合で2位というのもとてもうれしい。マドリードで落車したり、馬鹿げたことが起きないかちょっとナーバスになっているけどね」

 
 

■第20ステージ結果[9月15日/エスカルデス・エンゴルダニ~コル・デ・ラ・ガリナ(サンチュアリオ・デ・カノリチ)/97.3km]
1. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP) 02H 59' 30''
2. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL)  
3. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 23''    
4. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 54''
5. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 57''
6. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 01' 11''
7. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 01' 15''
8. DAVID DE LA CRUZ MELGAREJO (TEAM SKY / ESP) + 02' 17''
9. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 03' 09''
10. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 03' 09''
15. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 04’ 58’’
16. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 05’ 08’’

■第20ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 79H 44' 30''
2. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP)  + 01’ 46’’
3. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL)  + 02’ 04’’
4. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 02’ 54’’
5. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 04’ 28’’
6. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA)  + 05’ 57’’
7. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 06’ 07’’
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 6’51’’
9. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 11’ 09’’
10. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 11’ 11’’
11. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 12’ 10’’

[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
■山岳賞:THOMAS DE GENDT (LOTTO SOUDAL / BEL)
■コンビネーション賞:SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 
※第21ステージは MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) が着用
■チーム成績:MOVISTAR TEAM (ESP)
■敢闘賞:JESUS HERRADA (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP)
 

最終日はマドリードのサーキットコースでゴール

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
9月16日はアルコルコンからマドリードまでの100.9kmで、最終区間となる第21ステージが行われる。最後はマドリード市街地の平坦な5.9kmのサーキットを11周してゴールする。
 
 
レース公式サイト

 

第20ステージのハイライト映像