ニュース

千森杯シクロクロス2018 第2戦は織田聖9位、竹之内悠10位

レース
UCIクラス1レースを開催した内モンゴル自治区の赤峰市から、途中 万里の長城の観光を含め丸2日をかけて1000km先の河北省邯鄲市峰峰地区まバスで移動し、2018年9月6日(木)にインターナショナルレース「Qiansen Trophy(千森杯)」第2戦が行われた。

日本チームを含めた参加者は第1戦と変更なく、UCIポイントは付かないものの20位までに与えられる賞金と、来年のスタートマネーを懸けてレースを争った。日本チームは、第1戦に引続き、エリート男子で織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が日本人最高位の9位を獲得した。


 
2位集団内の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が去年の野辺山で活躍したエミル・ヘケレ(チェコ)と第1戦優勝者ゴス・ファン・デル・メール(オランダ)等と前方を伺う。
2位集団内の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が去年の野辺山で活躍したエミル・ヘケレ(チェコ)と第1戦優勝者ゴス・ファン・デル・メール(オランダ)等と前方を伺う。


北京市より南西に約500kmの位置にある邯鄲市の気候は、夜間は涼しいが日中は暑く、レース当日の最高気温は34℃まで上昇したためチーフコミッセールの判断で熱中症対策としてピットでの水分補給が特別に認められた。

コースは、スタート・フィニッシュ地点の舗装以外は硬く締まった土の路面が大半で、試走を繰り返すたびに掘れていった各コーナーは砂が浮いて滑りやすくテクニカルに。さらにフライオーバー1カ所、8mと9mという長い2カ所の階段担ぎセクションを含む全長2.5km、獲得標高50mのコースはハイスピードながらテクニカルで、乗車以外にランのフィジカルも要求される。

51人が出走したエリート男子は、最前列からスタートした全日本チャンピオンの小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)がホールショットを決める。その後1周目中盤からニコラス・サンパリーシ(イタリア)が独走で飛び出すものの、4周目後半には第1戦の覇者ゴス・ファン・デル・メール(オランダ)が合流。一時は転倒して離れてしまったゴスだが次の周回には再度ニコラスに追いつき、最終的にスプリント勝負となったレースを制したのは第1戦に引き続きゴスだった。

日本勢では織田聖が2周目中盤まで先頭集団に入り、その後も粘った走りで日本人最高位の9位に。竹之内悠(Toyo Frame)が10位、小坂正則(スワコレーシングチーム)が16位、斎藤朋寛(RIDELIFE GIANT)が18位で完走し賞金を獲得した。小坂光は2周目以降、力が入らなくなり失速してリタイアとなった。

優勝したゴスは、レース前から2つの階段セクションが勝敗の大きなポイントとなると予想してボトルを持たない戦略をとり、2周回に1回ピットで補給を行った。ヨーロッパからの単騎遠征でバイクも1台のみというハンデがありながら、巧みな戦略で勝利をものにしたエリート2年目の注目の若手だ。

 
やや遅れながらパックを捉えようと上る織田
やや遅れながらパックを捉えようと上る織田
さらに後方から淡々と上る竹之内悠(Toyo Frame)、小坂光。すぐうしろに落ちて来たヘケレ。
さらに後方から淡々と上る竹之内悠(Toyo Frame)、小坂光。すぐうしろに落ちて来たヘケレ。
30秒近く離されたクラークを追う織田
30秒近く離されたクラークを追う織田
5周目、ドッグレッグオーバーブリッジを超える竹之内悠
5周目、ドッグレッグオーバーブリッジを超える竹之内悠
男子エリートスタート。小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)が集中してホールショットを決める。後方にニコラス、ロレンツォのサンパリーシ兄弟(イタリア)らが付く
男子エリートスタート。小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)が集中してホールショットを決める。後方にニコラス、ロレンツォのサンパリーシ兄弟(イタリア)らが付く
4周目、美しいドッグレッグオーバーブリッジからダイブする小坂正則(スワコレーシングチーム)
4周目、美しいドッグレッグオーバーブリッジからダイブする小坂正則(スワコレーシングチーム)


21人で争われたエリート女子は、1周目に飛び出したジョイス・ファンデルベルケン(ベルギー)を第1戦王者のアイダ・ヌーノ・パラシオ(スペイン)が抜き去り、その後独走で実力差を見せつけて連勝。2位にサマンサ・ルネルス(アメリカ)が、3位にファンデルベルケンが入り、第1戦表彰台メンバーが再度ポディウムに上った。日本の須藤むつみ(Ready Go Japan)は後半にかけて順位を上げて、同一周回完走の15位で賞金を獲得した。

日本遠征チームはエリート男子レース後約2時間でホテルを出発して8時間かけてバスで北京空港に移動し、翌9月7日(金)に帰国した。

 
エリート女子スタートはマリリース・モッツ(エストニア)がホールショット、ジョイス・ファンデルベルケン(ベルギー)らが続く
エリート女子スタートはマリリース・モッツ(エストニア)がホールショット、ジョイス・ファンデルベルケン(ベルギー)らが続く
階段のアウト側を登る須藤むつみ(Ready Go Japan)とグロス(アメリカ)。イン側を三番手のファンデルベルケンがゼニコヴァ(チェコ)をラップしていく
階段のアウト側を登る須藤むつみ(Ready Go Japan)とグロス(アメリカ)。イン側を三番手のファンデルベルケンがゼニコヴァ(チェコ)をラップしていく
階段のアウト側を登る須藤むつみ(Ready Go Japan)とグロス(アメリカ)
階段のアウト側を登る須藤むつみ(Ready Go Japan)とグロス(アメリカ)


織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)のコメント:
「最低限の目標だった一桁は達成できたし、先頭パックで2周目まで走れたのは良かった。また、悠さん、光さんともにまだ本調子ではないけど、今回2レースともに日本人トップになれたのと、いつもヨーロッパで同じくらいか少し速い選手にも競り勝ってたのは自信につながった。

エリートの年齢になるまであと2年しかないので、今年は排水の陣で臨んでいる。全日本のU23連覇はもちろん、今シーズンは国内UCIレースでも優勝することを目標に来月からスタートする国内シリーズに向けて調子をあげていきます。」


【リザルト】
2018 Quiansen Trophy Cyclo-cross International Grand Prix

Elite Women
1. アイダ・ヌーノ・パラシオ(スペイン) 40:38
2. サマンサ・ルネルス(アメリカ) +25
3. ジョイス・ファンデルベルケン(ベルギー) +1:00
 ・
15. 須藤 むつみ (Ready Go Japan) +8:38


Elite Men
1. ゴス・ファン・デル・メール(オランダ) 59:29
2. ニコラス・サンパリーシ(イタリア) +40
3. ロレンツォ・サンパリーシ(イタリア) +1:28
 ・
9. 織田 聖 (弱虫ペダルサイクリングチーム) +2:58
10. 竹之内 悠 (Toyo Frame) +3:20
16. 小坂 正則 (スワコレーシングチーム) +5:01
18. 斎藤 朋寛 (RIDELIFE GIANT) +5:21
33. 積田 連 (Team CHAINRING) -3LAP

DNS 小坂 光 (宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
DNS. 向山 浩司 (SNEL CYCLOCROSS TEAM)

text:斎藤 朋寛
photo:阿部 昌一

 
男子表彰式。優勝はゴス・ファン・デル・メール(オランダ)2位ニコラス・サンパリーシ(イタリア)3位ロレンツォ・サンパリーシ(イタリア)
男子表彰式。優勝はゴス・ファン・デル・メール(オランダ)2位ニコラス・サンパリーシ(イタリア)3位ロレンツォ・サンパリーシ(イタリア)
女子表彰式。優勝はヌーノ・パルシオ(スペイン)2位サマンサ・ルネルス(アメリカ)3位ジョイス・ファンデルベルケン(ベルギー)
女子表彰式。優勝はヌーノ・パルシオ(スペイン)2位サマンサ・ルネルス(アメリカ)3位ジョイス・ファンデルベルケン(ベルギー)