ニュース

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第11ステージはイタリアのデマルキが独走で逃げ切り区間優勝

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)
 
スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、9月5日にモンブエイからルイントラのリベイラ・サクラまでの207.8kmで、中級山岳区間の第11ステージを競い、イタリアのアレッサンドロ・デマルキ(BMCレーシングチーム)が独走で逃げ切って区間優勝した。彼は2014年と2015年にもブエルタで区間優勝していて、これが3度目の勝利だった。

メイン集団は2分2秒遅れでゴール。総合上位に大きな変動はなく、総合リーダーのマイヨ・ロホは英国のサイモン・イエーツ(ミッチェルトン・スコット)が守った。



今年最長区間の第11ステージは173選手が出走。前日のステージでは、ゴールまで残り41kmでイタリアのシモーネ・ペティッリ(UAEチーム・エミレーツ)が落車し、そのまま病院へ搬送されてリタイアしていた。スペイン北部に舞台が移り、気温は低く、断続的に雨が降った。

4つの峠越えがあるコースで、レースはスタートから激しく動き、アタックと吸収が繰り返された。その中には、ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)やミハウ・クフィアトコフスキー(チームスカイ)の姿もあった。逃げはなかなか決まらず、最初の1時間の平均時速が49km/hという高速ステージになった。

最初の峠越えの後、コロンビアのミゲルアンヘル・ロペス(アスタナプロチーム)が機材故障で自転車を交換し、メイン集団から1分半遅れるハプニングがあったが、チームメートの働きで戻ることができた。スタートから2時間が経過しても逃げは決まらず、平均時速はまだ48km/hだった。

この厳しいレース展開の中で、第6ステージで優勝したフランス人スプリンターのナセル・ブアニ(コフィディス)が途中リタイアした。さらにアレクシー・グジャール(AG2R・ラモンディアル)とゲオルグ・プライドラー(グルパマ・FDJ)もレースを去った。

207.8kmのうちの105kmを走り終え、遂にこの日の逃げが決まった。19人という大人数の先頭グループには、2分33秒遅れで総合16位のティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が入っていたため、ゴールまで残り90kmでタイム差が3分を超えると、メイン集団の先頭ではモビスター・チームが仕事を開始した。

ゴールまで残り48kmで、先頭の逃げ集団からオランダのバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)がアタックし、独走で逃げ続けた。そこに残り37kmでピノー、デマルキ、ラファウ・マイカ(ボーラ・ハンスグローエ)、ジャック・ヘイグ(ミッチェルトン・スコット)、セルヒオルイス・エナオ(チームスカイ)が追いついた。

最後のカテゴリー3の峠のふもとにたどり着く頃には、ニコラ・ロッシュ(BMCレーシングチーム)やフランコ・ペッリツォッティ(バーレーン・メリダ)、ホナタン・レストレポ(チームカチューシャ・アルペシン)も追いついていた。

最後の登坂が始まると、先頭グループからレストレポがアタックし、デマルキが合流して2人になった。レストレポは一度遅れたが、山頂の手前でデマルキに追いついた。2人はゴールまで残り15kmで追走グループに34秒差、メイン集団に3分差を付けていた。

雨脚が強くなってきた残り4.3km、カテゴリーのない上り坂で先頭からデマルキがアタックし、独走を開始。モビスター・チームがコントロールしていたメイン集団は、チームEFエデュケーションファースト・ドラパック・P/Bキャノンデールが先頭を引き始め、20人ほどに減ったが、主要選手は顔を揃えていた。

デマルキはそのまま独走で逃げ切り、ブエルタで3年ぶりの区間優勝を勝ち取った。それを祝福するかのように、ゴール地点は晴れていた。メイン集団は、ゴール手前でナイロ・キンタナ(モビスターチーム)が飛び出すシーンもあったが、コンビネーション賞ジャージを着たアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)を先頭に2分2秒遅れでゴールした。


■ブエルタで3度目の区間優勝を上げたデマルキのコメント
「この勝利は特別だ。ボクは本当に長い間これを追い求めていたから、フィニッシュラインで表現したのは安堵だった。今ボクは、ベストな状態に戻ったと感じている。この一日中を描写することはできないが、ものすごくキツかった。時々ボクは後方に遅れて、それから動き出した。ボクはただ全力を出し尽くし、それがどう動くかを見ていた。

最後の上りでボクはレストレポに合流し、それからアタックした。でもそれはあまりにもゴールまで遠かったから、ボクは彼を待った。そして残り4kmでもう一度トライしたんだ。そこにアップヒルのセクションがあるのはわかっていた。ボクには一撃分の力しか残っていなかった。脚はもう空っぽだった。もしボクがあそこで彼を蹴落とすことができなかったら、スプリントはとても難しかっただろう。2番になっていたと思うよ」


 
 
■第11ステージ結果[9月5日/モンブエイ〜ルイントラ・リベイラ・サクラ/207.8km]

1. ALESSANDRO DE MARCHI (BMC RACING TEAM / ITA) 04H 52' 38''
2. JHONATAN RESTREPO (TEAM KATUSHA ALPECIN / COL) + 28''
3. FRANCO PELLIZOTTI (BAHRAIN - MERIDA / ITA) + 59''
4. NANS PETERS (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 01' 24''
5. DYLAN TEUNS (BMC RACING TEAM / BEL) + 01' 45''
6. TIESJ BENOOT (LOTTO SOUDAL / BEL) + 01' 46''    
7. RAFAL MAJKA (BORA - HANSGROHE / POL) + 01' 46''
8. NICOLAS ROCHE (BMC RACING TEAM / IRL) + 01' 48''
9. SERGIO LUIS HENAO (TEAM SKY / COL) + 01' 50''
10. THIBAUT PINOT (GROUPAMA - FDJ / FRA) + 01' 50''
16. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 02’ 02’’

■第11ステージまでの総合成績
1. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) 45H 57' 40''
2. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 01''
3. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 14''
4. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 17''
5. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 24''
6. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER)  + 24’’
7. MIGUEL ANGEL LOPEZ (ASTANA PRO TEAM / COL) + 27''
8. RIGOBERTO URAN (TEAM EF EDUCATION FIRST - DRAPAC P/B CANNONDALE / COL) + 32''
9. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 43''
10. GEORGE BENNETT (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NZL) + 47’’

[各賞]
■ポイント賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
■山岳賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 
■コンビネーション賞:ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) 
※第12ステージは BENJAMIN KING (TEAM DIMENSION DATA / USA) が着用
■チーム成績:TEAM LOTTO NL - JUMBO (NED)
■敢闘賞:BAUKE MOLLEMA (TREK - SEGAFREDO / NED)
 

第12ステージはガリシア地方が舞台の中級山岳区間

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
9月6日は北部ガリシア地方のモンドニェドからマニョンのエスタカ・デ・バレス灯台までの181.1kmで、中級山岳区間の第12ステージが行われる。標高はさほど高くないカテゴリー3の峠が2カ所あるだけで、おもに海岸線を走るが、一癖も二癖もありそうなコースだ。
 
 
レース公式サイト

 

第11ステージのハイライト映像