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ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第6ステージはゴールスプリントでフランスのブアニが区間優勝

レース
(©Bettiniphoto)
(©Bettiniphoto)
 
スペインで開催中の第73回ブエルタ・ア・エスパーニャ(UCIワールドツアー)は、8月30日にアンダルシア州のウエルカル・オベラからムルシア州のサン・ハビエル・マル・メノルまでの155.7kmで、平坦区間の第6ステージを競い、ゴールまで残り26kmで発生した落車の影響で小さくなった集団でのゴールスプリントをフランスのナセル・ブアニ(コフィディス)が制した。

28歳のブアニは2014年のブエルタで区間2勝していて、これで通算3勝になった。

総合リーダーのマイヨ・ロホを着たフランスのリュディ・モラール(グルパマ・FDJ)は先頭集団でゴールし、総合首位の座を守った。主要選手の多くは落車の影響を受けなかったが、オランダのウィルコ・ケルデルマン(チームサンウェブ)とフランスのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)が落車で遅れた集団でゴール。前日に総合6位だったケルデルマンは、2分50秒遅れの総合17位にまで後退してしまった。



スペイン南部アンダルシア地方を後にして、ムルシア地方へと舞台を移した第6ステージは176選手が出走。スタートしてすぐに、オーストラリアのリッチー・ポート(BMCレーシングチーム)が集団からアタックするサプライズがあった。彼はすでに総合成績で40分以上遅れていた。

ポートのアタックに山岳賞ジャージを着たルイスアンヘル・マテ(コフィディス)とホルヘ・クベロ(ブルゴス・BH)の2人が乗り、この日の逃げは3人になった。彼らは5km地点で集団に3分20秒差を付けたが、集団ゴールスプリントを望むクイックステップフロアーズがコントロールを開始し、タイム差は広がらなかった。

この日越えた2カ所のカテゴリー3の峠は、山岳賞ジャージを着たマテが両方とも先頭で通過。総合でのリードを広げた。118km地点の中間スプリント地点で、3人と集団のタイム差は1分に縮まっていた。

その後、クベロが単独で抵抗を続けたが、ゴールまで残り29kmで集団に吸収された。予想通り、集団ゴールスプリントになるだろうと思われた矢先、残り26kmのカーブの先にあった中央分離帯で落車が発生し、ファビオ・フェッリーネ(トレック・セガフレード)やビクトール・カンペナールツ(ロット・スーダル)が巻き込まれてしまった。

この落車事故の後、横風の影響もあって集団は3つに分裂した。主要選手はほとんど先頭集団にいたが、フランスのティボ・ピノー(グルパマ・FDJ)は第3集団にいた。このタイミングでケルデルマンは機材故障に見舞われて止まり、チームメートたちに引かれて集団復帰しなければならなくなった。ゴールまで残り10kmで、先頭は50人程度だった。

遅れていた選手たちはゴールまで残り7.5kmで1つの集団になったが、先頭集団とのタイム差は1分40秒以上開き、最後まで縮まることはなかった。

残り1kmのフラムルージュを通過した後、エリア・ヴィヴィアーニのためにファビオ・サバティーニ(クイックステップフロアーズ)が集団を引こうとしたがコントロールし切れず、最後はブアニが勝利をもぎ取った。


■グランツールの区間で久々勝ったブアニのコメント
「勝てて嬉しいよ。とても難しく、最後のペースは本当に速かった。昨日のフェイクニュース(前日のステージでブアニがチームカーに乗っていた監督とモメたとスペインの新聞が報じた)があったから、今日は本当に勝ちたかった。

ヴァンビルゼンとシェトゥがボクをずっと完璧な位置に置いてくれた。脚の調子がいい時には、どうすればいいかわかっていたから、ボクは正しい後輪に付けるために、1つの列車から別の列車に乗り換えた。そして残り200mで行ったんだ。

去年ボクはツアー・オブ・ヨークシャーでとても深刻な事故に遭った。それは軽視されていただろうが、ボクは命を失っていたかもしれなかったし、長い間視力の後遺症に悩まされていた。いつ復帰できるのだろうかと思っていた。今でも、ボクはベストコンディションに戻ったとは思わない。

ボクはとでも難しいシーズンを過ごしていた。影響を受けていた。屈辱を感じていたが、それを克服しなければならないと考えた。ツールに参加できなくて、とてもがっかりした。ボクは素晴らしいコンディションだった。ボクはそれを隠すつもりはない。

他のチームからの接触があったが、(チーム代表の)ティエリー・ビトゥがブエルタの前に電話をくれて、全面的なサポートをしてくれると言ってくれた。コフィディスのために勝ててとても嬉しいよ」
 
 
 
■第6ステージ結果[8月30日/ウエルカル・オベラ〜サン・ハビエル・マル・メノル/155.7km]

1. NACER BOUHANNI (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / FRA) 03H 58' 35''
2. DANNY VAN POPPEL (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED)
3. ELIA VIVIANI (QUICK - STEP FLOORS / ITA)
4. SIMONE CONSONNI (UAE TEAM EMIRATES / ITA)
5. MATTEO TRENTIN (MITCHELTON - SCOTT / ITA)
6. IVAN GARCIA CORTINA (BAHRAIN - MERIDA / ESP)    
7. OMAR FRAILE (ASTANA PRO TEAM / ESP)    
8. MIGUEL ANGEL LOPEZ  (ASTANA PRO TEAM / COL)    
9. PETER SAGAN (BORA - HANSGROHE / SVK)    
10. MICHAEL MØRKØV (QUICK - STEP FLOORS / DEN)     
66. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 1' 44’’
67. THIBAUT PINOT (ROUPAMA - FDJ / FRA) + 1' 44’’

■第6ステージまでの総合成績
1. RUDY MOLARD (GROUPAMA - FDJ / FRA) 22H 26' 15''
2. MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) + 41’’
3. EMANUEL BUCHMANN (BORA - HANSGROHE / GER) + 48’’
4. SIMON YATES (MITCHELTON - SCOTT / GBR) + 51’’
5. ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) + 53’’
6. JON IZAGUIRRE (BAHRAIN - MERIDA / ESP) + 1' 11''
7. TONY GALLOPIN (AG2R LA MONDIALE / FRA) + 1' 14''
8. NAIRO QUINTANA (MOVISTAR TEAM / COL) + 1' 14''
9. STEVEN KRUIJSWIJK (TEAM LOTTO NL - JUMBO / NED) + 1' 18''
10. ENRIC MAS (QUICK - STEP FLOORS / ESP)+ 1' 23’’
17. WILCO KELDERMAN (TEAM SUNWEB / NED) + 2’ 50’’
18. THIBAUT PINOT (ROUPAMA - FDJ / FRA)  + 3’ 08’’

[各賞]
■ポイント賞:MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) 
■山岳賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 
■コンビネーション賞:MICHAL KWIATKOWSKI (TEAM SKY / POL) 
※第7ステージは ALEJANDRO VALVERDE (MOVISTAR TEAM / ESP) が着用
■チーム成績:ASTANA PRO TEAM (KAZ)
■敢闘賞:LUIS ANGEL MATE (COFIDIS, SOLUTIONS CREDITS / ESP) 
 

第7ステージも平坦区間

MAP : Unipublic
MAP : Unipublic
8月31日はプエルト・ルンブレラスからポソ・アルコンまでの185.7kmで平坦区間の第7ステージが行われる。平坦と言っても第6ステージと同様にカテゴリー3の峠が2カ所含まれている。
 
 
レース公式サイト

 

第6ステージのハイライト映像