明治時代、王子製紙は苫小牧に製紙工場を建設することを決めた。電力需要をまかなうには発電所も必要で、その建設に必要な資材や人員の輸送を目的につくられたのが、王子製紙苫小牧工場専用鉄道だ。この鉄道は発電所完成後も51年まで存続し、観光に訪れた乗客などを支笏湖まで運んだ。支笏湖公園自転車道はこの軌道跡を主に利用しているため独立した区間が長く、自転車道の魅力を十分に味わうことができる。
※この記事はサイクルスポーツ2006年10月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●左手に見える千歳川は、川幅は狭いものの水量は豊富。北海道の川だけに、秋になるとサケが遡上する姿が見られる

1.国道36号線の千歳橋脇に立つ自転車道の案内板。その60m先が自転車道の起点

2.この横断歩道を渡り、道道16号線右側の歩道を進む

3.烏柵舞橋の手前、道道16号線と自転車道の分岐に立つ「熊出没注意」の看板

4.整備が行き届いた蘭越レストコーナーのトイレ。ここには水場やテーブル&イスもある
  千歳橋の脇に立つ案内板。その60m先が自転車道の起点となり、しばらくは千歳川沿いに道が延びていく。川の対岸は総面積100haを誇る青葉公園で、園内にはスポーツセンター、野球場、サッカー場などさまざまな施設が点在する。
 サケの遡上で知られる千歳川だけに、河原には釣りをする人の姿もある。釣りに熱中するあまり、背後を行き交う人や自転車の存在を忘れて竿を振る人もいるので、釣り針に引っ掛けられないように気をつけよう。

5.サケを放流する現場が見学できる「さけの里ふれあい広場」内の展示館(開館時間:10時~16時、休館日:月曜&年末年始、入館料:無料、TEL:0123・23・2804)
 道央自動車道の橋桁をくぐった先で、右から近づいてきた道道16号線に合流。信号のある横断歩道を渡って右側の歩道を進む。まもなくゴルフ場の入り口を経て、烏柵舞橋の手前で自転車道が分岐。ここには「国立さけ・ますふ化場」の看板のほか「熊出没注意」の看板も立っている。もちろん、これはただの脅しではない。実際、06年だけでも近辺で4件の目撃例がある。過度の心配は無用だが、自転車道を離れて林に分け入るようなマネは避けるべきだ。
 烏柵舞橋から1・3km進んだ蘭越レストコーナーには、トイレのほか水場やテーブル&ベンチまでそろっている。この先にあるふ化場までの距離は短いので、どちらかを休憩ポイントとするといいだろう。ふ化場内には「さけの里ふれあい広場」があり、サケを放流する現場が見学できる。
 ふ化場を過ぎた先で、自転車道は急に傾斜を増す。思わずシフトレバーに手が伸びるものの距離はわずかで、道道16号線への合流後に下り勾配に変わり、その後も平たんな道が続く。
 しばらくは道道と並行する道も、クルマが気になることはない。道道との間は草木で隔たれ、さらに右手には原生林が広がるためだ。クマの存在を考えれば、むしろ多少の排気音があったほうが気が休まるというものだ。
 わずかながら上り勾配をとなった道を進んでいくと、やがて道道16号線と国道453号線の合流地点に到着。ここでは横断歩道を渡ったら左にクランクし、引き続き自転車道をたどる。注意が必要なのは、その900m先の分岐。直進は苫小牧市街に至るサイクリングロードとなる。支笏湖を目指すにはここを右折して横断歩道を渡り、国道276号線右側の歩道を進む。再び分岐する自転車道が急な下り坂となった先で、車両通行止めの柵が自転車道の終わりを告げる。

6.さけ・ますふ化場を過ぎた先の急坂には、注意を促す看板が立っている


7.自転車道の両脇はヤブや林がえんえんと続く。自然に恵まれた北海道ならではの光景


8.並行する道道16号線から自転車道が離れる区間の手前には、注意を促す看板が立つ

9.王子製紙の千歳第一発電所がある一帯は水明郷と呼ばれ、サクラや紅葉の名所として知られる

10.路面に散らばる小枝。車輪に巻き込むとスポークが折れることもあるので要注意

11.道道16号線と国道453号線の合流地点手前にある看板。自転車道は一般道を渡って左にクランクした先に延びている

12.支笏湖畔に向かう支笏湖公園自転車道と苫小牧に向かうサイクリングロードの分岐。直進すれば18km強で苫小牧市街に至る

13.49年に国立公園の指定を受けた支笏湖は、開発が厳しく規制されている。自転車道終点のモラップ地区は、キャンプ場や宿泊施設のあるごく限られた地域の1つ
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●計画距離(整備済み距離)
26.5km(26.5km)
●区間
千歳橋(自転車道起点)-(0:08)1.6km→青葉公園-(0:18)4.58km→烏柵舞橋-(0:08)1.3km→蘭越レストコーナー-(0:05)0.88km→さけ・ますふ化場-(0:45)10.75km→道道16号線からの分岐-(0:08)2.04km→水明郷-(0:14)3.07km→道道16号線と国道453号線の合流地点-(0:04)1.23km→苫小牧市丸山-(0:14)2.61km→国道276号線からの分岐-(0:03)1.17km→モラップ(自転車道終点)
鉄道の場合:
[往路]JR千歳線「千歳駅」(札幌駅からJR千歳線経由 29分、810円)西口から国道337号線(新大通り)を進み、国道36号線との交差を左折。千歳川に架かる千歳橋手前を川に沿って右折した先から自転車道が始まる(7分、1.26km)。
[復路]支笏湖公園自転車道を引き返し、千歳駅に戻る。苫小牧市丸山で接続するサイクリングロードが近い緑ヶ丘公園まで延びており、そこから2kmでJR千歳線「苫小牧駅」(札幌駅までJR千歳線経由 1時間7分、1410円)
クルマの場合:
自転車道起点に近い青葉公園内に無料の駐車場(営業時間:年中無休、千歳市観光整備事業協同組合TEL:0123・24・1366)がある。
●問い合わせ先
福島県土木部道路領域道路環境グループ
北海道建設部道路計画課TEL:011・231・4111
●最寄りのサイクルショップ
スポーツスウェットTEL:0123・24・7254
●最寄りのサイクリング道路
本文に記した通り、苫小牧市丸山で苫小牧市街に向かうサイクリングロードに接続する。