浜松御前崎自転車道は、千葉県銚子市と和歌山県和歌山市を結ぶ太平洋岸自転車道の一部をなす。海岸近くを通る自転車道は、途中に立派な専用橋があるかと思えば砂に埋もれた区間もあって、自転車道なのに自転車に乗ったまま通れない状態になっている。管理する県の対応を強く望みたい。
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●潮騒橋は、世界にも例を見ない構造形式を特徴とする自転車歩行者専用橋

●直進は行き止まりとなるため、浜松方面に向けて右折する

●側道を下り、交差する道を左折する
 これまでの連載では、一般道から独立した自転車道に高い評価を与えてきた。しかし浜松御前崎自転車道に限っては、それが仇となっている。その理由はおいおい説明しよう。
 この自転車道の起点は、駿河湾と遠州灘を分けるように突き出す御前崎にある。本誌6月号で紹介した静岡御前崎自転車道と連続しているため、起点を示すものはない。日向子駐車場など御前崎周辺の無料駐車場から走り始めればいいだろう。

●起点近くの県道357号線と並行する区間。ここでも路面に砂が積もっている
 遠州灘に沿った県道357号線。その海側が自転車道となっている。海との間を遮るものはなく、向かい風のときには風に加え、飛んでくる砂にも行く手を阻まれる。出掛ける前に風向きをチェックし、逆コースで走ることも考えておこう。

 2つのアップダウンをこなし、海岸線を離れる県道に合わせて自転車道も右。まもなく交差する国道150号線を左折する。
 浜岡原子力発電所を左に見ながら進むこと3km。浜岡砂丘を示す案内標識に従って側道を下り、交差する道を左折する。道なりに進んだ先の白砂公園には、トイレや無料駐車場のほか売店もある。自転車道はここで一般道から離れ、海との間を隔てる小高い丘の脇を西に向かって進む。
 と、そこに思わぬ障害が現われた。路面を覆う砂である。埋もれた距離は長くないが、それが次々と現われる。これではロードバイクはもちろん、MTBでもタイヤが砂にめり込んでしまう。そのたびにいったん自転車を降りて押す羽目になる。これが一般道ならすぐに砂は取り除かれるはずで、そうしないのは自転車道だからだろうか。一般道と並行する自転車道ならここまで放置されることはないし、仮に埋もれていても一般道に迂回できる。冒頭の・仇となっている・とはそういう意味だ。

●林間の自転車道の脇にある施設。水道もあって休憩にはもってこい
 やがて自転車道は海岸線を離れ、防風林の中を進むようになった。景色は優れないものの向かい風はやみ、なにより砂から逃れられるのがありがたい。遅れを挽回すべくペースアップを図る。と、まもなく再び海が姿を現わした。もちろん、風や砂との新たな戦いも強いられる。
 行く手に橋が延びている。'95年に完成した潮騒橋は、吊床版橋という独特の構造形式を特徴とする。自転車歩行者専用橋としては超豪華な橋も、前後の自転車道が砂に埋もれているとあっては宝の持ち腐れ。弁財天川に架かる弁天大橋も同様である。橋が立派なだけに、道路管理のずさんさが際立ってしまうのだ。

 袋井市(旧浅羽町)湊に至った自転車道は、階段を下って一般道と並行するようになる。標識に従って進み、国道150号線との交差を左折。この交差点にはコンビニエンスストアがあり、飲食物を補給できる。
 100m先の太田川橋を渡って左。そこで分岐する自転車道は、はまぼう橋を経て福田公園にたどり着く。ここからの自転車道は防風林の間で、抜けた先は天竜川河口の竜洋海洋公園となる。さらに掛塚橋まで迂回して天竜川を渡り、馬込川の河口近くで自転車道は途切れる。遠州灘大橋の下から復活するとはいうものの、距離は短く自転車道を走る必然性はない。駐車場まで引き返すか、最寄りの浜松駅まで走るかを選択すればいいだろう。

●遠州灘に広がる浜岡砂丘は、天竜川の土砂が風と潮流によって運ばれてつくられた

●路面を厚く覆う砂のため、自転車に乗ったまま通過することはできない

●何者かによって車止めが撤去され、その跡に大きな穴が開いている

●潮騒橋と同様、豪華なつくりの弁天大橋

●車止めの間隔が狭く、ペダルを引っ掛けそうになる

●防風林の間を進む自転車道。風と砂が遮られるので、走るには快適

●竜洋海洋公園で自転車道はわずかに途切れ、この入り口から再び自転車道に入る

●国道150号線の下をくぐり、掛塚橋に向かう

●馬込川の河口付近で自転車道は途切れるため、案内に従って迂回する
 
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●計画距離(整備済み距離)
62.9km(59.8km)
●区間
御前崎-(0:46)10.12km→浜岡原子力館-(0:1)3.01km→白砂公園-(0:28)6.2km→潮騒橋-(0:45)9.37km→弁天大橋-(0:37)8.94km→太田川橋-(0:49)12.48km→竜洋海洋公園-(0:47)12.77km→自転車道終点
鉄道の場合:
[往路]JR東海道本線「菊川駅」(名古屋駅までJR東海道本線、JR東海道新幹線経由1時間11分、5440円)から県道37号線、国道150号線、県道240号線を経由して自転車道起点へ(1時間40分、28.4km)。
[復路]自転車道終点から国道1号線、中田島街道経由でJR東海道本線&東海道新幹線「浜松駅」(名古屋駅まで東海道新幹線経由 30分、5010円)となる(16分、4.54km)。
クルマの場合:
東名高速道路「菊川インター」(東名高速道路「名古屋インター」から東名高速道路経由 3200円)から26.9kmに、無料の日向子駐車場がある
●問い合わせ先
静岡県土木部道路総室道路保全室
TEL.054-221-2752
●最寄りのサイクルショップ
ミソノイサイクル
TEL.053-454-7108
サイクルランドちゃりんこ
TEL.0537-22-5922
おちあいサイクル
TEL.0537-36-3077
●最寄りのサイクリング道路
起点の御前崎市下岬の手前が、そのまま静岡御前崎自転車道となる。
[脚注]
ここで取り上げた砂のたい積と撤去された車止めについて、静岡県土木部道路総室道路保全室に対応を求めたところ、いずれも8月末までに改善する旨を約束していただいた。また、月に1回の頻度で行なっている自転車でのパトロールも、今後は増加する方針。「利用者からの意見や要望に対しては、前向きに取り組んでいきたい」とのことなので、読者のみなさんが実際に走って気付いた点は、積極的に県へ届けてほしい。それが自転車道のさらなる改善につながり、ひいては利用者を増やすことになるはずだ。