天の岩戸や伊雑宮など日本神話ゆかりの地が点在する旧磯部町('04年10月1日に志摩郡内5町が合併して志摩市)から、絵描きの町として知られる旧大王町までをつなぐ磯部大王自転車道。山林、海原、田園と、目まぐるしく変わる美しい風景が、サイクリストの心をつかんで離さない。
※この記事はサイクルスポーツ2005年2月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●路地のような細い自転車道

1.スタート地点(自転車道終点)となる波切小公園

2.国道脇にある甲賀第2小公園
 クルマに自転車を積んでいった都合上、無料駐車場のある登茂山園地をスタート地点とする。県道602号線を西へ4km、国道260号線を左折して500mで波切小公園が見えてくる。ここが磯部大王自転車道の終点。ということで今回は、終点から起点に向かっての走行となる。
 国道260号線の歩道を北上する。右側をクルマが追い越していくけれど、ガードレールで守られているので安心。さらに歩道幅も広く、対向する自転車や歩行者が皆無ってのもゴキゲンだ。その代わり自転車道らしさも皆無なのだが……。
 自転車道終点から3・6kmで甲賀に向かって右折し、豪快な下り坂の先にやっと自転車道の案内板を見つけてホッと息をつく。頭の中に地図をたたき込んでから堤防に上ると、だれもいない砂浜と白波光る太平洋の海原が、一瞬のうちに開ける。潮風のせいか細く弱々しい樹木が、風情ある景色を醸し出している。
 その先、すぐに阿児町駐輪場に到着する。前が海水浴場となっていて、季節外れにもかかわらず、サーフィンを楽しむ人でにぎわいを見せている。ここから自転車道は海岸線を離れ、田んぼの真ん中を突っ切ること2・5kmで左折し、山林へと続く。
 木立の中を、タイヤの滑る音だけがわずかに響く。キジの親子が私に気付き、大急ぎで林の中へと逃げ込んでいった。それ以外は何もない。もちろん対向車も歩行者も。走ることだけに没頭できるのがなんともうれしい。心地よいアップダウンと連続するコーナーが、テンションと心拍数を上げていく。自転車は加速し、3・2kmの山道を一瞬で通りすぎる。
 三差路を左折し、その先1kmでパールロード奥志摩ライン高架下を通過する。パールロードは秋になると、「サイクルマラソン鳥羽志摩線」が催されることで知られる。参加した人から、「イセエビがまるごと入ったイセエビ汁がふるまわれた」と聞いたことがある。
 まもなく県道61号線に合流し、山の上に「志摩スペイン村」(開園時間:9時30分~16時30分※2月までの開園時間で以降は延長、休園日:2月15日~28日、入園料:2800円/一般、・0599ー57ー3333)の建物が見える。
 再び海岸線を行くが、湾内なので海は穏やかだ。坂崎駐輪場に立ち寄り、自転車を降りて階段を上がると、小高い丘の上から景色が見通せる絶景の休憩ポイントとなる。
 さらに走り続けて1km、近鉄志摩線の穴川駅手前を右折して細い道に入る。ここを入りそこねると、クルマの往来が激しい国道167号線を行くはめになるので、のんびり走りたい人は決して見落としてはいけない。1・5kmほど続く路地のような狭い道は、路面に自転車マークが描かれていたりするので、めったに迷うことはない。
 やがて国道167号線に合流したら、歩道を500m走行し、右折後200mで、自転車道起点の志摩磯部駅に到着する。
 美しい景色が印象に残った道ながら、自転車に乗った人に出会わないのは初めての経験だった。せっかくの自転車道。稲の干し場として使われるだけではあまりにも惜しいから、みんなでバンバン使ってあげようね!

3.県道との交差点を、甲賀方面に向かって右折する


4.やっと見つけた自転車道の案内板


5.だれもいない砂浜

6.自転車道脇の斜面には、細く弱々しい樹木

7.施設の整った阿児町駐輪場

8.木々が生い茂るひっそりとした自転車道

9.田園地帯を突っ切っていく

10.ここから山林の間を抜ける道が始まる

11.田んぼの向こうにホテルが建ってる

12.山の上には志摩スペイン村がかすかに見える

13.路面のマークが道案内をしてくれる

14.志摩磯部駅の駅舎はスペイン風の趣
地図拡大
●計画距離(整備済み距離)
18.4km(18.4km)
●区間
波切小公園[自転車道終点]-(0:04)6.00km→松原海水浴場-(0:56)8.25km→坂崎駐輪場-(0:28)4.15km→志摩磯部駅[自転車道起点]
鉄道の場合:
[往路]近鉄志摩線「鵜方駅」(大阪駅からJR大阪環状線、近鉄大阪線・山田線・鳥羽線・志摩線経由 2時間38分 3980円)から国道260号線を8km南下したところにある波切(なきり)小公園がスタート地点になる。
[復路]ゴールの目の前が近鉄志摩線「志摩磯部駅」(大阪駅まで近鉄志摩線・鳥羽線・山田線・大阪線、JR大阪環状線経由 2時間53分 3860円)になる。
クルマの場合:
伊勢自動車道「伊勢西インター」(名神高速道路「吹田インター」から近畿自動車道、阪和自動車道、海南湯浅道路、西名阪自動車道、伊勢自動車道経由 3200円)から県道32号線を15km南下し、国道167号線を8km、その先の国道260号線を9km進み、さらに県道602号線を4kmで無料駐車場のある登茂山園地に着く。
●問い合わせ先
三重県県土整備部保全・災害チーム TEL:059-224-2677
●最寄りのサイクルショップ
森本サイクル TEL:0599-43-0163
●最寄りのサイクリング道路
近鉄山田線伊勢市駅近くから、松阪伊勢自転車道が始まる。