実業団のトップ選手などが練習コースとしてきたヤビツ峠に挑む。時計回りで大山をめぐることで急峻な上りを一気に駆け上がり、川沿いの長い下りを楽しむことができる。清涼感あふれるごきげんなルートだ。
※この記事はサイクルスポーツ2007年5月号からの転載です。現在とは情報が異なる場合もありますので、ご了承ください。 地図の拡大を見る

●菜の花台と呼ばれる見晴らしのいい駐車場が途中にある。前方にようやく稜線が見えた

1.学園&研究施設が点在する森の里にある若宮公園。利用者もまばらで落ち着いた雰囲気

2.国道246号からヤビツ峠に向かって高度を上げていくと、小さな祠と鳥居が迎えてくれた
 厚木市の西部にある森の里ニュータウンの駐車場にクルマを置いてスタート。小野から新玉川沿いに北上して日向川で左折。一路伊勢原に向かい、「分かれ道」という交差点で鋭角的に右折して伊勢原温泉方面へ。石倉、上粕屋を経て神戸から国道246号線に入る。この幹線道路は交通量が多めなのに加え、新善波トンネルまでダラダラと上っていくので、幅の広い歩道をのんびりと走るのがいい。
 国道246号線はそのままトンネルを抜けて秦野市に至るが、「トンネルの中を走るのはイヤだ」という場合は、旧道に入って善波峠を越えるのがいい。このルート沿いにはファッションホテルが立ち並ぶので、あまりいい雰囲気とはいえないのだが……。
 名古木交差点を右折すると、いよいよヤビツ峠までの上りが始まる。かつて宮田工業に森幸春、高橋松吉、三浦恭資がいたときは、「名古木からヤビツ峠まで30分台で上った!」という伝説的なタイムが残っているが、それには惑わされず自分のペースで上ろう。最後の集落となる蓑毛までが直線的に上るので最も厳しい。
 蓑毛を過ぎるとセンターラインのない林道となり、たまに出くわす対向車に注意しながら上る。この狭い道は登山客を乗せたバスも運行する。といっても平日で2便、週末でも4便程度だが。トイレは蓑毛、菜の花台、ヤビツ峠にある。
 ヤビツ峠は丹沢山系において、ロードバイクで越えられる希少な峠だ。トレーニングのために秦野側から上って峠のピークでUターンするサイクリストも多いが、その奥に用意された渓流沿いの林道もぜひ堪能したいところだ。
 ヤビツ峠まで上ってしまえば、あとはゴール手前まで基本的に下り基調。ただし3月末の取材時にも道ばたの日陰には残雪があったので、冷え込むエリアなのだろう。峠を下り始めて10分もしないうちに、「護摩屋敷の水」と呼ばれる名水がわき出るポイントがある。クルマで乗りつけてペットボトルに何本も水を入れる人も多いが、「ボトル1本だけなので」と声をかけると水場を譲ってくれるはず。
 宮ヶ瀬湖に到着して補給がしたい場合は、ビジターセンターまで足を延ばすとレストランや売店がある。厚木にそのまま向かう場合は宮ヶ瀬レイクラインと呼ばれる県道64号(伊勢原津久井)線を下る。余裕があれば宮ヶ瀬湖を一周したいところだが、半原に向かう周遊道はトンネルが多いので、自転車はちょっと気を遣うところだ。
 宮ヶ瀬湖をあとにするとすぐに標高400mの土山峠があるが、それを過ぎれば基本的に下り。尾崎の三差路で右折するのを忘れなければ、スタートした森の里に到着する。最後の丘陵地の上りは、
交通量が少ない住宅街なのでゆっくりと走ろう。また、この辺りには七沢温泉や広沢寺温泉などがあり、汗を流すのにもうってつけ。厚木はもともと交通の要衝なので、アクセスがいいのもうれしい。

3.蓑毛の手前には昔ながらの水車も出現。このあたりが最も厳しいのでちょっとひと休み

4.蓑毛のバス停までの直線的な上り坂。停留所には最後の売店と自動販売機やトイレがある

5.いよいよヤビツ峠に向かう本格的な林道に突入。路面の滑り止め加工はすぐになくなる

6.展望台から眼下に広がる秦野市内やはるか太平洋を望む。この辺りは標高600mだ

7.標高761m、ヤビツ峠には売店と自動販売機、その反対側には立派なトイレがある

8.ヤビツ峠から北側に少し下ったところ、富士見山荘近くに「護摩屋敷の水」がある

9.ダムによってせき止められた宮ヶ瀬湖。年末には巨大クリスマスツリーも出現するのだ

10.七沢温泉あたりはのどかな川沿いの道を走ってもいい。丘に上ればゴールの森の里だ
地図拡大
●問い合わせ先
秦野市観光課 TEL:0463・82・9648
http://navi.city.hadano.kanagawa.jp/kankou/index.html
清川村産業観光課 TEL:046・288・1211
www.town.kiyokawa.kanagawa.jp/top/kankou_index.html
宮ヶ瀬ビジターセンター
(開館時間:9時~17時、休館日:月曜※祝日の場合は翌日
※土曜または日曜の場合は開館、入館料:無料、
TEL:046・288・1373
www.kanagawa-park.or.jp/miyagase/〉)
●駐車場
今回の拠点とした駐車場は、厚木市森の里にある若宮公園の無料駐車場。トイレ&水場も完備。開放時間:10時~18時30分/4月~9月 10時~17時30分/10月~3月。
●食べ物&お土産
宮ヶ瀬湖から厚木に下っていく途中、七沢に「ZUND-BAR=ズンドバー」の看板があるので右折してそのまま奥に進んでいくと、広大な駐車場を持つ黒い建物のラーメン屋がある。店の外には順番を待つ人がたくさん。大和市にある有名なラーメン店「中村屋」の兄弟店で、実際にマスター同士は兄弟。使用する水にこだわってこの地に出店したのだという。塩・しょうゆとも750円で、「あっさり」と「こってり」から選べる(営業時間:11時~15時&17時~20時/月~金 11時~20時/土・日・祝、定休日:水曜&第2・第4木曜、TEL:046・250・0123)。